Superfly 色とりどりの楽曲で東京国際フォーラムを包んだ、WHITEツアー東京公演
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Superfly
Superfly WHITE TOUR 2015 東京国際フォーラム・ホールA
「自分ってどんな人間なんだろう」
シンガーとしての活動を続けていく中で、そのことを見失いかけていたというSuperfly・越智志帆(以下、志帆)。アルバム『WHITE』は、彼女があえて様々な楽曲と、それぞれの作曲者の「色」に染まることで、自分の「色」を再確認する意味を込めた作品であった――こんなことが語られた『Superfly WHITE TOUR 2015』東京公演で、彼女はどんな「色」を見せたのか。
5000人を超える観客を集め、超満員状態の東京国際フォーラムが一斉に手拍子を送る中、ステージ中央に設置された階段の最上段に、志帆が屹立する。「White Light」のリズムに合わせて背景に映し出された映像が様々な「色」と模様を映し出すのだが、それに合わせてなんと彼女の衣装までもがあらゆる色に変化していく。白い衣装にプロジェクションマッピングで映像を投影し、アルバムのテーマ・世界観を視覚/聴覚の両面からダイナミックに表現するという見事な演出だ。冒頭からパワフルな歌声を響かせた志帆が、アウトロで白い衣を脱ぎ捨て階段を降りると、大歓声と「Na Na Na…」の合唱で迎えるオーディエンス。会場の空気は一気に彼女のものとなった。
「踊る準備はできてますか? 暴れる準備できてる?」の言葉から、歪んだベースラインが導いたブルージーな「マニフェスト」、一転、普遍的な美メロを優しく伸びやかに、それでいて豊かな声量で高らかに歌った「Live」など、彼女は前半からめまぐるしくその「色」を変えていく。クラシカルなピアノの音色に乗せた「Space」では、後半から力強いバンドサウンドが加わり、そのまま「愛をこめて花束を」へ。志帆は笑みを浮かべながら客席を見渡し、時折手を振ったりハンドサインを送りながらステージ上を歩き、歌声とは対照的ともいえるキュートな仕草も垣間見せる。
オーディエンスの反応、リアクションも際立っていたこの日だが、それは志帆とバンドメンバーが繰り出す様々な盛り上げによるところも大きい。「極彩色ハートビート」ではバンドメンバーが全員リコーダーを持って整列し、「数十年ぶり」と口にしつつも見事な音色を披露したり、続く「A・HA・HA」では、だんだん難易度が増していくクラップとステップを会場全体で行ったり。観る者も気づけば全身で音楽を楽しんでいる、そんなステージだ。
男女別にコール&レスポンスしてから5000人の「ゴスペル隊」によるシンガロングとともに放たれた、ソウルフルな「Woman」からの後半戦。ロック色の強い楽曲が連続して並び、「タマシイレボリューション」ではイントロから飛び跳ねる観客により、誇張なしに会場が揺れる。ハードな歌唱もさることながら、悠然と客席を煽る姿は、その小柄な身体からは想像もできないほどの存在感と格好良さである。
ロック、ソウル、ゴスペル、R&B、バラード……色とりどりの本編を締めくくったのは、このアルバムのテーマを象徴するナンバー「Beautiful」だった。いろいろな人による様々な楽曲を歌ううちに見えてきた自分の色。そこで彼女は「自分に与えられたものを大切に、愛していきたいな」と再確認できたのだと言う。そうして生まれた答え=「Beautiful」では、背後のスクリーンに様々な色が白いキャンパスを埋め尽くしていくイメージが映し出される。そこからのサビでは、昂揚感溢れるドラムのリズムに乗って眩い「光」が場内を照らす。
<世界で一つの わたしに 幸あれ>
彼女が見つけ出した自分の「色」を、確かな「光」として表現しきった見事な歌と演出。歌い上げた彼女は大きく手を掲げてステージを後にしていった。
アンコールでは「You You」に続いて、竹内まりやの「Sweetest Music」をカバーし、武道館ライブで観て感動したという同曲を、自身のライブでも披露できる喜びを素直に口にした志帆。その後「On Your Side」であたたかく大きな空間で会場を包んだ彼女は、バンドメンバーが去ったステージに一人残り、「もう一曲」と口にする。大きな歓声の中、蔦谷好位置がステージに戻り、ともにアコースティックセットで届けられたのは「いつか私は歌をうたう」だ。これまでも「歌をうたう」ことで、多くの人を魅了し、力を与えてきた彼女が、あらためてその決意を新たにしたアルバム『WHITE』とそのツアー。ラストに歌われた「いつか私は~」の前向きなメッセージは、会場の5000人ひとりひとりの心に深く刻まれたことに違いない。
この日以降も全国のホールをまわりツアーを続けたSuperflyには、年明けからアリーナツアーが控えている。ホールツアーでもプロジェクションマッピングやライティングを駆使した見事な演出を見せていたが、会場が大きくなるアリーナ公演ではそれらがよりグレードアップすることは想像に難くない。そして何より楽しみなのは、ホールで聴くのが贅沢に感じてしまうほどスケールの大きい歌声と、彼女自身が放つパワーが、大きな会場を包んでいく景色だ。そこで観る「色」は何色の輝きを放つのだろう。
文=風間大洋
1月30日(土)幕張メッセイベントホール
2月 6日(土)さいたまスーパーアリーナ
2月 7日(日)さいたまスーパーアリーナ
2月13日(土)マリンメッセ福岡
2月27日(土)ゼビオアリーナ仙台
2月28日(日)ゼビオアリーナ仙台(追加公演!)
3月 5日(土)大阪城ホール
3月 6日(日)大阪城ホール
3月12日(土)北海道立総合体育センター 北海きたえーる
3月19日(土)名古屋日本ガイシホール
3月20日(日)名古屋日本ガイシホール
2015.12.02(Wed)Release!!
Superfly
■通常盤¥2,700(税別)2CD(Disc1/2)WPCL‐12280/1
■初回生産限定盤¥3,200(税別)2CD(Disc1/2)+DVD(Disc3) WPZL-31130/2
(※2015年5月30日に初の大阪で行われた、“5th Album『WHITE』リリース記念FREE LIVE at 大阪城西の丸庭園”のLive映像を収録)
Disc1 全5曲収録
M-01:黒い雫【フジテレビ系水10ドラマ『無痛~診える眼~』主題歌】
M-02:新世界へ
M-03:I Love Rock ‘N’ Roll
M-04:Beautiful(Live)
M-05:On Your Side(Live)
※Live from 『Superfly WHITE TOUR 2015』at 東京国際フォーラム
Disc2 全17曲収録
M-01:孤独のハイエナ
【2007年04月04日リリース/1st Single『ハロー・ハロー』より】
M-02:凛
【2007年08月01日リリース/2nd Single『マニフェスト』より】
M-03:愛と感謝
【2008年02月27日リリース/4th Single『愛をこめて花束を』より】※JFL「POWER OF MUSIC」キャンペーンソング
M-04:Perfect Lie
【2008年09月10日リリース/6th Single『How Do I Survive?』より】
M-05:Welcome To The Rockin' Show
【2009/年05月13日リリース/7th Single『My Best Of My Life』より】
M-06:Rescue Me
【2010年12月15日リリース/11th Single『Eyes On Me』より】
M-07:プリマドンナ
【2010年12月15日リリース/11th Single『Eyes On Me』より】
M-08:Different Ways
【2011年03月09日リリース/12th Single『Beep!!』より】
M-09:I My Me Mine Mine
【2011年10月12日リリース/14th Single『愛をくらえ』より】※映画「スマグラー おまえの未来を選べ」イメージソング
M-10:28
【2012年08月15日リリース/15th Single『輝く月のように』より】
M-11:終わりなきゲーム
【2012年10月31日リリース/16th Single『Force』より】
M-12:透明人間
【2012年10月31日リリース/16th Single『Force』より】
M-13:万華鏡と蝶
【2014年05月14日リリース/17th Single『Live』より】 ※映画『闇金ウシジマくんPart2』イメージソング
M-14:The Long Way Home
【2014年05月14日リリース/17th Single『Live』より】
M-15:You You
【2014年11月19日リリース/18th Single『愛をからだに吹き込んで』】 ※「JFL presents FOR THE NEXT」テーマソング
M-16:クローゼット
【2014年11月19日リリース/18th Single『愛をからだに吹き込んで』】※テレビ東京系「Crossroad」エンディングテーマ
M-17:愛をこめて花束を(Piano ver.)
【2009年3月/期間限定配信】
Disc3(5th Album『WHITE』リリース記念FREE LIVE at 大阪城西の丸庭園)
全10曲収録 ※初回生産限定盤のみDVD収録
M-01.White Light
M-02.タマシイレボリューション
M-03.Alright!!
M-04.愛をこめて花束を
M-05.Bi-Li-Li Emotion
M-06.マニフェスト
M-07.愛をからだに吹き込んで
M-08.Beautiful
EN1.On Your Side
EN2.You You