あべのハルカス美術館『生誕120年 イスラエル博物館所蔵 ミラクル エッシャー展』来場者5万人を突破!
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12月18日、現在、あべのハルカス美術館で開催中の『ミラクルエッシャー展』の来場者数が、5万人を突破した。それを記念して来場者5万人セレモニーが行われた。
この日も朝から開場を待つ行列ができていた
来場者5万人目になったのは、中村さや香さん(高槻市)と坊愛さん(茨木市)。デザイン学生時代の友人で、時々一緒に美術館に足を運ぶそう。昔一緒にエッシャー展を鑑賞したことを思い出して、今回の展覧会にも来ることにしたという。
来場者5万人目ということをスタッフに告げられた2人は、驚きつつも喜びながら、あべのハルカス美術館館長から贈られたエッシャー展図録・展覧会グッズを笑顔で受け取っていた。
館長から、エッシャー展図録と展覧会グッズの贈呈
エッシャーの魅力を聞くと、中村さんは「自分がどこに立っているのかわからなくなるような不思議な感覚になるのでおもしろい」と話し、坊さんは展覧会メインビジュアルの《相対性/1953》を見ながら「この作品のポストカードを持っていますが、子供たちがどこから見るの?と不思議がっていました。本当におもしろいです」と答えていた。そして「美術館は非日常な空間に浸れて、ちょっと贅沢な気分になれるのが素敵です」と、中村さん。大きな拍手に送られて、仲良くエッシャー展のエントランスに向かった。
館長と、来場者5万人目の中村さんと坊さん
“トロンプ・ルイユ(だまし絵)”として有名なマウリッツ・コルネリス・エッシャー(1898〜1972)は、20世紀を代表する奇想の版画家。本展はエッシャーの生誕120周年を記念して、世界最大級のエッシャーコレクションを誇るイスラエル博物館から選りすぐられた作品約150点が日本初公開されている。
本展は「エッシャーと科学」「聖書」「風景」「人物」「広告」「技法」「反射」「錯視」の全8章から構成され、各章ごとに様々な切り口でエッシャー作品を楽しむことができる。さらに今回の展覧会は、版画作品だけでなく初期の作品や木版、直筆のドローイングなども鑑賞できる貴重な機会だ。エッシャーが版画家として生きる決意をしてから成熟するまでの道程を窺い知れる内容となっている。
重力に逆らって流れる水が描かれた《滝》や、水田の風景がいつのまにか鳥に変化する《昼と夜》など、ひとつの空間に複数存在する重力や、モチーフが変化し続けループするエッシャー特有の“ありえない不思議な世界”は、いつまでも見ていたくなる。本展最後に迎えてくれる4mの大作《メタモルフォーゼⅡ》は彼の集大成とも言える作品。文字からはじまり、様々な形態が変容しながら循環し続け、やがて最初の文字へと戻る。これは彼の芸術の極点であり、まさに圧巻である。
また、エッシャーは作品によって版画技法を変えたり組み合わせて、作品の完成度を高めていたが、本展ではその技法についても詳しく解説されているため、より彼の作品に対する興味と理解を深めることができるだろう。
バカリズムがナビゲーターを務める展覧会音声ガイドは550円(税込)。展示されているキャプションには掲載されていない、エッシャー作品の裏側を知ることができる内容となっている。こちらもあわせてお楽しみいただきたい。
『ミラクルエッシャー展』は2019年1月14日(月・祝)まであべのハルカス美術館で開催。土日祝日や会期終盤になると混雑が予想されるため、早めに来場されることをオススメする。
取材・文・撮影=ERI KUBOTA
イベント情報
会期:開催中~2019年1月14 日(月・祝)
休館日:12月31日、1月1日