luz、奏音69らによるRoyal Scandal 歌人・しゅーずとともに魅了した過激で無邪気な舞踏会
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Royal Scandal
Royal Scandal WONDER TOUR 2018 -BITTER&SWEET-
2018.12.26(昼の部) Zepp Tokyo
過激で無邪気な舞踏会が、ここに開宴。
ボーカリスト・luzと、ボカロP・奏音69が参加するユニットであるRoyal Scandalが、このたび開催したのは全国規模で計7本にものぼった『Royal Scandal WONDER TOUR 2018 -BITTER&SWEET-』だ。
もともと、Royal Scandalは演劇性のあるステージングを展開することでも知られているが、このたびはひとつのストーリーに沿いながらluzと奏音69だけでなく、各地において“歌人”【ウタビト】と称したゲストシンガーを迎え、濃密にして華やかな時間が生み出されることとなったのである。
シアトリカルなスタイルがとられていたこともあり、今回のライブでは開演前にナレーションにてこの公演についての“前書き”的な説明がなされたのだが、簡潔に説明するならこれは美しくも傲慢な王子・アルベールが、刺激的かつ理想的な舞踏会の開催を要望し、とある不思議の国にてそれを秘密裏に実施するというファンタジックな物語を下敷きにしたもののようで、その中でキーパーソンズとなるのが舞踏会で歌を歌い音を奏でる役割を果たす、luzと奏音69が参加するRoyal Scandalのふたりであったということになるだろう。
luz
ライブタイトルそのままに、「ビタースウィート」から始まった今回の宴では、基本としてluzが歌い奏音69が鍵盤演奏をするという体制ですすめられたのだが、曲から芳醇な色香が漂ってくる「クイーンオブハート」や、ハードボイルドな色合いが滲む「REVOLVER」などのほか、新曲「チェルシー」なども惜しみなくふたりによって披露されていくことに。そればかりか、中盤では歌うボカロPとして名を馳せる奏音69がフロントに立ち、「ファーストレディー」をソロ歌唱する一幕もあった。
しゅーず
そして、後半戦に入り物語が佳境に入ってきたところで“歌人”【ウタビト】として登場したのは、しゅーず。今回のツアーでは、他にも公演場所によってun:cやセンラ、めいちゃんが参加することになったそうであるが、東京公演でのしゅーずは「U」や「キャットアイメイク」の2曲を、luz&奏音69との寸劇をまじえながら歌い上げてみせたのだった。また、このあとには奏者としての奏音69がインストルメンタル「Wondertale」で、異世界の雰囲気を醸し出してみせ、場内の空気はより“過激で無邪気”なものへとなっていくことに。
奏音69
luz
後半戦に向けては、luzにとって代表曲のひとつである「光」や、「ビーストインザビューティ[Reflexion ver.]」、さらには「1日遅れのクリスマスプレゼント」としてluzから供された「ファントムペイン」などが連打されていくこととなったのだった。
「最後に、Royal Scandalにとって始まりの曲をやりたいと思います」(luz)
ここで我々へと届けられたのは、それこそ<カゲキでムジャキな>という歌詞が存在感を放っていた「チェリーハント」にほかならない。つまり、今回の公演もまたRoyal Scandalとしての芯の部分は一切ブレることなく、そのうえでよりゴージャスにドレスアップしたパフォーマンスが具現化されたということになるのではないかと思う。(実際、luzと奏音69の衣装はともにゴールドをふんだんにあしらったもので燦然とした光が終始ずっと放たれていた!)
Royal Scandal
ちなみに、アンコールではRoyal Scandalとしてグラマラスな風情が香る「SISTER」を演奏したあと、あらためてしゅーずが登場しluzとのデュオで「ミリオンダラードリーマー」を歌うというレアな場面があったほか、今回のナレーションについての解説というか、ネタバラシがされるくだりまでが用意されていたのも注目すべきポイントだった気がする。
奏音69、luz
「今日のナレーションの声、誰かわかりました? そう、ドラマの『24』とか、『ブラックジャック』でも有名な大塚明夫さんという大ベテランの声優さんです」(luz)
「私たちは収録も立ち合わせていただいたんですが、もう現場でのオーラが凄かったです!」(奏音69)
「こういう世界観を大事にした公演だけに、説得力のある方に声をやっていただきたかったんです。最初は、僕らでやろうか?という話もあったんですよ」(luz)
「まぁ、それでも良かったんだけど……やっぱりちょっと違ったもんね(笑)」(奏音69)
「それで、半分くらいは冗談で「大塚明夫さんに頼めないですかね?」って言ってたら……」(luz)
「なんとこれが、意外に話が通っちゃいました!」(奏音69)
「これで良く分かりましたね。夢は諦めずに、口に出していきましょう!」(luz)
「なんか、最後はすげーイイ話みたいにになったな(笑)」(奏音69)
どうやら、おあとがよろしいようで。魅惑の過激で無邪気な舞踏会が、いずれまた開かれることを望みたい。
文=杉江由紀 撮影=小松陽祐(ODD JOB)
Royal Scandal
Royal Scandal
セットリスト
2018.12.26(昼の部) Zepp Tokyo
1. ビタースウィート(luz)
2. クイーンオブハート(SISTER Edition) (luz)
3. REVOLVER(luz)
4. チェルシー(luz)
5. ハッピーアンバースデイ(luz)
6. R-18(luz)
7. ファーストレディー(奏音69)
8. U (しゅーず)
9. キャットアイメイク(しゅーず)
10. Wondertale(奏音69)
11. 光(luz)
12. ビーストインザビューティ [Reflexion ver.] (luz)
13. ファントムペイン(luz)
14. Labyrinth(luz)
15. チェリーハント(luz)
[ENCORE]
16. SISTER(luz)
17. ミリオンダラードリーマー(luz、しゅーず)