スタイリッシュなダンスで紡ぐ若者の恋と希望、劇団四季「パリのアメリカ人」開幕
劇団四季 ミュージカル「パリのアメリカ人」舞台稽古より、左から酒井大演じるジェリー、石橋杏実演じるリズ。
明日1月20日、東京・東急シアターオーブで劇団四季のミュージカル「パリのアメリカ人」が開幕する。初日公演に先駆け本日19日、同劇場で公開舞台稽古が実施された。
第二次世界大戦直後のフランス・パリを舞台に、アメリカの退役軍人ジェリーを主軸とした本作は、1951年の映画「巴里のアメリカ人」をベースにしたミュージカル。クリストファー・ウィールドンの演出・振付により、2014年にフランス・パリのシャトレ座で初演され、翌15年のトニー賞では振付賞をはじめ4部門を獲得した。
ある日、街中で出会った女性リズに一目惚れしたジェリー。芸術に人生を捧げようと画家としてパリに残る決意を固めたジェリーは、作曲家を目指すアダムと、ショーマンを夢見るアンリに出会い、友情で結ばれる。後日、アダムに連れられてスケッチのために訪れたバレエスタジオで、ジェリーはリズと再会するが……。
「I Got Rhythm」や「'S Wonderful」といったガーシュインの名曲がちりばめられた劇中では、洗練された衣装や映像、ダンスと共にストーリーが展開。物語終盤で、現代アートを連想させるデザインの舞台装置を背景に、ジェリーとリズが「An American in Paris」に乗せて繰り広げるスタイリッシュでロマンチックなダンスにぜひ注目しよう。
ジェリー役の酒井大は軽やかなステップやターンを次々に披露して会場を盛り上げ、リズ役の石橋杏実はしなやかなダンスと可憐な笑顔で観客を魅了。また小林唯演じるアンリと斎藤洋一郎演じるアダムは息の合った掛け合いで客席を和ませ、裕福なアメリカ人女性・マイロを知的に演じる岡村美南は凛とした立ち姿で艶やかな歌声を響かせた。
色彩豊かな衣装の出演者たちが華やかなパフォーマンスで魅せる一方、作中では、戦後の混乱が収まりきらないパリの様子や、リズがナチス占領下のパリでアンリ一家に匿われていた過去を持つことも描かれる。戦争の影が残る中で、ショーや音楽、絵画、バレエなどの芸術に夢を持ち、情熱を捧げる若者たちが物語に希望と明るさをもたらした。
開幕に際し、ジェリー役の酒井とリズ役の石橋からコメントが到着。酒井は「クリストファー・ウィールドンさんが手掛ける振付は、これまで経験したことがないほど斬新であり、非常に難しいもの。この美しいダンスを通してジェリーという役、そしてこの作品の魅力を余すことなくお客様にお届けできるよう、精一杯演じたいと思います」と意気込み、石橋も「リズは求められていることをすべきか自分の心に従うべきか思い悩む、ひとりの女性。この役を通して作品のドラマをしっかりお届けできるよう、一回一回の舞台を誠心誠意努めてまいります」とメッセージを送っている。
ミュージカル「パリのアメリカ人」の東急シアターオーブ公演は明日1月20日から3月8日まで。その後、3月19日から8月11日まで、神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 ホールでも上演される。
酒井大コメント
これまでバレエダンサーとしてバレエ作品に出演してきましたが、今回この舞台に挑戦する機会をいただき、大変光栄です。
クリストファー・ウィールドンさんが手掛ける振付は、これまで経験したことがないほど斬新であり、非常に難しいもの。この美しいダンスを通してジェリーという役、そしてこの作品の魅力を余すことなくお客様にお届けできるよう、精一杯演じたいと思います。
石橋杏実コメント
劇団四季の新作という大舞台で、ヒロインのリズ役を演じることができ、光栄に思うと同時に身が引き締まる思いです。
この作品は第二次世界大戦後のパリを舞台に、戦争で受けた傷を抱えながらも、前を向いて生きていく若者たちの姿が描かれています。リズは求められていることをすべきか自分の心に従うべきか思い悩む、ひとりの女性。この役を通して作品のドラマをしっかりお届けできるよう、一回一回の舞台を誠心誠意努めてまいります。
劇団四季 ミュージカル「パリのアメリカ人」
2019年1月20日(日)~3月8日(金)
東京都 東急シアターオーブ
2019年3月19日(火)~8月11日(日・祝)
神奈川県 KAAT神奈川芸術劇場 ホール