松本穂香が長編映画初主演 浜野謙太と板尾創路がパートナー演じる『おいしい家族』公開が決定
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『おいしい家族』 (C)2019「おいしい家族」製作委員会
松本穂香の長編初主演映画『おいしい家族』が2019年秋に公開されることが決定した。
『おいしい家族』は、映像産業振興機構(VIPO)の若手映画作家育成プロジェクト(ndjc)2015に選出され、小説『えん』が第40回すばる文学賞を受賞したふくだももこ監督による初長編映画。妻を亡くした父親が再婚するまでの親子を描いた短編『父の結婚』(ふくだももこ監督)を原作としており、長編化にあたって舞台を離島に移し、エピソードやキャラクターを追加しているという。
左から、浜野謙太、松本穂香、板尾創路
本作で長編主演を果たす松本は、ドラマ『この世界の片隅に』(TBS)でヒロインすず役を演じた女優。『おいしい家族』へのキャスティングについて、プロデューサーは「主人公・橙花(とうか)にはキャラクターの感情を豊かな表情と<目で>表現できる方を、と監督と話すなかで、朝ドラや映画の出演作で以前より注目していた松本さんにオファーをした」とコメント。松本は「(脚本を)1ページ、2ページ、気付けばあっという間に読み終えていました。この世界に自分が行けるんだ、この役を演じられるんだ、とワクワクソワソワしたのを覚えています」と語っている。
松本演じる主人公・橙花は、東京で働く女性。母の三回忌に実家の離島に帰ると、なぜか父・青治が母の服を着て生活していることを知る。父は続けて「この人と家族になる」とお調子者の居候・和生(かずお)を紹介。橙花と青治、和生、そして島の住人たちの暮らしを描いていく。
橙花の父・青治役で、ふくだ監督の前作『父の結婚』でも同じ役どころを演じた板尾創路が続投。板尾は、「『父の結婚』はショートケーキで、長編はバースデーケーキの様で、みんなに味わって欲しいと思える、おいしい映画になりました」となどとコメントしている。また、青治のパートナーで、お調子者の居候・和生を演じるのは、浜野謙太。が好演。浜野は「若い面々のパワーが弾けてる作品になっています。松本さんを筆頭に若く素晴らしい俳優の方々がたくさん、そしてももこさん。おっちゃん照れてしまうくらいのとこもありましたが、激しく弾けてるから感動するんです」と語っている。
『おいしい家族』撮影風景 (C)2019「おいしい家族」製作委員会
キャスト、監督のコメント全文は以下のとおり。
松本穂香
――主演のオファーを受けて。
主演のお話を受けて、経験もほとんどない私が主演で大丈夫かな?と撮影前は不安な気持ちがありましたが、監督やスタッフさん達と話をして作品と向き合っているうちに、みんなでいい物を作ろうという気持ちに変わっていました。
――脚本を読んで。
1ページ、2ページ、気付けばあっという間に読み終えていました。この世界に自分が行けるんだ、この役を演じられるんだ、とワクワクソワソワしたのを覚えています。
――出来上がったものをみて。
ふくだ監督は、これは愛の映画だと伝えてくれました。キャストだけでなく、監督、スタッフさん達、この映画に関わった全ての人の愛がつまっている映画です。皆さんにも、自分が思う愛と重ね合わせて、観て頂きたいです。
浜野謙太
――脚本を読んで。
和生はある意味、かき混ぜる存在なので真意はどこにあるのだろう?と思いながら読み進めましたが、かき混ぜた状態自体が愉快で幸せで。愛はかたちではなくて、感じればいいのだなと思いました。
――出来上がった作品を見て。
若い面々のパワーが弾けてる作品になっています。松本さんを筆頭に若く素晴らしい俳優の方々がたくさん、そしてももこさん。おっちゃん照れてしまうくらいのとこもありましたが、激しく弾けてるから感動するんです。
板尾創路
――前作『父の結婚』に続き2度目のふくだもももこ作品への出演について。
前回の短編の時はフイルム撮影という事もあったので監督のカットかけるのが早かったが、今回は長かったし、酒も強くなってたし、美人になってた。短編の「父の結婚」はショートケーキで、長編はバースデーケーキの様で、みんなに味わって欲しいと思える、おいしい映画になりましたとさ。
――出来上がった作品を見て。
風景があり、町があり、そこに人が居て、そしてドラマがある…
映画の王道を捉えつつ、監督の理想郷アイランドを表現していて、家族や友人の事がまた好きになる作品です。その島に行ってみたくなったり、劇中の料理を食べたくなったりする経済効果も生んでしまったりしてる事に気付いているのは私だけでしょうか?
ふくだももこ(監督)
――公開を受けて。
自分の撮った短編映画が長編映画として公開されるなんて、めっちゃラッキー!!! 信頼し、尊敬するスタッフ・キャストのおかげですべての作業が最高に楽しかったです!はやく色んな人に観てもらいたい!
――本作について。
思想のある映画が好きです。この映画では、小さな島のひとつの家族を通して、私の考えるユートピアを描こうと決めていました。どんな姿でも、何になりたくても、誰を好きでも、なんでもええやんって。必要なことは、自分を大切にして、人にやさしくすることだと思っています。たったそれだけのことがむずかしい世界ですが、これからも信じて映画をつくっていきたいです。
同作の撮影は、1日のみの東京での撮影を除き、すべて伊豆諸島 新島で行われた。作品はすでに完成している。
『おいしい家族』は2019年秋、全国公開。