瀬戸康史『大哺乳類展2』音声ガイドインタビュー 「人間と動物の関係性を発信することが、自分の使命」

2019.3.17
インタビュー
アート

メガネザルの剥製と瀬戸康史 撮影=山本倫子

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2019年3月21日(木・祝)~6月16日(日)にかけて、国立科学博物館(東京・上野公園) で開催される『大哺乳類展2』。本展の音声ガイドナビゲーターを、俳優の瀬戸康史が担当する。今回、音声ガイド収録を終えたばかりの瀬戸にインタビューを敢行。本展の見どころや幼い頃から抱いていた“動物愛”について、たっぷりと語ってもらった。

来場者と電話で話しているような音声ガイド

音声ガイド収録時の様子 撮影=山本倫子

ーー本展の音声ガイド担当が決まった時の感想を教えてください。

役者としての仕事では、動物と関わることがあまり多くないので、今回音声ガイドをやらせていただき、こうやって動物と関われることは素直にうれしかったです。これから実際に会場へ行って、展示品にも触れられると考えると、とてもワクワクします!

ーー音声ガイド収録で、何か気をつけたことはありますか?

「声の仕事」には本当に色々なものがありますが、その中でも、音声ガイドはとても特殊だと思っています。「瀬戸康史」をあまり出さずに淡々と読むようなものもあれば、今回のように「瀬戸康史」を前に出すようなものもあったり。今回は、ガイドを聞く方と電話で話しているような、寄り添うような形でやらせていただきました。

ーー普段のお芝居と違って、ナレーションの仕事はいかがでしたか?

楽しいですね。声だけで表現することは難しいですが、可能性も大いにあると思います。声の仕事はいろいろあるので、今後も挑戦していきたいです。

ーー本展は小さなお子さんも楽しめるような内容になっていますが、収録ではそうした点も意識されましたか?

それはすごく意識しました。特に、クイズなどもあったので、お子さんの存在は想像しやすかったです。僕、実際に芝居の現場などで子どもたちに会う時は、地声が低いんで怖がられがちなんですよ(笑)。なので、今回はハイトーンの声で楽しい雰囲気を意識しました。

ーー瀬戸さん自身が、もし小さい頃にこの展覧会に足を運んだとしたら、どういう感想を持たれると思いますか?

もし子どもの時に体験していたら、作文などを書いていそうですね。動物たちの体の作りを見るのはすごく面白くて、ロマンがあるなと思います。

「人間と動物の関係性を発信していくことが、自分の使命なのかもしれない」

メガネザルの剥製と瀬戸康史 撮影=山本倫子

ーー特に注目している展示はありますか?

標本に触れられるコーナーの中でも、特に「イッカクの頭骨」は触りたいですね! イッカクは、子どもの頃に図鑑で見て初めて存在を知ったんですけど、今でも本当に生息しているのか不思議に感じられるような動物だと思っています。こういう標本にはなかなか触る機会がないので、本当に太っ腹な展示ですよね。

ほかにも、「ロコモーション(移動運動)」と呼ばれる進化の過程など、気になるワードがたくさんあります。展示数も多く、きっとジャングルの中にいるような世界に入り込めるような会場を想像しているので、きっとどこを見ていても興奮すると思います!

ーーイッカクのほかにも、瀬戸さんはメガネザルやコウモリもお好きだそうですね。こうした動物のどのような部分に惹かれていますか?

幼い頃にペットショップによく行っていて、そこにコウモリがいたんです。それまで、コウモリにはどこかダークで怖いイメージがあったんですけど、実物は犬っぽい顔をしていてすごく愛らしくて。そのペットショップに通うようになってから、コウモリが親しみのある動物になりました。

今回の音声ガイドにも登場しているメガネザルは、サルという括りでありながらも、ネズミっぽいところやフクロウっぽいところ、カエルっぽいところもあって、とにかく混ぜこぜなんですよ。そうした点は、あの愛らしい顔からは想像できないので、すごく興味深いです。

ーー音声ガイドを通じて、本展を訪れる方々に鑑賞をどのように楽しんでもらいたいですか?

音声ガイドでは、動物の体がどのような構造になっているのか、進化の歴史がどのようなものなのかを本当に詳しく解説しているので、動物好きにはたまらないと思います。また、ほかの動物たちを知ることで、自分たち人間が現在まで生き残ってきた意味、存在している意味のようなものも感じられると思います。ほかの生き物を見ないと、自分たち人間のことを客観視できないと思うんですよね。「人間が一番偉い」と思っている人も多く、種の絶滅や動物の虐待が問題にもなっている現代だからこそ、考えさせられる展示内容になっているのではないでしょうか。

僕は、これまでにも動物たちとの関係をテーマにした絵や物語を作ったりもしているのですが、今回のお話をいただいたことで、自分はこういった「人間と動物の関係」について発信していくべき人なのかなという、使命のようなものを感じました。でも、これはあまり人に押し付けることではないとも思っているので、この音声ガイドを聞く人は、そこまで深く考えなくてもいいかなとは思います(笑)。まずは楽しんでいただくことが一番ですね!


取材・文=まにょ、撮影=山本倫子、
ヘアメイク=須賀元子、スタイリスト=小林洋治郎

イベント情報

特別展『大哺乳類展2』
会期:2019年3月21日(木・祝)~6月16日(日)
会場:国立科学博物館(東京・上野公園) ※巡回展はございません
開館時間:午前9時~午後5時
※金曜・土曜は午後 8 時まで
※ただし、4月28日(日)〜5月5日(日・祝)は午後8時まで、5月6日(月・休)は午後6時まで
※入場は各閉館時刻の30分前まで
休館日:月曜日、5月7日(火)
※ただし、3月25日(月)、4月1日(月)、4月29日(月・祝)、5月6日(月・休)、6月10日(月)は開館
入館料金 :一般・大学生 1,600円(1,400円)、小・中・高校生600円(500円)
金曜・土曜限定ペア得ナイト券2名1組2,000円
※( )内は前売料金、前売券の販売は3月20日(水)まで
※金曜・土曜限定ペア得ナイト券は会場で当日午後5時以降販売、2名様同時入場限定
※未就学児ならびに障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名様は無料
公式サイト:https://mammal-2.jp
※今後の諸事情により、開館時間や休館日等について変更する場合がございます。公式サイト等でご確認ください。
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