第26回読売演劇大賞・杉村春子賞受賞の松下洸平に独占インタビュー! 「“彼”がいなかったら今の自分はいなかった」
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松下洸平
2019年2月28日(木)、第26回読売演劇大賞の贈賞式が都内にて催され、この一年で素晴らしい活躍を見せた役者やスタッフが受賞の栄誉を受けた。なかでもひときわ輝きを放っていたのが特に顕著な活躍をした新人に贈られる「杉村春子賞」を受賞した松下洸平だ。『母と暮せば』の福原浩二役、『スリル・ミー』の“私”役が高い評価を受けた松下に贈賞式終了後、話を伺う事ができた。
松下洸平
ーー杉村春子賞受賞おめでとうございます。今日この贈賞式に出席された感想を聴かせてください。
ありがとうございます。驚きでいっぱいです。日本の演劇界に携わる方がまるで全員集まっているようなこの場所で、自分の気持ちを話す機会をいただけるなんて貴重な機会でした。
ーー演劇界で特に顕著な活躍を見せた新人に贈られるという杉村春子賞を受賞したお気持ちはいかがですか?
生涯で一度しか取れない賞だと思いますし、このタイミングでいただけるのは本当に光栄です。栗山民也さんが『母と暮せば』を演出していた時に「洸平には杉村春子賞を取って欲しい」とずっとおっしゃってくださっていたようなんです。僕はそれを直接聞いてはいないのですが、こまつ座の井上麻矢さんからその事を聞いて嬉しかったです。
松下洸平
ーー松下さんにとって『母と暮せば』という作品はどのような存在となりましたか?
栗山さんご自身も大賞と最優秀演出家賞を受賞されていましたし、『母と暮せば』は本当にいろいろな景色を僕に見せてくれた作品だったと思います。
ーー受賞スピーチの中で感謝を伝えたい人として井上ひさしさん、栗山さんの他に『スリル・ミー』で“彼”役を演じた柿澤勇人さんのお名前も挙げていらっしゃいましたね。
はい(笑)。彼がいなかったら今の自分はいないと思うし『スリル・ミー』で一緒にあの戯曲と戦ってくれた、親友であり一緒に作品を作った戦友でもあり、時にはライバルでもある、どうカテゴライズしても足りないくらい不思議な存在なんです。そしてとても大切な存在です。
ーー今回の受賞をきっかけに今後やってみたい事や「野望」はありますか?
ここにいらっしゃるすべての演出家さん、そしてすべての役者さんといつかお仕事をさせていただきたいと思うのはきっと誰しも思う事ではないかと。演劇の世界は広くてまだまだ知らない世界がたくさんあるんだなと贈賞式に出席して心から感じました。まだ観ていない芝居がたくさんあり、お会いした事のない演出家さんがたくさんいらして、それは日本だけではなく世界中にいる……この受賞を機に僕の名前を知って興味を持ってくださる方がいるのであれば、是非そういった方達と一緒に多くの芝居を作っていけたら、というのが僕の「野望」です!
松下は今年5月に再びこまつ座とタッグを組み、舞台『木の上の軍隊』に出演する。さらに飛躍が期待される松下にこれからも注目していきたい。
取材・文・撮影=こむらさき
公演情報
こまつ座 第127回公演 『木の上の軍隊』
■会場:紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
■作: 蓬莱竜太
■演出: 栗山民也
5月15日(水)2:00公演後
出演:山西惇、松下洸平、普天間かおり
■公式ホームページ:http://www.komatsuza.co.jp/program/index.html#328