朝夏まなと×夢咲ねね×衛藤美彩『笑う男』クロストーク! 主演・浦井健治の印象にまさかの回答が!?
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(左から)衛藤美彩、朝夏まなと、夢咲ねね
2019年4月9日(火)から東京・日生劇場を皮切りに名古屋、富山、大阪、福岡にて上演されるミュージカル『笑う男 The Eternal Love-永遠の愛-』。浦井健治が主演を務める本作に出演するのがWキャストでデア役を演じる夢咲ねねと衛藤美彩、そしてジョシアナ公爵役の朝夏まなとだ。宝塚歌劇団出身の元トップスター朝夏と元トップ娘役の夢咲、そしてこの春乃木坂46を卒業しての初舞台となる衛藤。この3人が本作でどのような化学反応を起こすのか。
歌稽古真っ最中のとある日、朝夏、夢咲、衛藤の3名に本作や稽古場の話などを伺った。
ーーすでに3人の仲の良さがこの取材部屋に入ってくる雰囲気で伝わってきました! 朝夏さんと夢咲さんは以前からのお付き合いもあるのでより仲が良いとは思いますが。
朝夏:でもここまでどっぷりお仕事するのは初めてなんだよね? 組が違うとなかなか一緒にやる機会がないから。
夢咲:本当に。何かの観劇の時に廊下でお会いするくらいでしたから。
朝夏:しかも結構早く卒業しちゃったから。私よりはるかに先輩ですよ! 先輩!
夢咲:何をおっしゃいますやら(笑)。
ーー今はお互いの事をどう呼び合っているんですか?
夢咲・衛藤:まぁ様……。
朝夏:その呼び方を辞めようって言っているんですよ(笑)。「まぁちゃん」で!
朝夏まなと
衛藤:じゃあ「まぁちゃん先輩」で(笑)。
夢咲:あ、可愛い系になった(笑)。
朝夏:美彩ちゃんは割とすんなり受け入れられると思うんですが、ここ(朝夏と夢咲)はなかなか昔からの呼び方が抜けないですね。
ーーなんだか微笑ましいですね! さて、歌稽古に入ってからのお話を聴かせてください。この劇中でデアとして、またジョシアナ公爵として何曲歌うんですか?
朝夏・夢咲:えーっと……。
衛藤:分かります! 確かジョシアナは……(自分のバッグから分厚いファイルを取りだし、そこから歌割表を机上に載せる)。
朝夏: ちゃんとまとめているんだ! いい子だ!
夢咲:すごいねー! ありがとう!
夢咲ねね
ーー衛藤さんにとってはすべてが初めてだから全部整理しているんですね。
衛藤:言われた事やもらった資料を全部まとめておかないと不安なんです。一人で歌う事も初めてですし、乃木坂46卒業後の一作目でもあるので大事に演じたいと思っているんです。
ーー乃木坂46を卒業する衛藤さんを見て、朝夏さんと夢咲さんもご自身の卒業時の想いと何か重なるものがあるのでは?
夢咲:私も宝塚を卒業して新しい世界に、という時はとても戸惑いましたね。今までやってきた事と真逆な事もたくさんありましたし。慣れる事に必死でした。
朝夏:私は性別から変わったので(笑)、ほんとうに「一から全部教えてください」だったし、それまでも舞台はやっていたけれど、新しい世界で新たなスタート。「新人です」という気持ちでやっていました。
ーー本作やご自身の役について製作発表の時から新たに気が付いた事はありますか?
夢咲:歌稽古でジェイソン・ハウランドさん(編曲)が直接ピアノを弾いてくださった時に「ああ、こういう歌だったのか」と改めて感じましたね。音楽の力でひっぱられるようでした。
朝夏:ジョシアナ公爵については楽曲がバラエティに富んでいて、誘惑するときはタンゴ調だったり、大事なものを失う時はバラードだったり、いろいろな曲調にジョシアナのいろいろな人格が見えてくるようでした。人には見せない心の中の葛藤がね。
ーーフランク・ワイルドホーンさんの音楽の手応えはいかがでしょう?
全員:全部難しいです(笑)!
朝夏:ジョシアナとしては裏声で歌う事を禁じられまして、なかなかハードですね。
衛藤:デュエットの曲がいちばん難しいです。いちばん感情が溢れ出す曲なんですが、デアは身体が弱い子なので、どれくらいの強さで声を出せばいいのかつかめなくて最初は弱めの声で歌っていたら「もっと出して!」と言われてかなり強く歌ったら「それだ!」って言われました。
衛藤美彩
朝夏:海外の方って強く歌うのを好む人が多いからね。
夢咲:私もデアは儚い感じに歌うのかなあって思っていたら、綺麗なというよりは感情的に歌う事を求めているようでした。あと「キーが高いよね。もっと低くする?」ってすぐご提案してくださるので「待って! もう少し練習させてください!」って(笑)。海外の方って決断が速いからおどろきでした。
ーーデアとジョシアナがそれぞれの形で想いを寄せるグウィンプレンについてはどんなイメージを抱いていますか?
朝夏:グウィンプレンはある意味ジョシアナと似た部分があるように思うんです。顔は醜いけれどその心の中に美しいものを隠しているグウィンプレン、ジョシアナも本心を隠している点に共通したものを感じます。これから立ち稽古をしていくとまたいろいろな印象を感じていくんでしょうね。
朝夏まなと
夢咲:浦井健治さんそのままですね。あの性格や人柄があの役にそのまま反映されていてまさに「お兄ちゃん♪」って感じです(笑)。
ーー夢咲さんの話から、グウィンプレン役の浦井さんの話に映りましょう! 浦井さんご本人の印象は?
夢咲:少年の心を忘れていないなと(笑)。
衛藤:年上ですが、おちゃめな方だなって。あと私にとっては「お父さん」ぐらい安心感があります!
朝夏・夢咲:「お父さん」って(大爆笑)! ※しばらく動揺が走ります
衛藤:浦井さんがいてくれたら何があっても大丈夫って感じるんです! 「大丈夫、大丈夫だよ!」って声をかけてくださると本当に安心できて……。初心者の私から見たら「一家の大黒柱」のような頼れる存在なんです。
夢咲:でも今すでにグウィンプレンになっていますよね。一緒に歌っている時も「ここは合わせようね」っていう空気を出してくれるので、そこにすぽっと入っていけば安心!という気持ちになれます。デアにとってはこの空気感が愛に変わるんでしょうね。
夢咲ねね
ーー朝夏さんから見た浦井さんは?
朝夏:やんちゃ(笑)。浦井さんは何度言っても「まぁ様」呼びを直さないんです! もはや意図的に言っているとしか思えなくて、(浦井さんの口真似をしながら)「まぁ様~! まぁ様~!」って寄ってくるので「まぁちゃんですーっ!」って言い返すんですが、それでもまだ「まぁ様~!」っていうので「うがーっ!」って怒るフリをすると「わーい! 怒ったー!」って逃げていく感じ(笑)。本当に、小学生のクラスメイトみたいなノリなんです(笑)。
夢咲・衛藤:(大笑)
ーーお兄ちゃんにお父さんに小学生男子(笑)とバラエティにとんでいますね、浦井さん。他のキャストの方についてはいかがでしょうか。稽古中のエピソードなど聴かせてください。
朝夏:少し振りを付けた歌稽古をしたんですが、ジョシアナの婚約者・デヴィット役の宮原(浩暢)さんがまるで男役みたいな振りをして出てきたので思わず吹き出しちゃって! 「まぁちゃん、コレ得意でしょ!?」って顔してるんですよ(笑)。
夢咲:ウルシュス役の山口祐一郎さんはもう完璧に役が入っていてビックリしました!
衛藤:歌いながら涙を流していらっしゃいましたよね。最後の場面で。
夢咲:そんな素晴らしい雰囲気なのに、私はてんぱっちゃって「グウィンプレン」というところで噛んでしまい「グリンプリン」になってしまって……。
朝夏・衛藤:(笑いをこらえる)
ーー最後に、これから本格的になっていくと思われる役作りについて今の想いを聴かせてください。
衛藤:演出の上田(一豪)さんとデアについて話をしていたんですが、「この作品の中でデアは唯一ブレない人。自分から発信する事はない受け身だからこそ、いつまでもデアはデアのままでいる事ができる」。その言葉を聴いてから改めて台本を読んだり歌を歌ってみると、製作発表の頃よりずっとデアを深く考える事が出来ているように思います。ただ真っ直ぐにグウィンプレンを想っているデアという存在をより身近に感じていきたいです。
衛藤美彩
夢咲:意外とデアは演じ方によってはどういう方向にも色が出せる女性だなと感じています。だからこそ上田さんが求めるデアの色はどれなんだろうって考えています。立ち稽古前なので今はなるべく型にはまらないようにいようとしています。
歌稽古を通して気が付いたんですが、デアはウルシュスさんや見世物小屋の人たちからも可愛がられ、愛されて育ってきた。その中でどういればいいのかを考えていかないと。あと、まぁ様が……。
朝夏:(すかさず)「まぁちゃん」ね(笑)!
夢咲:あ! (力を込めて)まぁちゃんが演じるジョシアナはすべてを手に入れているのにまだ物足りないと言う女性で、デアはすべてを受け入れるが「何かが欲しい」とは思わない女性。その真逆さをお客様にも楽しんでいただけるといいですね。
朝夏:ジョシアナはすべてを手に入れているが故に毎日がつまらなくて、何か刺激が欲しいと思っているんですが、一方で、自分の意志でそんな環境に生まれた訳ではなく、しかも非嫡出子だから正統な血筋ではないというコンプレックスも持っていると思うんです。「誰か私を何とかして!」という想いがある中でグウィンプレンと出会い、皆が従う中で彼だけがそっぽを向く。自分の人生を自分でどうにかしようと思った事がなかった、と気が付いたジョシアナは、味わった事のない孤独を感じる……その心情を描きたいです。ただの欲求不満で強欲な女ではない、彼女には彼女なりの悲しさや切なさがあったんだという事が伝わるように演じたいですね。
(左から)衛藤美彩、朝夏まなと、夢咲ねね
衣裳:前田文子
ヘアメイク:岡田智江(スタジオAD)
スタイリング:東宝舞台 衣裳部
取材・文=こむらさき 撮影=山本 れお
公演情報
■日時・会場:
【東京公演】2019年4月9日(火)~29日(月・祝) 日生劇場
【愛知公演】2019年5月3日(金・祝)~6日(月) 御園座
【富山公演】2019年5月10日(金)~12日(日) 新川文化ホール
【大阪公演】2019年5月16日(木)~19日(日) 梅田芸術劇場
【福岡公演】2019年5月25日(土)・26日(日) 北九州ソレイユホール
■脚本:ロバート・ヨハンソン
■音楽:フランク・ワイルドホーン
■歌詞:ジャック・マーフィー
■編曲:ジェイソン・ハウランド
■翻訳・訳詞・演出:上田一豪
■出演:
浦井健治
夢咲ねね/衛藤美彩(Wキャスト)
朝夏まなと
宮原浩暢 石川禅
山口祐一郎
中山昇 上野哲也 宇月颯 清水彩花
榎本成志 小原和彦 仙名立宗 早川一矢
藤岡義樹 堀江慎也 森山大輔
石田佳名子 内田智子 岡本華奈 栗山絵美
コリ伽路 富田亜希 安田カナ 吉田萌美(男女50音順)
大前優樹 下之園嵐史 豊島青空(トリプルキャスト)
■公式ホームページ:https://www.tohostage.com/warauotoko/