平成のポップアイコン・きゃりーぱみゅぱみゅ、京都・南座での平成最後のライブで「令和はもっと傾(かぶ)く」と宣言
きゃりーぱみゅぱみゅ
『京都ミライマツリ2019』きゃりーかぶきかぶき 2019.4.30(TUE)京都・南座
京都・南座の新会場を記念し、松竹、ASOBISYSTEM、NAKED Inc.がコラボレートした新感覚エンタテインメントイベント『京都ミライマツリ2019』が4月30日に開幕。最新テクノロジー、現代カルチャーをかけあわせた同イベントの目玉の一つ、ライブフェス「音マツリ-OTOMATSURI-」のトップバッターとして、きゃりーぱみゅぱみゅ(以下、きゃりー)が登場した。南座は江戸時代初期、出雲阿国がかぶき踊りを披露した歌舞伎発祥の地・四条河原に誕生。400年以上にわたる日本最古の劇場として知られ、2016年1月から一旦の休館をはさみ、新たに生まれ変わった。
きゃりーは、2018年秋に4thアルバム『じゃぱみゅ』をリリースし、日本が世界に誇る文化遺産を舞台としたスペシャルライブ『音の国ライブツアー2019』を開催中。3月30日の第1弾公演「まぼろしのユートピア〜出雲大社の夜〜」に続き、今回は「きゃりーかぶきかぶき」と題して南座の舞台に立つことになった。
桟敷席が常設されており、客席の間を花道が通っているなど南座ならではのレイアウト。定式幕が開き、舞台正面に大きな松が描かれた「松羽目」を背景に、獅子に扮したダンサーとともに、きゃりーをのせたステージリフトがせりあがってくる。
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オープニングナンバー「にんじゃりばんばん」では、「見得(みえ)」をモチーフとした振付を披露。続く「み」の前では一瞬で衣裳を早変わりさせる歌舞伎の技法「ぶっ返り」を見せ、3曲目「こいこいこい」は柝の音と「よおー」の掛け声を合図に曲がスタート。4曲目「演歌ナトリウム」でも彩り豊かな番傘をくるくると回して歌い踊り、「音ノ国」では獅子に扮したダンサーが迫力たっぷりに「毛振り」をおこなうなど、歌舞伎とのコラボにこだわったステージで第一幕を駆け抜けた。
きゃりーぱみゅぱみゅ
第二幕は客席後方から、きゃりーが、歌舞伎で使用されている「馬」に乗って颯爽と登場して驚かせた。そしてその姿は、はちまきを巻くなど出雲阿国をオマージュした衣裳。歌舞伎の演目『藤娘』をモチーフとした藤の花飾りが広がる舞台上で「最&高」を歌った後、MCできゃりーは「出雲大社に続いて(『音の国ライブツアー2019』の)第二弾を、平成最後の日にやらせていただきます。これが本当の平成最後のライブになります」と、日本にとって大切な日にライブができる喜びを語った。
最近、歌舞伎座へ足を運んだというきゃりーは、「第一部の幕が早く閉まったから「まだ時間あるよね?」と思った人も多いはずだけど、歌舞伎では第一幕が短いこともあるし、あと見得の練習など歌舞伎の動きもたくさん取り入れました」と明かすと、客席から「傾(かぶ)けていた!」と掛け声がとんだ。
その後「インベーダーインベーダー」「キミに100パーセント」「PONPONPON」など平成を彩ったヒットナンバーを連発。「CANDY CANDY」では花道へと繰り出し、歌舞伎を上演する劇場ならではの距離の近さに客席は興奮。「Crazy Party Night〜ぱんぷきんの逆襲〜」は一転、ダークファンタジーのような演出。日本の伝統と西洋テイストが融合してまったくあたらしい文化観を生み出し、南座が異世界的な空気をまとった。
きゃりーぱみゅぱみゅ
MCでは衣装について触れ、「私は以前、美輪明宏さんに、出雲阿国の生まれ変わりだと言われたことがあるんです。出雲阿国は当時、この格好がトゥーマッチだと言われて賛否両論を呼びましたが、今見るととてもおしゃれに思えます」と気に入っている様子。
また、突然の質問コーナーがはじまり、ファンから「平成最後にやり残したことはありますか」と尋ねられたきゃりーは「ない」と即答。「令和はもっと傾(かぶ)いていきたい」と、平成を代表するポップアイコンのきゃりーが、新元号も牽引することを宣言。
「第一部とセットリストを変えます。そうじゃないと自分も飽きるから」と貪欲な姿勢でさらなる曲に臨み、中でも「ゆめのはじまりんりん」の<これからの未来は自分次第><わくわくの切符を買いに行く>といった歌詞内容は、新しい時代につながるメッセージにも聞こえた。
きゃりーぱみゅぱみゅ
「ちゃみ ちゃみ ちゃーみん」「do do pi do」「もったいないとらんど」「恋ノ花」でさらに盛り上げたあと、きゃりーは「この1、2週間でまるっと5曲、歌舞伎とのコラボの振付を覚えて大変だったけど、良くできました。ただ、最初に着ていた着物は『布団かい!』ってくらい重くて。やっぱりいろいろ大変でした」と笑わせた。
5月10日に配信リリースされる新曲「きみがいいねくれたら」は、きゃりー曰く「ダンスが難しい」ということだったが、華麗に歌い踊るきゃりーの姿を見た観客は、手元に「いいねボタン」があればすぐ押したい気持ちだったのではないだろうか。
人生初の昼夜の二部公演ということで「正直、くたくたで」と本音をチラッとみせたきゃりーだが、しかしラスト「原宿いやほい」は花びらも舞ってのお祭り騒ぎ。大賑わいのなか、きゃりーは花道をあとにした。
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「京都ミライマツリ2019」は5月12日から開催され、「昼マツリ-HIRUMATSURI-」は5月25日まで、「夜マツリ-YORUMATSURI-」は5月24日までおこなわれる。特に「夜マツリ」は南座×DJをテーマに、田中知之(FPM)や大沢伸一(MONDO GROSSO)、tofubeats、EXILE MAKIDAI(PKCZ®)、中田ヤスタカらがゲストDJで登場。南座をクラブ空間に変える。
取材・文=田辺ユウキ
イベント情報
場所:南座
【開場時間】11:00~17:30
【入場料(税込)】全日程 大人¥2000/子ども¥1000(ワンドリンク付き)
【開場時間】月~木 18:30~22:00 (21:00最終入場、21:30ラストオーダー/DJタイム終了)
【入場料(税込)】月~木 一律¥2000 金土日 一律¥3000(ワンドリンク付き)
【南座HP】 https://www.shochiku.co.jp/play/theater/minamiza/
【公式HP】 https://www.miraimatsuri.com
【公式Twitter】@miraimatsuri
【公式Instagram】@miraimatsuri2019