サクラ大戦歌謡ショウ『海神別荘』をOSK日本歌劇団が上演、唯一無二の男役・桐生麻耶が気合十分「歌で勝負する」

シリーズ累計450万本以上を売り上げた大人気ゲーム「サクラ大戦」。そこに登場する組織「帝国歌劇団」の声優陣たちが出演した舞台『サクラ大戦歌謡ショウ』で上演された『海神別荘』を、OSK日本歌劇団が京都・南座で歌劇として上演する。その公演の記者会見が京都市内でおこなわれ、今回の作・構成をつとめる「サクラ大戦」の生みの親・広井王子、出演の桐生麻耶、楊琳、舞美りら、横山智佐が登壇した。

『歌劇 海神別荘』は、海の公子と陸の美女の恋愛を描いた鏡鏡花原作の物語。2001年に「サクラ大戦 歌謡ショウ 五周年記念公演」で披露された「海神別荘」を今回のために歌、ダンスを歌劇として広井王子が再構成。主人公の海の公人役には唯一無二の男役として抜群の存在感を放つ桐生麻耶。本公演がトップスターお披露目にもなる。

小さい頃からOSKのレビューを観劇してきたという広井は、「（ダンスのときの）足があんなに上がるのは素晴らしい。それだけで5000円を払うし、毎日見ていたい。それを90年以上続けてきている。OSKに憧れて、帝国華撃団を作ったので」と嬉しさを爆発。一時期は「多忙のために燃え尽き症候群となって、すべての仕事をやめた」という状態だったが、憧れのOSKとの仕事で奮起したという。

桐生は、「「海神別荘」という伝説の作品にOSKが関わることができて幸せです。踊りのOSKと言われていますが、歌で勝負ができるのがありがたい」と新たな表現への意欲を示した。作品については、「独特の世界観があり、美しくて儚いという表現のあいまいさを、OSK歌劇がやるところが良いのかもしれない。人は曖昧に生きているものですが、役に嘘がなければ（観客の心に）届くと思う。不安はあるけど、お稽古をやるしかない」と気合の表情。

広井は「『海神別荘』はおもしろいけど決してわかりやすくない。特に長台詞のわかりにくい部分に関しては、今回は歌にしていきました」語った。

また広井は、桐生が海の公子を演じることについて「この役は超然としたものがないといけない。とても難しい役。でも桐生さんが持つ神秘性やロマンチシズムが合っていると思う」と期待を寄せた。

「海神別荘」は、『STORM of APPLAUSE』との二部構成で「OSK SAKURA REVUE」として上演されるが、今回は夜公演「OSK SAKURA NIGHT」として、OSKとサクラ大戦のコラボレビュー『夢見ていよう』も披露される。同作には、「サクラ大戦」で真宮寺さくら役をつとめた声優・横山智佐もゲスト出演する。

横山は、OSKとの共演について「『春のおどり』を見せていただいて、涙を流しました。OSKは二枚目、「サクラ大戦」は三枚目、あわせて2.5になる」と、「サクラ大戦」が舞台化されたときにゲームと現実の狭間をあらわす「2.5次元の世界」と言われたことを引き合いに出した。

『夢見ていよう』は広井の書き下ろしレビューで、真宮寺さくらが京都へ行くという設定から始まる物語。広井は、「（ストリーミング配信の）Netflixの作品のようなスピード感を意識して、1時間で20曲くらい詰め込んで見せてやろうと思っています」と意気込み十分。

また、園岡新太郎、螢雪次朗ら男性キャスト陣との共演もあるということで、楊は「負けずにダンディにやりたい。負けないぞ、という心持ちです」と語り、舞美は「外部出演の際は、お芝居での共演はありますが、歌と踊りは初めて。どんな化学反応が起こるのか楽しみです」と闘志を燃やした。

OSK SAKURA REVUE『歌劇 海神別荘』『STORM of APPLAUSE』は7月13日から25日まで、OSK SAKURA NIGHT『夢見ていよう』は7月13日から24日まで、ともに京都・南座で上演される。

取材・文・撮影＝田辺ユウキ