反田恭平、新レーベル「NOVA Record」記者発表でNEWプランを続々公開~ソロアルバム、デュオアルバム、練習曲集…
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左から、橋本行秀(イープラス)・反田恭平・務川慧悟(撮影/池上夢貢)
ピアニスト反田恭平の設立した新レーベル「NOVA Record」の記者発表が、2019年7月17日(水)、東京・渋谷のeplus LIVING ROOM CAFE&DININGで行われた。
「NOVA Record」は現在24歳の反田が、2019年7月に立ち上げたクラシック音楽の新レーベルだ。同レーベルは、反田自らのプロデュース・総指揮により、各種音源や映像の企画・制作・販売・配信を行う。その運営は反田が代表取締役社長を務める株式会社NEXUSと、株式会社イープラスが共同事業で執り行う。
記者発表のステージには、まず反田が登壇。「NOVA Record」のロゴマークと共に、反田が自ら作曲したサウンド・ロゴが披露された。猫をかたどったロゴについて「猫が好きなんです。猫アレルギーですが」と笑わせた。レーベル名は、ラテン語で《新しい》、英語で《新星》を意味するという。「レコーズではなく、あえてレコードとしたのは、一人一人のアーティストとしっかりと向き合っていきたいという思いを込めて」とも語った。
反田恭平(撮影/池上夢貢)
次に、共同事業のパートナーである株式会社イープラスから代表取締役会長・橋本行秀が登壇。「時代の変化に、中間業者だった
橋本行秀(イープラス)(撮影/池上夢貢)
橋本行秀(イープラス)・反田恭平(撮影/池上夢貢)
続いて、反田が再登場し「NOVA Record」の当面の事業内容である“五本柱”を紹介。
反田恭平(撮影/池上夢貢)
【1】ミニアルバム全10種の同時リリース。反田がプロデュースするMLMナショナル管弦楽団のメンバーでもある10名の実力派アーティスト<岡本誠司、大江馨、桐原宗生(以上ヴァイオリン)/森田啓佑、水野優也(以上チェロ)/大槻健 (コントラバス)/八木瑛子(フルート)/荒木奏美(オーボエ)/庄司雄大(ホルン)/皆神陽太(ファゴット)>の各ソロアルバムとして制作されたCDを、2019年7月24日から始まるMLMナショナル管弦楽団の演奏会ツアーの会場のみで販売する。
【2】MLMナショナル管弦楽団のライブ音源配信。7月26日にサントリーホールで開催する演奏会のライブ音源を、早くも8月上旬から全世界に向けてインターネット配信をおこなう。
……と、ここまでは既発表の事柄。そしてこのあとが、この日初公開のニュースだった。
【3】ピアニストの務川慧悟と反田による、2台のピアノによるデュオアルバムのリリース。務川は2012年第81回日本音楽コンクールで反田と共に第1位を受賞。以来2人はお互いをリスペクトしあう親密な間柄となった。務川は反田の誘いに応じ、反田が代表取締役社長を務める事務所「株式会社NEXUS」の所属アーティストに。今回の記者発表の場にも務川が登壇し、「(反田の)人を惹きつける力に注目してきた。友人として信用している」と述べ、前途洋洋たる思いを示した。
左から、務川慧悟・反田恭平(撮影/池上夢貢)
左から、務川慧悟・反田恭平(撮影/池上夢貢)
務川慧悟(撮影/池上夢貢)
【4】「これは画期的なプログラムだと僕は思っています」との前置きで発表されたのが、ハノン、ツェルニー、ブルグミュラーといったピアノ練習曲を音源化し、シリーズでリリースすること。「ピアノを習う者にとって必ず通る道であるにも係わらず、模範とすべき音源がほとんどなかった」として、練習曲を好んで弾く趣味があるという反田が、これからのピアノ学習者のために自ら進んで手本を提供していくとの由。現実的な話、これは世のニーズが高そうだ。
【5】最後は、反田のセルフプロデュースによる本格的なソロアルバムを自身のレーベルからリリースすることを宣言。併せて、デビュー以来これまでアーティスト契約していた日本コロムビア株式会社に「社会勉強をさせて欲しい」と願いを伝えて独立し、今日の発表に至った経緯も説明した。
その後、質疑応答が行われ、「将来の夢」について改めて問われると「27年後に学校を作り、その中から国際的な活躍をするアーティストを輩出させることが最終目標」と明言。
反田恭平(撮影/池上夢貢)
「クラシック音楽の世界に新風を巻き起こしたい」との思いで設立され、記者発表で意欲満々に新たな具体的プランも明かされた新レーベル「NOVA Record」。遂に錨が上げられ、出航となった。今後の動向がますます注目されるところだ。
リリース情報
①チャイコフスキー:なつかしい土地の思い出 作品42
Tchaikovsky:Souvenir d'un lieu cher,Op.42
1.瞑想曲 Méditation
2.スケルツォ Scherzo
3.メロディ Mélodie
②チャイコフスキー:ワルツ・スケルツォ 作品34
Tchaikovsky:Valse-Scherzo Op.34
(①②ピアノ/反田恭平)
ピアノの反田恭平さんとの初共演は2016年の夏のこと、その時はプロコフィエフのソナタを演奏しましたが、それから早くも3年の時が経とうとしています。今回収録した2作品はロシアの大作曲家チャイコフスキーが1877-78年の期間に書き上げたもので、彼らしい濃厚なロマンティシズムと軽妙なリズムに溢れた素敵な作品です。今しかできない、今だからこそできる丁々発止のデュオを是非お楽しみください。
1994年生まれ。2014年、第19回バッハ国際コンクールのヴァイオリン部門にてアジア人で初めて優勝、聴衆賞受賞。2016年の第15回ヴィエニャフスキ国際コンクール第2位、同年の第6回仙台国際音楽コンクール第6位および聴衆賞、2019年5月のエリザベート王妃国際コンクールでのファイナリスト入賞など国際コンクールでの入賞歴多数。東京藝術大学を卒業後、現在はベルリンにて研鑽を積みながら、日本およびヨーロッパで精力的にソロ・室内楽の演奏活動を行う。
①J.S.バッハ:
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調BWV.1004より シャコンヌ
J.S.Bach:Violin Partita No.2 in D minor,BWV 1004
②サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ イ短調 作品28
Saint-Saens:Introduction et rondo capriccioso,Op.28
(②ピアノ/反田恭平)
今回はヴァイオリンの魅力をたっぷり味わって頂ける対照的な2曲を選びました。バッハのシャコンヌは、たった1本のヴァイオリンから創り出される、どこまでも深遠で壮大なスケールの世界。打って変わってサンサーンスの序奏とロンド・カプリチオーソは、これぞヴィルトゥオーゾという、スペインの哀愁が薫る、華やかな曲です。反田君とのコラボレーションでどんな反応が起こるのかも聴きどころです。繊細かつ情熱的なヴァイオリンの世界をどうぞお楽しみ下さい!
1994年生まれ。桐朋学園大学ソリストディプロマコースに特待生として入学。同時に慶應義塾大学法学部で学び、卒業。第82回日本音楽コンクール第1位、岩谷賞(聴衆賞)、黒柳賞、レウカディア賞、鷲見賞、全部門を通じて最も印象的な演奏に対し贈られる増沢賞を受賞。ドイツのクロンベルクアカデミーにてクリスチャン・テツラフ氏のもと研鑽を積む傍ら日本及びヨーロッパにて演奏活動を展開している。NHK交響楽団を始め国内主要オーケストラと共演を重ねる。今春に開催されたアントン・ルービンシュタイン国際コンクール2019にて第2位に、また、6月に行われた第10回レオポルト・モーツァルト国際ヴァイオリンコンクールでは第3位及び、委嘱作品賞を受賞。
①エルガー:愛のあいさつ Elgar:Salut d'Amour Op.12
②コルンゴルト:雪だるま より「セレナーデ」 Korngold:Der Schneemann
③コルンゴルト:ヴァイオリン・ソナタ 作品6より 第三楽章 アダージョ
Korngold:Violin Sonata,Op.6 Adagio
④マスネ:タイスの瞑想曲 Massenet:Méditation
(①②③④ピアノ/反田恭平)
手に取っていただきありがとうございます。皆様はどのような時に音楽を聴きたい、とお思いになりますか? 私は普段から音楽に接してはいますが、辛いことがあったときや、前向きな気持ちになりたいときに音楽に助けてもらうことがあります。そしてそういう時に聴くような曲を今回選んでみました。今回このような形で反田くんとの演奏をCDにする機会を得られてとても嬉しいです。この1枚が皆様の人生に寄り添えるようなものになることを願っております。
3才よりヴァイオリンを始める。桐朋女子高等学校音楽科(男女共学)を経て桐朋学園大学音楽学部にて学ぶ。在学中、N響アカデミー、小澤国際室内楽アカデミー、PMF、サントリー室内楽アカデミー、プロジェクトQ等に参加し、アンサンブルの研鑽を積む。第64回全日本学生音楽コンクール高校の部全国大会第2位。第31回鹿児島県新人演奏会にて最高位(県知事賞)受賞。2015年9月より約4年間東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の第2ヴァイオリン首席奏者を務め、現在札幌交響楽団第2ヴァイオリン首席奏者。
①フォーレ:夢のあとに
Fauré:Après un rêve
②ラフマニノフ:悲しみの三重奏曲 第一番 ト短調
Rachmaninoff:Trio élégiaque No.1 in G minor
(①ピアノ/反田恭平 ②ピアノ/反田恭平・ヴァイオリン/岡本誠司)
-イマジネーション- 演奏するときに一番大切にしていることです。2018年のMLMダブル・カルテットから始まったこのトリオにも通じるところがあります。10年後、20年後も一緒に演奏していきたいという熱い思いを込めて、フォーレの歌曲と再演となるラフマニノフの三重奏曲を収録いたしました。ご関係者の方々に深く感謝申し上げますと共に、足をお運びくださる皆様の心に残る演奏となれば幸いです。
1997年生まれ。高校在学中に第68回全日本学生音楽コンクールおよび第83回日本音楽コンクールを史上初めて同時に制す。20才メモリアル・リサイタル・シリーズにて表現力豊かな品のある音楽と高評され、第27回青山音楽賞・新人賞を受賞。また第45回日本ショパン協会賞を弦楽器として初受賞。ドイツのザール音楽大学にてG.リヴィニウス氏に師事。
●水野優也(チェロ)Yuya Mizuno NR-1905
①サン=サーンス:白鳥
Saint-Saëns:Le cygne
②カサド:無伴奏チェロ組曲
Cassado:Suite for Cello Solo
1. Preludio - Fantasia
2. Sardana, "Danza"
3. Intermezzo e Danza Finale
(①ピアノ/反田恭平)
チェロの代表曲のひとつといえば、サン=サーンス作曲の白鳥です。この曲は6歳の頃、私がチェロを始めるきっかけになった曲でもあります。それから2曲目には、スペイン情緒溢れる情熱的な作品で、チェロの低音から高音まで広範囲にわたる音色を聴くことができる、カサド作曲の無伴奏チェロ組曲を収録しました。私にとって初めてのレコーディングですが、チェロという楽器の魅力を更に伝えられる演奏になればと思います。
1998年生まれ。第83回日本音楽コンクールチェロ部門第3位。第13回東京音楽コンクール弦楽部門第1位及び聴衆賞。第23回コンセール・マロニエ21弦楽器部門第1位。桐朋女子高等学校音楽科(男女共学)首席卒業。桐朋学園大学ソリスト・ディプロマ・コース(特待生)修了。現在、ハンガリー国立リスト・フェレンツ音楽大学在籍。ミクローシュ・ペレーニ氏に師事。
①シューマン:アダージョとアレグロ 変イ長調 作品70
Schumann:Adagio and Allegro,Op.70
②ヘンデル=ハルヴォルセン:パッサカリア
Handel/Halvorsen:Passacaglia
(①ピアノ/反田恭平 ②ヴァイオリン/岡本誠司)
このCDをお手にとっていただきありがとうございます。オーケストラではコントラバスは縁の下の力持ち、車のエンジンのような役割を担っていますが、その慈しむような深い音色で聴く独奏もまた魅力的です。様々な楽器で演奏されるホルンの名曲″アダージョとアレグロ″と、素晴らしい音楽家であり学生時代からの良き友人である岡本誠司とのハルヴォルセンの″パッサカリア″をお楽しみください。
1994年生まれ 奈良市立一条高等学校、東京芸術大学音楽学部を卒業。第二回Japan International Contrabass Festival Solo Competition1位。これまでに東京フィル、東響、新日本フィル、札響の客演首席奏者を務めたほか、北九州国際音楽祭に参加。現在、読売日本交響楽団首席コントラバス奏者。
①シャミナード:コンチェルティーノ 作品107
Chaminade:Concertino pour Flûte,Op.107
②ジュナン:グランドデュオ・コンチェルタント作品51
Genin:Grand Duo Concertant op.51
(①ピアノ/反田恭平 ②ピアノ/反田恭平・オーボエ/浅原由香)
1曲目はフルートとピアノのための作品で、フルートが本来持つ柔かさや温もりのみならず、
色彩感溢れる音色を楽しんでいただける楽曲です。2曲目はフルートとオーボエのための
作品で、オーボエ奏者は高校・大学の先輩であり、第12回国際オーボエコンクール東京で
最高位を受賞された浅原由香さんに録音に参加していただきました。同じ木管楽器でもフルートとはまた違う、オーボエの音色とその魅力も楽しんでいただければ幸いです。
東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て東京藝術大学音楽学部を首席で卒業。在学中に安宅賞、卒業時にアカンサス賞、三菱地所賞を受賞。第25回 日本木管コンクール 第1位、保科賞第32回日本管打楽器コンクール 第3位第85回日本音楽コンクール第2位。現在、ザルツブルグ・モーツァルテウム大学にてミヒャエル・マルティン・コフラー氏のクラスに留学中。ドイチェ・ユンゲ・フィルハーモニー管弦楽団団員。
①プーランク:3つのノヴェレッテ
Poulenc:3 Novelettes,FP 47/173
第1曲 ハ長調 No.1 C major
第2曲 変ロ短調 No.2 B-flat minor
第3曲 ホ短調 No.3 E minor
②シューマン:アダージョとアレグロ変イ長調 作品70
Schumann:Adagio and Allegro,Op.70
(①②ピアノ/反田恭平)
オーケストラのコンサート、これからのステージに胸を高鳴らせ、いよいよ耳にするのはチューニングAの音。それは多くの作曲家に愛され、歌心が吹き込まれてきた“オーボエ”の音色です。その独特で多彩な音色を味わって頂きたく取り上げたのが、MLMでも演奏するF.プーランクと詩的なR.シューマンの作品。所属する東京交響楽団で共演した際の反田君の繊細な表現もこの選択を導いてくれました。可愛らしい3つのノヴェレッテに、旋律がオーボエとピアノの対話で紡がれるアダージョ(ロマンス)と情熱的なアレグロです。
1993年茨城県出身。東京藝大を首席卒業後、同院進学。学部3年次でオーディションに合格し2015年より東京交響楽団の首席奏者を務めている。第11回国際オーボエコンクール・軽井沢でアジア勢初の第1位。第27回出光音楽賞受賞。東京・春・音楽祭、B→C、武生国際音楽祭への参加はじめ各地でリサイタル、室内楽に取り組む。これまで東響、都響などと協演。H・ホリガーに絶賛され共演、オーボエトリオで5都市をまわるツアーを行った。
①シャブリエ:ラルゲット
Chabrier:Larghetto
②J-Mドゥファイ:アルファ
Defay:Alpha
(①②ピアノ/反田恭平)
シャブリエのラルゲットとドゥファイのアルファは僕が学生の頃より、コンクールやコンサートで何度も取り上げた大好きな2曲です。ラルゲットではホルンの真髄である歌を、アルファではオーケストラではあまり聞く事の出来ないホルンのテクニカルな面をお楽しみいただける事と思います。このCDを通じてホルンのための作品にも興味を持っていただけましたら幸いです。
東京藝術大学音楽学部器楽科卒業。第86回読売新人演奏会出演。第3回日本ホルンコンクール第2位。第86回日本音楽コンクールホルン部門第2位。第35回日本管打楽器コンクールホルン部門第1位、および文部科学大臣賞、東京都知事賞を受賞。現在、藝大フィルハーモニア管弦楽団 首席ホルン奏者。
①ドニゼッティ:愛の妙薬より 人知れぬ涙
Donizetti:Una furtiva lagrima
②ヌッシオ:ペルゴレージのアリエッタによる変奏曲
Nussio:Variations on an Arietta by Pergolesi for bassoon and piano
(①②ピアノ/反田恭平)
人間、常に笑顔でいられるわけではないものです。ファゴットはひとりの人間の有り様を生々しいほどに表現することができる希少な楽器であることを感じて頂けましたら幸いです。光栄なことに、初のソロ・レコーディングを反田くんとの共演で実現できました。思い入れもひとしおの一枚となっています。収録にご尽力くださった方々、そして今こちらを読んでくださっているあなたに深く感謝申し上げます。皆さまの時間にどうか寄り添えますように。
東京藝術大学音楽学部器楽科ファゴット専攻卒業時に同声会賞と茨城県新人賞を受賞。第13回東京音楽コンクール木管部門、第33回日本管打楽器コンクールファゴット部門にそれぞれ入選。小澤征爾音楽塾オーケストラプロジェクトⅡ、宮崎国際音楽祭に出演。ファゴットを岡崎耕治氏、吉田將氏に師事。2016年より東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団ファゴット首席奏者及び、ぱんだウインドオーケストラ副コンサートマスターを務めながら、ティアラこうとうジュニアオーケストラと長野県小諸高等学校音楽科にて後進の指導にあたる。
① 2019/7/24(水)15:00 秦野市文化会館(神奈川県)
② 2019/7/25(木)18:30 足利市民プラザ 文化ホール(栃木県)
③ 2019/7/26(金)19:00 サントリーホール(東京都)
④ 2019/7/27(土)14:00 多賀城市民会館(宮城県)
⑤ 2019/7/31(水)19:00 サントミューゼ 大ホール (上田市交流文化芸術センター)