反田恭平がクラシック音楽の新レーベル「NOVA Record」をイープラスと共に設立

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クラシック
2019.7.10
反田恭平  (撮影:池上夢貢)

反田恭平  (撮影:池上夢貢)

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ピアニストの反田恭平が、2019年7月10日(水)、クラシック音楽の新レーベル「NOVA Record」の設立を発表した。同レーベルは、反田自らによるプロデュース・総指揮により、各種音源や映像の企画・制作・販売・配信をおこなう。運営は自身が代表取締役社長を務める株式会社NEXUSと、株式会社イープラスの共同事業によりおこなわれる。クラシック音楽市場に新風を吹き込み、活性化をもたらすことを目指す。

レーベル名に使用された“NOVA”とはラテン語で「新しい」、英語で「新星」を意味する。なお、過去、日本のクラシック音楽界において一人の著名演奏家が自身のレーベルを立ち上げた例は確認されておらず、事実上「日本初」といっていい。

「NOVA Record」ロゴ

「NOVA Record」ロゴ

「NOVA Record」は先ず、ミニアルバム全10種のリリース(2019年7月24日)を皮切りに事業を開始する。それぞれのCDは、昨今注目を浴びる若手ソリストにして、反田がプロデュースするMLMナショナル管弦楽団のメンバーである10名のアーティスト<岡本誠司、大江馨、桐原宗生(以上ヴァイオリン)/森田啓佑、水野優也(以上チェロ)/大槻健 (コントラバス)/八木瑛子(フルート)/荒木奏美(オーボエ)/庄司雄大(ホルン)/皆神陽太(ファゴット)>の紹介を目的として制作され、すべてのプロデュースとピアノ伴奏を反田が手掛ける。なお、これらのCDはMLMナショナル管弦楽団の演奏会場のみでの限定販売となる。

リリース第一弾はミニアルバム全10種

リリース第一弾はミニアルバム全10種

また、上記に続き、「反田恭平with MLMナショナル管弦楽団」演奏会(2019年7月26日・サントリーホール)のライブ収録音源を、2019年8月上旬にインターネットで配信する。

さらに今後は、海外演奏家を含む、より多くのアーティストと連携を拡げて音源リリースの充実を目指す一方、独自の切り口で作曲家や楽曲の選定をおこない、反田自身による演奏音源も含む数々の新機軸を打ち出していく。2016年にピアニストとしてデビュー以来、クラシック音楽界に華々しく旋風を巻き起こしてきた反田が立ち上げる新レーベルだけに、今後の動向に世の中の注目が集まることは必至だろう。 

■反田恭平コメント

「新レーベルNOVA Recordへの思い」

反田恭平  (撮影:池上夢貢)

反田恭平  (撮影:池上夢貢)

クラシック音楽の演奏家は何故自らCDを制作しないのだろう--。ある時、ふとそう思ったのです。

僕にとって音楽家の理想像はモーツァルトやベートーヴェンの時代の音楽家。彼らは、まず曲を書き、次にどこで演奏するか自分でロケーションして演奏会を企画し、資金を集め、初演して… と一人で全部やっていました。ところが現代になると、そうしたことは幸いにも、専門の事務所や会社にすべてお任せしていればよく、演奏家はただ弾くことに専念していればいい。

でも、僕はそれで満足しているタイプではなかった。例えば一つの演奏会を開催するために、いつホールを借りて、どういうチラシを作って、いくらお金がかかって…といったことが、デビュー以来ずっと気になっていました。そうした舞台裏の全部を演奏家の立場でも知っておくべきではないかと。僕の将来の夢というか、人生の目標は音楽学校を立ち上げることなのですが、その機会が25年後くらいに訪れるにせよ、そのための経営の勉強を今から実地でしておきたいとも思っていました。そこでまず設立したのが、自分の会社(株式会社NEXUS)でした。

僕が音楽家になったそもそもの動機は「指揮者になりたい」と思ったことです。その夢を実現するために自分でオーケストラを創ろうと。そこで日本の若きトップソリストばかりを集めたMLMダブルカルテットから発展させたMLMナショナル管弦楽団を僕がプロデュースし、運営をNEXUSが手掛けることになりました。その演奏に関わるうちに思ったのが「演奏家は何故自らCDを制作しないのだろう」という、冒頭で述べた疑問でした。そこから、演奏家たちの主導で音源を制作するクラシック音楽のレーベルがあってもいいじゃないか、という思いに至ったのです。こうして「NOVA Record」のアイデアが生まれました。

そこで、これまでも色々とお世話になってきた株式会社イープラスの橋本会長にその話をすると、「やるなら反田が中心にあるべきだ」と仰っていただき、新レーベルの設立・運営をご一緒してくださることになりました。

すべては僕の思い付きから始まったことです。しかし、その思い付きを具現化するにはどうすればいいのかと考えることこそが重要で、そこは僕なりにも今日までしっかりと考えてきたつもりです。モーツァルトやベートーヴェンたちのようなセルフプロデュースの一環として、「NOVA Record」という独自のスタイルで21世紀のクラシック音楽界に一石を投じたい。この新しい試みに対して、ぜひ皆さまよりご理解とお力添えをいただければ幸いです。

NOVA Record 代表 反田恭平

■株式会社イープラス・橋本行秀会長コメント

「イープラスは何故、NOVA Recordをサポートするのか」

橋本行秀 株式会社イープラス代表取締役会長

橋本行秀 株式会社イープラス代表取締役会長

反田恭平さんの新たなレーベル「NOVA Record」をイープラスが反田さんと設立に至った経緯をお話しします。
 
インターネットが普及して約20年近くになりますがその発展に伴い、様々な業態に変革をもたらしてきました。エンタメ業界も大きな変革期を迎えています。それはスマホの出現により更に加速されているのですが、端的に言うとアーティストと顧客との距離がどんどん短くなっているということだと思います。
 
それはアーティストサイドから見れば自ら制作し、 配信し、プロモーションできる時代に入ってきていて、いわゆる「セルフプロデュース」の時代が到来しようとしています。
 
我々本業のプレイガイドの立場で言えば、ライブ業界は右肩上がりで伸びていますが、人気のコンテンツを持っている事務所やアーティストは、電子等の登場により顧客に直接売る傾向が強くなってきています。これはインターネットの本質の一つであると我々は考えます。
 
その意味でプレイガイドも変革、対応を迫られています。単にディストリビューターとしてだけ生きるのではなく、興行を自ら企画制作すること。また、セルフプロデュース能力に優れたアーティストのCD制作やディストリビューション、プロモーションのサポートもおこなってまいります。そうしたことをまずクラシック音楽の世界で実践し、その市場に新たな活気を巻き起こせないだろうかと考えました。一時期“360度展開”とよく言われましたが、今後まさに本格化するように思います。
 
自主興行企画については、すでに、渋谷の LIVING ROOM CAFE で毎週行われている「サンデー・ブランチ・クラシック」で新進気鋭の若手アーティストを発掘。昨年秋より赤レンガ特設会場で始めた都心で唯一のクラシック野外フェス 通称「スタクラフェス」を企画制作しております。
 
一方、反田恭平さんですが、彼は優れたピアニストであることにとどまらず、「MLMナショナル管弦楽団」のプロデュースをはじめ、また「スタクラフェス」では合唱曲を作曲、指揮するなど多彩なプロデュース能力を発揮しています。そんな彼の「セルフプロデュース力」を高く評価し「NOVA Record」の共同設立に至りました。

イープラスは反田恭平さんの「NOVA Record」を全力でサポートしてまいります。

株式会社イープラス代表取締役会長 橋本行秀

■各界からのメッセージ

◎二ノ宮知子 (漫画家)

反田恭平くんが自社レーベルを立ち上げると聞いて驚きました。
何かやるだろうと思っていましたが、思ってたより全然早かったので(笑)。
私は漫画「のだめカンタービレ」でクラシック界のさまざまな天才的奇人を描いてきましたが、反田くんに会って話をしてすぐ「この人、漫画だわ」と感動したものです。
ピアノ、指揮、プロデュース。やりたいことを語り、すぐに実現していく彼の姿を見ていると、彼はピアニストどころか、普通の音楽家にも収まっているつもりはないのだなあと。
反田恭平とは何者か。まだまだわからないし、今後の彼の活躍を益々楽しみに、注目していきたいと思います。

◎武井壮さん (タレント・百獣の王)

反田恭平というアーティストの音を初めて知ったとき、それまで遠く感じていたクラシックの楽曲が何故かとても身近に感じたのを覚えています。 それは彼が様々な楽曲を演奏するために鍵盤に触れてきた圧倒的な量とそのひとつひとつに込められた膨大な思考や感情が、我々アスリートが地面を一歩踏む度に手に入れてきた力と経験と知識に似た強さを持つ感じたからだと思います。 さらに、そんな彼がそのクラシックの魅力をより広く伝え、その音を耳にする時間が、多くの人の生きる時間を鮮やかに彩る価値ある瞬間となるようにと願う心が伝わったからだと感じます。 歴史あるクラシックの音楽と現代の地球を華麗に、力強く繋ぎ合わせる音を奏でてくれるアーティスト、それが反田恭平です。  

◎楠木 建さん (一橋大学教授・経営学者)

ある人からお招きいただき、軽井沢の大賀ホールで初めて反田恭平さんの演奏を聞いた。音楽はとても好きだが、聴いたり弾いたりするのは主に軽音楽でクラシックはあまり聴かない。事前に反田さんのことは何も知らなかった。そんな僕でも、彼が既存の枠組みにどうやっても収まらない天才だということははっきりと分かった。
さらに言えば、反田さんの才能と意志はピアニストの枠からも逸脱している。自ら起業し、新たなレーベルを立ち上げるという。従来の業界構造に固く定着した分業を破壊し、ミュージシャン自ら需要を創造するという試みである。クラシック音楽の供給と需要の間のあたらしいつながりを生み出す。これまた既存の枠組みにとらわれない新機軸だ。
クラシック音楽という成熟し、固着した業界に新風を吹き込む反田さんの挑戦。日本発の新しい「文化の商売」としての大成を期待している。

◎山田治生さん (音楽評論家)

反田恭平のように、常識にとらわれず自らの考えで行動する音楽家はまれである。音楽的才能は言うまでもないが、彼の発想力、行動力にはいつも驚かされる。
ピアニストでありながら、指揮者を目指す彼は、オーケストラ(MLMナショナル管弦楽団)を結成。また、自ら会社を設立し、コンサートのプロデュースを始めた。今度は、レーベルを立ち上げ、CDを作り、音楽を配信する。既成のシステムに乗るのではなく、自分で考え、自分で行動する。そしてそれらすべてが音楽のためであるところが素晴らしい。
インターネット配信の影響などで、「CDが売れなくなった」といわれて久しい。しかし、CDだって、すべてやり尽くされたわけではまったくない。やり方次第ではまだまだ可能性がある。アルバムの内容から、販売方法まで、反田は自らのアイデアでそれを示そうとしている。新レーベルの立ち上げにあたり、彼ならではのユニークな発想でますます我々を驚かせてほしいと思う。

◎オヤマダアツシさん (音楽ライター)

<そのうち、なんていうのはあてにならないな。いまがその時なのさ。>
自由を愛するクールな放浪者、スナフキンは数多くの至言を私たちにプレゼントしてくれているのだが、反田恭平が同世代の音楽家たちを集め、新しいオーケストラを始動させるという話を耳にしたとき、どういうわけかこの言葉を思い出してしまった。「いま」を決断し、未開の地へと足を踏み出す勇気があってこそ道は開かれる。そしてその道は、後から追いかけて来る者へ希望を与えるのだ。僕は(そんなに長生きはできないと思うけれど)新しい時代へとつながる旅をワクワクしながら観察し、そこで何が生まれるのか、どういう人たちが旅に加わるのかを見たい。クラシック音楽もまた、未来へと向かう芸術なのだから。

リリース情報

■第一回リリース ミニアルバム(全10種)
 
●岡本誠司(ヴァイオリン)Seiji Okamoto NR-1901
 
  
【収録曲】
①チャイコフスキー:なつかしい土地の思い出 作品42
Tchaikovsky:Souvenir d'un lieu cher,Op.42
1.瞑想曲 Méditation
2.スケルツォ Scherzo
3.メロディ Mélodie
②チャイコフスキー:ワルツ・スケルツォ 作品34
Tchaikovsky:Valse-Scherzo Op.34
(①②ピアノ/反田恭平)
【コメント】
ピアノの反田恭平さんとの初共演は2016年の夏のこと、その時はプロコフィエフのソナタを演奏しましたが、それから早くも3年の時が経とうとしています。今回収録した2作品はロシアの大作曲家チャイコフスキーが1877-78年の期間に書き上げたもので、彼らしい濃厚なロマンティシズムと軽妙なリズムに溢れた素敵な作品です。今しかできない、今だからこそできる丁々発止のデュオを是非お楽しみください。
【プロフィール】
1994年生まれ。2014年、第19回バッハ国際コンクールのヴァイオリン部門にてアジア人で初めて優勝、聴衆賞受賞。2016年の第15回ヴィエニャフスキ国際コンクール第2位、同年の第6回仙台国際音楽コンクール第6位および聴衆賞、2019年5月のエリザベート王妃国際コンクールでのファイナリスト入賞など国際コンクールでの入賞歴多数。東京藝術大学を卒業後、現在はベルリンにて研鑽を積みながら、日本およびヨーロッパで精力的にソロ・室内楽の演奏活動を行う。

 
●大江馨(ヴァイオリン)Kaoru Oe NR-1902
 
【収録曲】
①J.S.バッハ:
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調BWV.1004より シャコンヌ
J.S.Bach:Violin Partita No.2 in D minor,BWV 1004
②サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ イ短調 作品28
Saint-Saens:Introduction et rondo capriccioso,Op.28
(②ピアノ/反田恭平)
【コメント】
今回はヴァイオリンの魅力をたっぷり味わって頂ける対照的な2曲を選びました。バッハのシャコンヌは、たった1本のヴァイオリンから創り出される、どこまでも深遠で壮大なスケールの世界。打って変わってサンサーンスの序奏とロンド・カプリチオーソは、これぞヴィルトゥオーゾという、スペインの哀愁が薫る、華やかな曲です。反田君とのコラボレーションでどんな反応が起こるのかも聴きどころです。繊細かつ情熱的なヴァイオリンの世界をどうぞお楽しみ下さい!
【プロフィール】
1994年生まれ。桐朋学園大学ソリストディプロマコースに特待生として入学。同時に慶應義塾大学法学部で学び、卒業。第82回日本音楽コンクール第1位、岩谷賞(聴衆賞)、黒柳賞、レウカディア賞、鷲見賞、全部門を通じて最も印象的な演奏に対し贈られる増沢賞を受賞。ドイツのクロンベルクアカデミーにてクリスチャン・テツラフ氏のもと研鑽を積む傍ら日本及びヨーロッパにて演奏活動を展開している。NHK交響楽団を始め国内主要オーケストラと共演を重ねる。今春に開催されたアントン・ルービンシュタイン国際コンクール2019にて第2位に、また、6月に行われた第10回レオポルト・モーツァルト国際ヴァイオリンコンクールでは第3位及び、委嘱作品賞を受賞。

 
●桐原宗生(ヴァイオリン)Souki Kirihara NR-1903
 
【収録曲】
①エルガー:愛のあいさつ Elgar:Salut d'Amour Op.12
②コルンゴルト:雪だるま より「セレナーデ」 Korngold:Der Schneemann
③コルンゴルト:ヴァイオリン・ソナタ 作品6より 第三楽章 アダージョ
Korngold:Violin Sonata,Op.6 Adagio
④マスネ:タイスの瞑想曲 Massenet:Méditation
(①②③④ピアノ/反田恭平)
【コメント】
手に取っていただきありがとうございます。皆様はどのような時に音楽を聴きたい、とお思いになりますか? 私は普段から音楽に接してはいますが、辛いことがあったときや、前向きな気持ちになりたいときに音楽に助けてもらうことがあります。そしてそういう時に聴くような曲を今回選んでみました。今回このような形で反田くんとの演奏をCDにする機会を得られてとても嬉しいです。この1枚が皆様の人生に寄り添えるようなものになることを願っております。
【プロフィール】
3才よりヴァイオリンを始める。桐朋女子高等学校音楽科(男女共学)を経て桐朋学園大学音楽学部にて学ぶ。在学中、N響アカデミー、小澤国際室内楽アカデミー、PMF、サントリー室内楽アカデミー、プロジェクトQ等に参加し、アンサンブルの研鑽を積む。第64回全日本学生音楽コンクール高校の部全国大会第2位。第31回鹿児島県新人演奏会にて最高位(県知事賞)受賞。2015年9月より約4年間東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の第2ヴァイオリン首席奏者を務め、現在札幌交響楽団第2ヴァイオリン首席奏者。

 
●森田啓佑(チェロ)Keisuke Morita NR-1904
  
【収録曲】
①フォーレ:夢のあとに
Fauré:Après un rêve
②ラフマニノフ:悲しみの三重奏曲 第一番 ト短調
Rachmaninoff:Trio élégiaque No.1 in G minor 
(①ピアノ/反田恭平 ②ピアノ/反田恭平・ヴァイオリン/岡本誠司)
【コメント】
-イマジネーション- 演奏するときに一番大切にしていることです。2018年のMLMダブル・カルテットから始まったこのトリオにも通じるところがあります。10年後、20年後も一緒に演奏していきたいという熱い思いを込めて、フォーレの歌曲と再演となるラフマニノフの三重奏曲を収録いたしました。ご関係者の方々に深く感謝申し上げますと共に、足をお運びくださる皆様の心に残る演奏となれば幸いです。
【プロフィール】
1997年生まれ。高校在学中に第68回全日本学生音楽コンクールおよび第83回日本音楽コンクールを史上初めて同時に制す。20才メモリアル・リサイタル・シリーズにて表現力豊かな品のある音楽と高評され、第27回青山音楽賞・新人賞を受賞。また第45回日本ショパン協会賞を弦楽器として初受賞。ドイツのザール音楽大学にてG.リヴィニウス氏に師事。

 

●水野優也(チェロ)Yuya Mizuno NR-1905

【収録曲】
①サン=サーンス:白鳥
Saint-Saëns:Le cygne
②カサド:無伴奏チェロ組曲
Cassado:Suite for Cello Solo
1. Preludio - Fantasia
2. Sardana, "Danza"
3. Intermezzo e Danza Finale
(①ピアノ/反田恭平)
【コメント】
チェロの代表曲のひとつといえば、サン=サーンス作曲の白鳥です。この曲は6歳の頃、私がチェロを始めるきっかけになった曲でもあります。それから2曲目には、スペイン情緒溢れる情熱的な作品で、チェロの低音から高音まで広範囲にわたる音色を聴くことができる、カサド作曲の無伴奏チェロ組曲を収録しました。私にとって初めてのレコーディングですが、チェロという楽器の魅力を更に伝えられる演奏になればと思います。
【プロフィール】
1998年生まれ。第83回日本音楽コンクールチェロ部門第3位。第13回東京音楽コンクール弦楽部門第1位及び聴衆賞。第23回コンセール・マロニエ21弦楽器部門第1位。桐朋女子高等学校音楽科(男女共学)首席卒業。桐朋学園大学ソリスト・ディプロマ・コース(特待生)修了。現在、ハンガリー国立リスト・フェレンツ音楽大学在籍。ミクローシュ・ペレーニ氏に師事。

 
●大槻健(コントラバス)Ken Otsuki NR-1906
 
【収録曲】
①シューマン:アダージョとアレグロ 変イ長調 作品70
Schumann:Adagio and Allegro,Op.70
②ヘンデル=ハルヴォルセン:パッサカリア
Handel/Halvorsen:Passacaglia
(①ピアノ/反田恭平 ②ヴァイオリン/岡本誠司)
【コメント】
このCDをお手にとっていただきありがとうございます。オーケストラではコントラバスは縁の下の力持ち、車のエンジンのような役割を担っていますが、その慈しむような深い音色で聴く独奏もまた魅力的です。様々な楽器で演奏されるホルンの名曲″アダージョとアレグロ″と、素晴らしい音楽家であり学生時代からの良き友人である岡本誠司とのハルヴォルセンの″パッサカリア″をお楽しみください。
【プロフィール】
1994年生まれ 奈良市立一条高等学校、東京芸術大学音楽学部を卒業。第二回Japan International Contrabass Festival Solo Competition1位。これまでに東京フィル、東響、新日本フィル、札響の客演首席奏者を務めたほか、北九州国際音楽祭に参加。現在、読売日本交響楽団首席コントラバス奏者。
 
●八木瑛子(フルート)Eiko Yagi NR-1907
 
【収録曲】
①シャミナード:コンチェルティーノ 作品107
Chaminade:Concertino pour Flûte,Op.107
②ジュナン:グランドデュオ・コンチェルタント作品51
Genin:Grand Duo Concertant op.51
(①ピアノ/反田恭平 ②ピアノ/反田恭平・オーボエ/浅原由香)
【コメント】
1曲目はフルートとピアノのための作品で、フルートが本来持つ柔かさや温もりのみならず、
色彩感溢れる音色を楽しんでいただける楽曲です。2曲目はフルートとオーボエのための
作品で、オーボエ奏者は高校・大学の先輩であり、第12回国際オーボエコンクール東京で
最高位を受賞された浅原由香さんに録音に参加していただきました。同じ木管楽器でもフルートとはまた違う、オーボエの音色とその魅力も楽しんでいただければ幸いです。
【プロフィール】
東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て東京藝術大学音楽学部を首席で卒業。在学中に安宅賞、卒業時にアカンサス賞、三菱地所賞を受賞。第25回 日本木管コンクール 第1位、保科賞第32回日本管打楽器コンクール 第3位第85回日本音楽コンクール第2位。現在、ザルツブルグ・モーツァルテウム大学にてミヒャエル・マルティン・コフラー氏のクラスに留学中。ドイチェ・ユンゲ・フィルハーモニー管弦楽団団員。

 
●荒木奏美(オーボエ)Kanami Araki NR-1908
 
【収録曲】
①プーランク:3つのノヴェレッテ
Poulenc:3 Novelettes,FP 47/173
第1曲 ハ長調 No.1 C major
第2曲 変ロ短調 No.2 B-flat minor
第3曲 ホ短調 No.3 E minor
②シューマン:アダージョとアレグロ変イ長調 作品70
Schumann:Adagio and Allegro,Op.70
(①②ピアノ/反田恭平)
【コメント】
オーケストラのコンサート、これからのステージに胸を高鳴らせ、いよいよ耳にするのはチューニングAの音。それは多くの作曲家に愛され、歌心が吹き込まれてきた“オーボエ”の音色です。その独特で多彩な音色を味わって頂きたく取り上げたのが、MLMでも演奏するF.プーランクと詩的なR.シューマンの作品。所属する東京交響楽団で共演した際の反田君の繊細な表現もこの選択を導いてくれました。可愛らしい3つのノヴェレッテに、旋律がオーボエとピアノの対話で紡がれるアダージョ(ロマンス)と情熱的なアレグロです。
【プロフィール】
1993年茨城県出身。東京藝大を首席卒業後、同院進学。学部3年次でオーディションに合格し2015年より東京交響楽団の首席奏者を務めている。第11回国際オーボエコンクール・軽井沢でアジア勢初の第1位。第27回出光音楽賞受賞。東京・春・音楽祭、B→C、武生国際音楽祭への参加はじめ各地でリサイタル、室内楽に取り組む。これまで東響、都響などと協演。H・ホリガーに絶賛され共演、オーボエトリオで5都市をまわるツアーを行った。

 
●庄司雄大(ホルン)Yudai Shoji NR-1909
 
【収録曲】
①シャブリエ:ラルゲット
Chabrier:Larghetto
②J-Mドゥファイ:アルファ
Defay:Alpha
(①②ピアノ/反田恭平)
【コメント】
シャブリエのラルゲットとドゥファイのアルファは僕が学生の頃より、コンクールやコンサートで何度も取り上げた大好きな2曲です。ラルゲットではホルンの真髄である歌を、アルファではオーケストラではあまり聞く事の出来ないホルンのテクニカルな面をお楽しみいただける事と思います。このCDを通じてホルンのための作品にも興味を持っていただけましたら幸いです。
【プロフィール】
東京藝術大学音楽学部器楽科卒業。第86回読売新人演奏会出演。第3回日本ホルンコンクール第2位。第86回日本音楽コンクールホルン部門第2位。第35回日本管打楽器コンクールホルン部門第1位、および文部科学大臣賞、東京都知事賞を受賞。現在、藝大フィルハーモニア管弦楽団 首席ホルン奏者。

 
●皆神陽太(ファゴット)Yohta Minakami NR-1910
 
【収録曲】
①ドニゼッティ:愛の妙薬より 人知れぬ涙
Donizetti:Una furtiva lagrima
②ヌッシオ:ペルゴレージのアリエッタによる変奏曲
Nussio:Variations on an Arietta by Pergolesi for bassoon and piano
(①②ピアノ/反田恭平)
【コメント】
人間、常に笑顔でいられるわけではないものです。ファゴットはひとりの人間の有り様を生々しいほどに表現することができる希少な楽器であることを感じて頂けましたら幸いです。光栄なことに、初のソロ・レコーディングを反田くんとの共演で実現できました。思い入れもひとしおの一枚となっています。収録にご尽力くださった方々、そして今こちらを読んでくださっているあなたに深く感謝申し上げます。皆さまの時間にどうか寄り添えますように。
【プロフィール】
東京藝術大学音楽学部器楽科ファゴット専攻卒業時に同声会賞と茨城県新人賞を受賞。第13回東京音楽コンクール木管部門、第33回日本管打楽器コンクールファゴット部門にそれぞれ入選。小澤征爾音楽塾オーケストラプロジェクトⅡ、宮崎国際音楽祭に出演。ファゴットを岡崎耕治氏、吉田將氏に師事。2016年より東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団ファゴット首席奏者及び、ぱんだウインドオーケストラ副コンサートマスターを務めながら、ティアラこうとうジュニアオーケストラと長野県小諸高等学校音楽科にて後進の指導にあたる。

※各ミニアルバム(CD)は、次のMLMナショナル管弦楽団の演奏会場のみでの限定販売となります。
① 2019/7/24(水)15:00 秦野市文化会館(神奈川県)
② 2019/7/25(木)18:30 足利市民プラザ 文化ホール(栃木県)
③ 2019/7/26(金)19:00 サントリーホール(東京都)
④ 2019/7/27(土)14:00 多賀城市民会館(宮城県)
⑤ 2019/7/31(水)19:00 サントミューゼ 大ホール (上田市交流文化芸術センター) 
 
※公式サイト:https://www.novarecord.jp

ツアー情報

『反田恭平 with MLMナショナル管弦楽団』
 
<日程・場所・料金>
7月24日(水)神奈川・秦野市文化会館 開場14:30 開演15:00
料金:全席指定 一般2500円 学生(25歳以下)1000円 一般発売 3月24日 
主催:秦野市文化会館事業協会
 
7月25日(木)栃木・足利市民プラザ 文化ホール 開場18:00 開演18:30
料金:全席指定(税込)一般4,500円 ユース(25歳以下)2,000円 主催:公益財団法人足利市みどりと文化・スポーツ財団 足利市教育委員会
 
7月26日(金)東京・サントリーホール 開場18:30 開演19:00
料金:S¥5,000円 A¥4,000円 (全指定席)  
主催:NEXUS
 
7月27日(土)宮城・多賀城市民会館 開場13:30 開演14:00
料金:全席指定 5,000円 ※未就学児入場不可  
主催:仙台放送 共催:多賀城市文化センター指定管理者
 
7月31日(水)長野・サントミューゼ 大ホール (上田市交流文化芸術センター) 開場18:15 開演19:00
料金:S席 5,000円 A席 4,000円(全席指定・税込)  
主催:テレビ信州 共催:上田市
 
特別協賛:DMG森精機株式会社
 
出演
【MLMナショナル管弦楽団メンバー】
反田恭平* (ピアノ・指揮)
岡本誠司*、大江馨、桐原宗生、島方瞭(ヴァイオリン)
有田朋央、長田健志(ヴィオラ)
森田啓佑、水野優也(チェロ)
大槻健(コントラバス)
八木瑛子(フルート)
荒木奏美、浅原由香(オーボエ)
庄司雄大、鈴木優(ホルン)
皆神陽太、古谷拳一(ファゴット)
*ソリスト
 
<曲目・演目>
・ベートーヴェン:ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス第2番へ長調 op.50
(ソリスト岡本 vl1大江・島方、vl2桐原、vla有田・長田、vc森田・水野、cb大槻、
fl八木、ob荒木・浅原、fg皆神・古谷、hr庄司・鈴木)
・ボッケリーニ:八重奏曲「ノットゥルノ」ト長調  op.38-4(G470)
(vl1大江、vl2桐原、vla有田、vc森田・水野、fg浅原、hr庄司、fg皆神)
・プーランク:ピアノ、オーボエ、ファゴットのための三重奏曲 FP43
(反田、荒木、古谷)
・モーツァルト:ピアノソナタ第8番ニ長調 KV311(反田)
・モーツァルト:ピアノ協奏曲第17番 ト長調 KV453
(vl1岡本・大江、vl2桐原・島方、vla有田・長田、vc森田・水野、cb大槻、
fl八木、ob荒木・浅原、fg皆神・古谷、hr庄司・鈴木、pf&cond反田)
 
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