Dragon Ash『RUSH BALL 2019』クイックレポート ーー体も胸も熱くした圧巻のパフォーマンスと約束の言葉
Dragon Ash
『RUSH BALL 2019』Dragon Ash
夕日が当たり始めたステージに登場すると「Mix It Up」から戦闘態勢に! ゴリゴリなラップもシーケンスのフレーズも重厚なロックサウンドも、まさにすべてを「Mix」して自由度高く展開。ダンサーの身体表現も同じく自由に、彼らがこれまで掲げてきたミクスチャー・ロックを存分に体現する。
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そしてつなげたのは「ROCKET DIVE」(hide with Spread Beaver)のカバー。原曲のポピュラリティはそのままに、Dragon Ashスタイルで繰り広げられる名曲とくれば、もちろん会場は盛り上がらないはずはなく、拳が同期して動く上空からの映像は鳥肌ものだ。
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その興奮は7月10日に配信リリースした疾走感ある新曲「Fly Over」へと地続きになって、Kj(Vo.G)のラフなボーカルやどこかゾクリとさせるギターが作る前のめりさも増幅。3曲で十二分に最高潮に達する。が、ここで放出するのは、エモーショナルな「光りの街」。温もりを感じさせる歌声、メロディックでやさしいギター、伸びやかなダンス……。ダイナミズムも兼ね備えた楽曲にオーディエンスの指差した手が高くあがり、大クラップと大シンガロングも発生して、薄暗くなった会場でKjを照らし出すライトは後光のようにさえ見えてくる。
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しかし後半戦に入れば再び「Jump」と「百合の咲く場所で」のミクスチャー・ロックのあの手この手。語りのようなラップ、美しさも浮遊感あるトラック、そして「夏フェス終わっちまうぞ!」(Kj)のアジテーション。回るタオルの花も満開になって、夢中という言葉がぴったりの時間はついに終わりの時に近づく。すると「当たり前だと思ってることが、あっという間に当たり前じゃなくなっちゃうからね。次の曲で最後だと思って毎回ライブをやります」というKjの宣言後に繰り出すのはキラーチューン「Fantasista」! 「Oh,Oh,Oh」のあのコールで一体感も抜群。ジャンプにハンズアップにと、これぞDragon Ash!といった壮観な景色を生み出し、「次はみんなで、ニコニコで戻ってくるからね」(Kj)という約束も残してメンバーは舞台をあとにした。
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取材・文=服田昌子 撮影=河上良
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