劇団新派の桂佑輔が主宰するPRAY▶旗揚げ公演「グリークス第1部 『戦争』」の上演が決定
2019年11月6日(水)~11日(月)浅草九劇において、PRAY▶旗揚げ公演「グリークス第1部 『戦争』」が上演される。PRAY▶は、劇団新派に所属する桂佑輔が2019年に立ち上げた演劇カンパニーで、「呼び覚ます、無限の記憶。」というキャッチコピーのもと、Play like praying(=祈るように演じる)という新しい演劇体験を作り出していく。
本公演は、ギリシャ悲劇9本をひとつの戯曲として編集した全3部の大作「グリークス」 (編・英訳/ジョン・バートン、ケネス・カヴァンダー)のうち、第1部となる「グリークス第1部 『戦争』」。
出演するのは、演劇界だけでなく声優界、テレビやダンス、音楽など、各方面で活動する総勢30人のメンバーたち。読売演劇大賞にて優秀女優賞を受賞したベテラン女優の長谷川稀世(ヘカベ役)や、テレビ『百獣戦隊ガオレンジャー』ツエツエ役や、アニメ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の声優など、幅広く活躍する斉藤レイ(アンドロマケ役)、劇団四季出身であり、現在は舞台だけでなくアニメ『遊☆戯☆王 VRAINS』などの声優としても注目を集める石毛翔弥(アキレウス役)、バラエティ番組やCMにも多数の出演歴がある若手女優、 やまうちせりな(イピゲネイア役)などを筆頭に、実力と人気を兼ね備えた俳優が多数出演する。日本古典演劇と現代演劇を学んだ桂佑輔の演出と新訳で、ギリシャ悲劇を再解釈。「いま、最も日本にささるギリシャ悲劇」を作り上げていくとのことだ。
桂佑輔コメント
「グリークス」は、珠玉のギリシャ悲劇 9 本を、総上演時間 9 時間超の戯曲として編集した作品です。タイトルの和訳通り、ギリシャ悲劇を「ギリシャ人たち」というテーマで荘厳なドラマにまとめた超大作です。「グリークス」の作者は、ギリシャ劇が大変面白い演劇であるにもかかわらず、現代という時代には合わなくなってしまい、身近に感じとりづらくなっていることを嘆いていました。その衝動と考察のもと、多数のギリシャ悲劇の中から9 本のエピソードを厳選し、今日の世界にフィットするひとつながりの大河ドラマに再構築したのです。
「私たちの伝統の中で成立させたい(中略)私たちはギリシャ人でなく私たちなのだから。」 この作者の信念は、現代日本での上演にも応用することができます。三千年前と同じように、ハレの日に悲劇という名の愛の物語を上演する。それによって、心が浄化される特別な体験をしていただきたい。日本の風土に育まれた演劇のやり方を使い、今の東京で、母から子に語られてきた先祖の物語のように楽しんでいただけるのではないかと思っています。俳優・スタッフともに本当に素晴らしいメンバーが集まりました。そもそも上演すること自体が非常に困難な、途方もないこの作品。そんな「グリークス」を、俳優の息づかいまで全て感じ取れるような規模の小劇場でご覧いただくことは、お客様にとって、忘れられない濃密な体験となるでしょう!
桂佑輔(けい ゆうすけ)
学生演劇、アングラ、新劇などでの活動を経て、2012 年「日本橋」「ふるあめりかに袖はぬらさじ」に出演。130 年前に日本で生まれ培われた「新派劇」を伝える新派に魅せられ、 2014 年劇団新派入団。現在も内外のさまざまな舞台で俳優として活動。昨年はじめて演出したゴーリキー「どん底」は、太棹の合方生演奏や暗黒舞踏、面、白塗り、小謡、登場人物ほぼ全員が異なる方言を用いるなど、様式を問わないニュートラルな手法が話題となった。本作にて「呼び覚ます、無限の記憶」を掲げ、PRAY▶を旗揚げ。