ユニコーン、57年におよぶ“やまぎんホール”の歴史のフィナーレを飾る　「この人がいたおかげ」と館長への感謝の言葉も

山形県県民会館（やまぎんホール）が11月30日に閉館。最後の公演をユニコーンが務めた。

山形県県民会館は、1962年7月10日、音楽・舞踏・演劇・映画・大会などを催すことを目的として開館。当時、舞台・照明・音響など、それぞれの技術担当を県職員が全て行うという全国でも稀な形態で運営をスタートし、「やまぎんホール」として親しまれてきた。2019年11月30日『ありがとう山形県県民会館プレゼンツ『ユニコーン100周年ツアー“百が如く”』』を最後に、57年間に及ぶ山形県民の文化拠点としての役割を終え、閉館することとなった。

やまぎんホールは、山形県出身のABEDONをはじめ、ユニコーンのメンバーとも所縁が深い会場。約30年前に行われた全国ツアーでは、ファイナルのステージに、また10年前に再始動した際の全国ツアーでは初日のステージになるなど、ユニコーンの特別なライブが幾つも繰り広げられてきた。

当日は、普段ならこの季節には稼働させていない噴水が勢いよく上がり、いたる所で会館をバックに記念撮影する人の姿がみられ、会館の最後を惜しむ光景が開場前から広がっていた。

ステージでは、奥田民生の「本日は山形県県民会館が最後ということで……最後まで存分にお楽しみください！」とのMCで、約100分におよぶライブが進行。全ての演奏が終わった後、川西幸一は「山形は第2の故郷。ホームに帰ってきた気がする」、ABEDONは「俺は死ぬ時に、この景色を思い出す」と、それぞれに特別な思いを語った。またABEDONが高橋利雄館長を客席中央の台上へと引き上げ「この人がいたおかげ」と客席に紹介すると、会場からは感謝の言葉と拍手が送られた。

最後にABEDONが万感の思いを胸に「それでは、山形県県民会館、終わりでーーーす！」と叫ぶと、会場から大喝采がおこり、ライブは終演。その後もメンバー5人はステージに残り、ユニコーンが同会館で行なってきた各公演のハイライト映像と共に流れるエンドロールを、観客と一緒に見つめていた。

2020年1月には、ABEDONによる山形県県民会館の特別番組も放送決定。会館と共に歴史を刻んできたピアノ・スタンウェイの音色を最後に響かせる。