森崎ウィンと田村芽実がまっすぐにさわやかに演じる 『ウエスト・サイド・ストーリー』日本キャスト版 Season2 観劇レポート
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(C)WSS製作委員会/撮影:田中亜紀
豊洲のIHIステージアラウンド東京にて、2019年8月にまずは来日キャスト版の公演がスタート、その後、2020年5月まで日本キャスト版がSeason1~3と上演される『ウエスト・サイド・ストーリー』。歴史にその名を残すブロードウェイ・ミュージカルの傑作を、360度回転劇場で見せるという試みで、2月1日(土)からはSeason2の上演がスタートしている。6日(木)13時半の公演(主要キャストはダブルキャストとなっており、この日のキャストは、トニー=森崎ウィン、マリア=田村芽実、アニータ=May J.、リフ=小野賢章、ベルナルド=渡辺大輔)をレポートする。
(C)WSS製作委員会/撮影:田中亜紀
オーケストラピットがないため、ステージと客席との距離が近く、そのステージに、リアルで生活感あふれる舞台装置が立て込んでいるのが今回のプロダクションの特徴。そんな空間で、ところ狭しとダンス・シーンが繰り広げられるという趣向だ。対照的に、体育館でのダンスの場面や、名曲「Somewhere」にのっての幻想的なバレエの場面は大空間で繰り広げられる。客席通路をキャラクターが歩いて、あるいは舞台上をバイクで駆け抜ける場面もあり、トニーとマリアのデュエットの際、二人が立つ非常階段が客席上空までせり出してくるなど、客席との一体感が図られている。細部までぎっしり品々が置かれた家や店が並ぶ通りをトニーが歩いていく様を、回転する客席から眺めていると、まるで映画を観ているような感覚を味わうことができる。オープニング、幕の代わりのスクリーンには、悲惨なニュースを伝える新聞記事が多数映され、この名作ミュージカルの普遍性を今日につなげて語ろうという試みが見て取れる。
(C)WSS製作委員会/撮影:田中亜紀
(C)WSS製作委員会/撮影:田中亜紀
トニーを演じる森崎ウィンは甘い歌声の持ち主。明るさと軽やかさを感じさせる演技で、ドク(田山涼成)にマリアへの愛をのろけるシーンでは甘い魅力を見せる。マリアに扮した田村芽実は、語り口に幼いものを感じさせる一方、ラブ・シーンでは情熱をほとばしらせ、歌声にも存在感がある。まっすぐにさわやかな主演カップルである。
(C)WSS製作委員会/撮影:田中亜紀
(C)WSS製作委員会/撮影:田中亜紀
映画『アナと雪の女王』の「Let It Go 〜ありのままで〜」で知られるMay J.は、今回はアニータ役として「America」「A Boy Like That」といった名曲の歌唱を担当、セクシーな黒い下着姿での登場も。ベルナルド役の渡辺大輔は、すっくと立って不敵に相手を見据える姿が役どころにふさわしい。
(C)WSS製作委員会/撮影:田中亜紀
(C)WSS製作委員会/撮影:田中亜紀
(C)WSS製作委員会/撮影:田中亜紀
(C)WSS製作委員会/撮影:田中亜紀
アクション役の永野亮比己は、かつてモーリス・ベジャールに師事、ダンス・カンパニーNoism1に所属していたというだけあり、大勢の中でもその動きは際立つ。彼がジェット団の仲間と共に繰り広げる「Gee, Officer Krupke」は、はっちゃけたコミカルさが見物。
(C)WSS製作委員会/撮影:田中亜紀
(C)WSS製作委員会/撮影:田中亜紀
(C)WSS製作委員会/撮影:田中亜紀
グラッツィエーラ役の平井琴望も、気合十分の踊りで、ダンス・シーンで目を引く存在である。「Dance at the Gym」ではリフ(小野賢章)と組み、生き生きとしたダンスを披露する。女の子ながら、男の子のような服装をし、ジェット団の男たちと行動を共にしたいと願うエニィバディズ役、富田亜希のけなげさも印象に残る。
(C)WSS製作委員会/撮影:田中亜紀
(C)WSS製作委員会/撮影:田中亜紀
(C)WSS製作委員会/撮影:田中亜紀
初演から60年余、差別や対立の虚しさ、憎しみを超える愛を描くこの作品が、若いメンバー中心のキャストの奮闘によって、幅広い世代に広がっていくことを期待したい。
(C)WSS製作委員会/撮影:田中亜紀
(C)WSS製作委員会/撮影:田中亜紀
文=藤本真由(舞台評論家)
公演情報
日程:2020年2月1日(土)~ 2020年3月10日(火)
会場:IHI ステージアラウンド東京
※公演によりキャストが異なります。キャストスケジュールは公式HPをご覧ください。
■原案:ジェローム・ロビンス
■脚本:アーサー・ローレンツ
■音楽:レナード・バーンスタイン
■作詞:スティーブン・ソンドハイム
■初演時演出&振付:ジェローム・ロビンス
<ステージアラウンド版オリジナルSTAFF>
■演出:デイヴィッド・セイント
■振付リステージング:フリオ・モンヘ
■セットデザイン:アナ・ルイゾス
■照明デザイン:ケン・ビリングトン
■プロジェクションデザイン:59プロダクションズ
■衣裳デザイン:リサ・ジニー
■音響デザイン:山本浩一(エス・シー・アライアンス)
■ステージアラウンド・スーパーバイザー:芳谷 研
■エグゼクティブ・プロデューサー:
ケヴィン・マッコロム(Alchemation)、ロビン・デ・レヴィータ(Imagine Nation)、吉井久美子(John Gore Organization)
<日本キャスト版STAFF>
■翻訳・訳詞:竜 真知子
■演出補:フリオ・モンへ、薛 珠麗
■振付指導:大澄賢也
■歌唱指導:山口正義
■音楽監督・指揮:井田勝大 指揮:木村康人、永原裕哉
■演出助手:河合範子
■舞台監督:今野健一(Keystones)
■技術監督:小林清隆(Keystones)
■出演:
トニー 村上虹郎/森崎ウィン (W キャスト)
マリア 宮澤エマ/田村芽実 (W キャスト)
アニータ May J./宮澤佐江 (W キャスト)
リフ 上口耕平/小野賢章 (W キャスト)
ベルナルド 渡辺大輔/廣瀬友祐 (W キャスト)
シュランク 山口馬木也
クラプキ 辰巳智秋
グラッドハンド 岩崎う大(かもめんたる)
ドク 田山涼成
The Jets & The Sharks
尾関晃輔 風間無限 鯨井未呼斗 後藤健流 佐久間雄生 佐野隼平 茶谷健太
永野亮比己 根岸澄宜 練子隼人 MAOTO 森内翔大 矢内康洋 理土
石井亜早実 植竹奈津美 門間めい 木原実優 弓野梨佳 後藤紗亜弥 小林礼佳
篠本りの 富田亜希 平井琴望 平山ひかる 藤森蓮華 前田有希
■料金:全席指定 15,000 円(全席指定・税込)
☆ アンダー18 シート 8,500円(当日引換※詳細は公式 HP 参照) SP ウィークデーナイト 14,000円
※ ☆はステージアラウンド FC のみでのお取り扱いとなります。
※ 全席指定とアンダー18 シートは連席でのご購入はできません。連席をご希望の場合は全席指定 15,000 円をご購入ください。詳細は公式 HP にてご確認ください。
■Season2 公式 HP https://www.tbs.co.jp/stagearound/wss360_2/
■制作:ゴーチ・ブラザーズ
■主催:TBS / ディスクガレージ / ローソンエンタテインメント / 電通 / BS-TBS
■後援:TBSラジオ
■企画・製作:TBS
IHI Stage Around Tokyo is produced by TBS Television, Inc., Imagine Nation B.V., and The John Gore Organization, Inc.
■公式サイト https://www.tbs.co.jp/stagearound/
■公式 Facebook @stagearoundtokyo
■公式 Twitter @STAGE_AROUND
■お問合せ:ステージアラウンド専用ダイヤル 0570-084-617(10:00~18:00)