舞台『俺たち賞金稼ぎ団』斉藤秀翼、馬場良馬インタビュー
左、馬場良馬さん、右、斉藤秀翼さん
スーパー戦隊出身の二人が語る現場の雰囲気
12月4日(金)より、シアター1010にてスタートする舞台『俺たち賞金稼ぎ団』。2014年に上映された同名映画の続編で、キャストは全員、スーパー戦隊出身! 演出・きだつよしさんインタビューに続き、主演の黒田賢役斉藤秀翼さん&水野智役馬場良馬さんに独占インタビュー。斉藤さんは『獣電戦隊キョウリュウジャー』にイアン・ヨークランド/キョウリュウブラックとして、馬場さんは『特命戦隊ゴーバスターズ』に岩崎リュウジ/ブルーバスターとして出演。本格的な共演が初めてとは思えない、息ピッタリの掛け合いをどうぞ!
――キャスト全員、戦隊物出身ということですが、他の稽古場と違うところはありますか?
斉藤秀翼(以下、斉藤) 前半の稽古場が、スーパー戦隊シリーズを撮影している東映撮影所だったので、なじみ深いスタッフさんが差し入れをしてくれたんです。そして、戦隊物そのものが好きな役者がそろっていて、自分が出ていない作品も知っているので、その話でも盛り上がりますね。
馬場良馬(以下、馬場) 共通点が多いよね。スーツアクターが一緒だったり。
斉藤 :僕と良馬さんと(清水)一希が、一緒だったんだよね。
馬場 :はじめましての方もいたけど、共通認識があるから、すぐ仲良くなって。心の距離が近いから、稽古もいい方向に進みました。
――スーパー戦隊シリーズを撮影しているスタジオに、行ってみたりは?
馬場 :はい、挨拶に行きました。1年かけて撮る作品だから、スタッフさんとの絆も深いんですよね。皆さん、「おかえり!」って迎えてくれたのが、うれしかったです。
斉藤 :僕は稽古終わりに、一希と一緒に。ちょうど、今放映中の『ニンニンジャー』を撮ってるところでした!
馬場 :まあ、駅から遠くて、交通の便がイマイチなところだけはアレなんですけど……(苦笑)。
斉藤 :(さわやかに)ええーっ、馬場さん、そう思ったんですか? 僕はまた東映撮影所に行けると聞いて、喜びしかなかったんですけど!
馬場 :うそつけー! おまえが一番最初に、「遠い」って言ってたじゃないかー!!
斉藤 :(さわやかモードを続けて)いやだなぁ、馬場さん、僕はただただうれしかったですよ~。
馬場 :おま……こわいなぁ、もう~!(笑)
斉藤 :(笑)。
馬場良馬さん
――(笑)。お二人は、初対面ではないと思いますが、第一印象は覚えていますか?
斉藤 :最初にお会いしたのは、映画『獣電戦隊キョウリュウジャーVSゴーバスターズ』の撮影ですが……。
馬場 :そこで会ったのは1日だけだったので、今回が初対面のようなものだよね。第一印象は、『キョウリュウジャー』のイメージが強かったので、イアンみたいにクールなのかなと思っていたら、すごく人懐っこくて。今回も、すぐ「ごはん行こうよ」って誘ってくれたし。イアンと共通するカッコよさもあるんだけど、人懐っこい部分が心地いいなって思いました。
斉藤 :あ、今日もごはん、行きます?
馬場 :いや、今日はやめとく(笑)。
斉藤 :えーっ(笑)。僕は、「良馬さんって、こんな芝居をする人なんだな~」と、前から好感を持っていて。稽古場でしょうもない話をして、意外な部分も知って、感じたのは……ハッピーな人だなと。
馬場 :ハッピー?? ……まあ、ありがとう(笑)。
斉藤 :ちゃんとしゃべったのは、顔合わせのあと。スチール撮影まで2~3時間あったので、「コンビニ行きます?」って僕が誘ったんですよね。
馬場 :そういえば、行ったねえ。
斉藤 :そのときは、良馬さんから何となく、壁を感じたんだけど……。
馬場 :ええ、ホント? そんなつもりはなかったけどなぁ。
斉藤 :逆に、僕の第一印象は悪くなかったですか? よく、黙ってると冷たそうって言われるので。
馬場 :クールそうだな、とは思ったけどね。
斉藤 :稽古が始まってすぐ、一希と伊勢(大貴)くんと、(細貝)圭くんと飲みに行って。盛り上がって、終電までカラオケしたんですよ。そのとき、圭くんから、「秀翼ってさ~第一印象悪いって言われない? クールな印象だったけど、今日で大好きになった!」って言われました(笑)。
馬場 :そうなんだ。第一印象、全然悪くなかったよ。最初からフランクだったし。
斉藤 :……まあ、あのときコンビニでフランクフルト買ったし、ね!?(笑)
馬場 :うわぁ~!(笑)
――(笑)。他のキャストの印象は、いかがですか?
斉藤 :僕より年上の方がほとんどですけど、皆さんまさにフランクに接してくれるので、重荷を背負わずにいられるんです。
馬場 :ホント、みんないい人だよね。
斉藤 :(小声で)馬場さん以外、ね?
馬場 :オイッ! 心の声が漏れてるぞ!?(笑)
斉藤 :おっと……今回の舞台で、モノローグのセリフが多いから、つい(笑)。
――じゃあ、現場で一番「いい人」は、誰ですか?
斉藤 :(即答)馬場さんです!
馬場 :(即答)僕です!
――息ピッタリ(笑)。ちなみに前回インタビューで、演出のきだつよしさんが、「キャストに瞬発力がある」とおっしゃっていたんですが。
斉藤 :「瞬発力」って、いろいろなとらえ方ができると思いますけど、「こうして」とか「それ違う」とかって言われたとき、パッと対応できる力なのかなと。芝居のセンスも問われますけど、映像だとより時間がなく、本番ですぐやれなきゃいけない。その経験を、全員がしてきたからかもしれません。
――きださんの演出に関しては、どう感じていますか?
馬場 :稽古の日数がないこともあり、積極的にかかわってくれるんです。役者もそれに応えようとするので、必然的にカンパニーの絆が深まってますね。
斉藤 :きださんは、「こうやって」というより、役者それぞれが持ってきたものを尊重して、バランスが悪いところを修正していく方針なんです。最初に自由にやらせてもらえることがありがたいし、だからこそ、いい芝居をやらなきゃと思います。
馬場 :修正も明確なので、切り替えやすいですし。
斉藤 :きださん自身が、役者の経験も長い方なので、動いて教えてくれて、わかりやすいです。役者としても、演出家としても素晴らしいって、すごいことだなあと。
馬場 :そうそう、同じことが野球でも言えて……。
斉藤 :(バッサリ)いや、今、野球の話はいいから。
馬場 :えーっ、せっかく話を寄せていったのに!
斉藤 :ごめんごめん、どうぞ(笑)。
馬場 :野球にたとえたら、選手としては優秀だけど名監督にはなれない人とか、その逆もいるけど、選手としても監督としても有能な人は少ない、ってことでしょ?
斉藤 :そのとおり! さすが!
馬場 :……もう、いつ裏切るかわからないんだから!(笑)
斉藤秀翼さん
――続いて、ご自身のキャラクターの見どころについて教えてください。
馬場: 僕が演じる水野は、「情熱の役者」と言われているんですが、コンプレックスやトラウマを抱えていて、それを克服しようと強がっています。それで、秀翼演じる黒田に強く当たるんですが……。そこだけ見ると、水野はイヤなヤツですが、裏側にあるものをきちんと表現して、弱くて悲しい男だとわかってもらえたらいいですね。
斉藤 :そんな水野を解きほぐしていくのが黒田なので、二人の関係性を見ていただきたいですね。黒田のキャラクターは、前回の映画がベースになっていますが、今回は水野との人間関係にスポットが当たります。黒田がなぜ今のような人格になったのかも明らかになります。ちなみに、僕が一番衣装替えが多くて、5回もあるんですよ。
馬場 :おっ!
斉藤 :でも、あまりしゃべらずに、後ろにいることが多いので、そのぶん存在感を出せたらいいなと。あと、個人的なテーマが“キュンキュンさせること”なので、そこもがんばります!
馬場 :おおっ!
斉藤 :「妄想」が特徴のキャラクターなので……といっても、今回、桃瀬(仁依菜)が暴走して、より妄想しちゃうんだけど。
馬場 :お株が奪われちゃった?
斉藤 :まあ、そこもお楽しみに(笑)。
――最後に、ストーリーの注目ポイントをお願いします!
斉藤 :一つは、特撮がベースにあるからこその小ネタがいっぱいはさまっているところです。
馬場 :戦隊物の雰囲気やお約束、オマージュなど、あそび心を盛り込みつつ、推理物としても楽しめる舞台ですね。さらに、ショーに精通している東映さんならではのエンターテイメント性と、きださんの演出が見事に融合して、絶対に楽しんでいただける作品です!
斉藤 :僕たち自身も演じていて本当に楽しいので、お客さんにも楽しんでいただいて、やってよかった、観てよかったのWinWinな1時間半になったらいいですね!
インタビュー:荒川 陽子
きだつよしさんインタビューはこちらから!
日時:2015年12月4日(金)~9日(水)
会場:THEATRE1010(シアター1010)
出演者:斉藤秀翼/馬場良馬/清水一希/森高愛/金城大和/丸山敦史
和田三四郎/秦瑞穂/平田裕香(声の出演)
三村幸司 杉口秀樹 村岡友憲 野田論司
唐橋充/及川奈央/伊勢大貴/細貝圭
<日替わりアフタートークゲスト>
塩野瑛久/小澤亮太/竜星涼/今野鮎莉/平牧仁/長濱慎
スタッフ:演出:きだつよし
脚本:酒井善史(ヨーロッパ企画)
音楽:三澤康広
アクション監督:野口彰宏
アクション監修:坂本浩一
詳細は公式サイトまで