藤原竜也が、海外戯曲コメディに初挑戦!「とりあえず、お父さん」ゲネプロ

レポート
舞台
2015.12.3
「とりあえず、お父さん」左から本仮屋ユイカ、藤原竜也

「とりあえず、お父さん」左から本仮屋ユイカ、藤原竜也

勘違いとその場しのぎのごまかしが大騒動に!

12月3日(木)から天王洲 銀河劇場にてアラン・エイクボーンの傑作コメディ「とりあえず、お父さん」が上演される。前日となる2日(水)夜、同劇場にてゲネプロが行われた。

薄給で働くごく普通の青年グレッグ(藤原竜也)は、とあるパーティーで知り合ったジニィ(本仮屋ユイカ)に夢中。出会ってまだ1か月だがすでに結婚を意識するくらいまで惚れている。ただ、どうしても気になることがある。ジニィには年上の元カレがいたらしく、同棲していても何かと元カレの影がちらついて落ち着かない。ある日ジニィは「実家に行く」と言ってグレッグをおいて出かけたが、グレッグは彼女の両親にご挨拶をしたい、と彼女が実家の住所だ、と言っていたメモを手掛かりにこっそり後を追う。

実はジニィが向かっていた先は元カレのフィリップ(柄本明)の家。そこではフィリップと妻のシーラ(浅野ゆう子)がお互いの不貞を疑い、微妙な探り合いを続けていた。と、そこへなぜかジニィより先に到着してしまったグレッグ。グレッグは夫妻をジニィの両親と勘違いしたことから、事はややこしくなっていき――。

間違ったことは言っていないが、どれもこれももう一言足りないグレッグの言葉がきっかけで、次々と誰かが勘違いしていく玉突き状態。真実を知らないがゆえの勘違い、隠しておきたいことがあるからこそのごまかし。それらが徐々に絡まりながら後半に向けて加速していく様は見事。そして、最後の最後でニヤリとさせる新たな展開も隠されている。笑わせるためにわざと大きな演技をすることもない。ただの会話のやりとりだけで観る者をくすぐる秀作。海外戯曲かつ喜劇ということで、身構えて観劇する必要はまったくなし。なぜならばこういう勘違いは今の世の男女にもたぶんに起こりがちだから。

木々や草花が美しく整えられているイギリスの美しい庭先でおきるひと騒動。年忘れでクスッと笑いたくなったらぜひ天王洲 銀河劇場へ。

公演情報
「とりあえず、お父さん」

■日時:2015年12月3日(木)~23日(水・祝)
会場:天王洲 銀河劇場
作:アラン・エイクボーン 
演出:綾田俊樹
出演:藤原竜也、本仮屋ユイカ、浅野ゆう子、柄本明
公式サイト:http://hpot.jp/stage/toriaezu

 

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