中村明日美子の漫画『Jの総て』が舞台化 ほさかよう脚本・演出で、主演の“J”に竹中凌平が決定
(c)中村明日美子/太田出版(c)舞台「Jの総て」製作委員会
2020年4月9日(木)~12日(日)天王洲 銀河劇場にて、舞台『Jの総て』の上演が決定した。本作は、少女漫画、ボーイズラブ(BL)等、さまざまなジャンルの漫画を執筆する漫画家・中村明日美子による漫画『Jの総て』の舞台化となる。
脚本・演出を手掛けるのは、ほさかようで、「ギムナジウム編」「ニューヨーク編」「完結編」で構成されていた原作を、舞台では一つの物語として構成し、中村明日美子の描く美しく艶やか、官能的かつ退廃的な物語を歌や音楽、ダンスなど、舞台演劇ならではの演出で舞台上にて表現する。
主演“J”を演じるのは「ツキステ。」卯月新役、「『家庭教師ヒットマンREBORN!』the STAGE」沢田綱吉役等、舞台を中心に活躍中の竹中凌平。その他のキャストも近日発表になるとのことだ。
舞台化決定にあわせて、原作者の中村明日美子、脚本・演出のほさかよう、J役の竹中凌平からのコメント、そして中村明日美子コレクション(太田出版)に向けて描き下ろされたイラストをもとにした舞台のティザービジュアルが公開された。中村の作品が舞台化されるのは本作が初となり、恋愛、同性愛、家族愛、隣人愛などさまざまな愛の形を描いた本作に期待が高まる。
原作者:中村明日美子コメント
『Jの総て』はいつか舞台になったらいいなあ。と昔から思っていたところがあって、そんなことを編集さんにぽろりとこぼしたら、「そういうことはずっと言っていたらいつか叶いますよ」と言われました。そして本当になりました。紙の上で歌って踊って泣いて笑っていたJが、肉体を持って立ち上がるのですね。演者もスタッフもそしてもちろん観に来てくださった方々もみんなが幸せになれる舞台。そんな予感がしています。どうぞよろしくお願いいたします。
脚本・演出 : ほさかようコメント
ほさかよう
美しくて、苦しくて、愛おしい。『Jの総て』は、漫画というものを読む時、自分が求めるものが全て詰まったような作品でした。舞台化にあたって脚本と演出を担当させていただくことになり、首筋がぞわっとしました。これはもう、絶対に生半なことは許されないぞ、と。登場人物達の痺れる格好良さ、彼らに巻き起こる厳しすぎる現実と葛藤、その先にある愛。この作品に流れる総てのものを舞台にのせるべく、あらゆる手を用いて尽力する所存です。どうかご期待ください。作品の名に恥じるものには決していたしませんので。
J役:竹中凌平
竹中凌平
今回お話を頂き、初めて『Jの総て』という作品に触れました。LGBTと言うものが世間に少しずつ認められはじめた現代において、この作品を上演する事の大切さと意味を感じています。とても繊細な作品なだけに言葉を選ぶのに苦労しますが、異性愛者も同性愛者の方も恋愛の形は等しく、ジェンダーやセクシャリティだけで判断出来るものではないと気付きました。人らしく生きる事より自分らしく生きる事の大切さ。複雑で危うさを孕みながらも、美しく儚い、愛が持つ多面性に心を揺り動かされました。きっと僕が想像する以上にJという人物を演じるのは困難です。それを承知の上で、彼女をラストシーンまで精一杯生き抜きたいと思います。是非お楽しみに。
マリリン・モンローになりたかった少年Jの物語 僕は男の子が好き
1950年代、アメリカ合衆国。マリリン・モンローに憧れる、少年J.M.オースチンは、リストラされアルコール中毒になった父親に体を求められ、応じてしまう。そしてその現場を目の当たりにした母親は、父親を撃ち殺してしまう。
Jは一時、施設に入ったが、14歳の時カレンズバーグという女性に引き取られ、J.S.カレンズバーグを名乗ることになる。私立カレンズバーグ高等中学校に編入することになったJは、そこで理事長の甥である優等生ポールや、モーガンと交遊を深める。しかしポールとすれ違い傷ついたJは、クラブのオーナーのアーサーに誘われニューヨークへ。
そこでリタという女性に出逢う。運命の人・ポールとの出逢いが、「J」の人生を変えてゆく...。真実の愛と自分の姿を求め、彷徨う魂の物語。
公演情報
(c)中村明日美子/太田出版(c)舞台「Jの総て」製作委員会