ピアニスト・河村尚子、第32回ミュージック・ペンクラブ音楽賞、クラシック部門独奏・独唱部門賞を受賞

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2020.3.11
河村尚子 (C)Marco Borggreve

河村尚子 (C)Marco Borggreve

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ピアニストの河村尚子(かわむらひさこ)が、第32回ミュージック・ペンクラブ音楽賞クラシック部門独奏・独唱部門賞を受賞した。

「ミュージック・ペンクラブ音楽賞」は、クラシック、ポピュラー、オーディオ三分野の評論家、研究者、有識者が純粋に音楽的な見地から毎年の最優秀音楽作品、コンサート、新人、功労者を自主的に選んだもの。河村は、2019年4月20日、山田和樹指揮NHK交響楽団との共演で、矢代秋雄の《ピアノ協奏曲》を演奏。『鮮烈なリズムの処理、個性的な音型の表情付と圧倒的な構築、そしてなによりも21世紀の現代に生きるひとりの音楽家として、優れたピアニストでもあった矢代秋雄が未来に投げかけた問いに、真っ向から答えている姿勢が印象的だった』と評価され、受賞に至った。

2018年から2019年行った全4回 『ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ・プロジェクト』 は大きな話題を呼び、現在、ドイツのフォルクヴァング芸術大学で教鞭をとる河村は、演奏活動のみならず教育者としても活躍している。今後の活動に注目したい。

河村尚子プロフィール

河村尚子 (C)Marco Borggreve

河村尚子 (C)Marco Borggreve

兵庫県西宮市生まれ。1986年渡独後、ハノーファー国立音楽芸術大学在学中にヴィオッティ(ヴェルチェリ)、カサグランデ、ゲーザ・アンダなどヨーロッパの数々のコンクールで優勝・入賞を重ねる。2006年には権威ある難関ミュンヘン国際コンクール第2位受賞。翌年、多くの名ピアニストを輩出しているクララ・ハスキル国際コンクールにて優勝を飾り、大器を感じさせる新鋭として世界の注目を浴びる。

ドイツを拠点に、ヨーロッパ、ロシア、日本などで積極的にリサイタルを行う傍ら、ウィーン交響楽団、サンクトペテルブルグ・フィルハーモニー交響楽団、ロシア国立交響楽団、モスクワ・ヴィルトゥオーゾ、バーミンガム市交響楽団、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団、ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団などのソリストに迎えられている。

国際ピアノ・コンクールにおける若者たちの群像劇をリアルに描いた、作家・恩田陸の直木賞受賞小説を原作とした映画『蜜蜂と遠雷』(2019年10月公開)では主人公・栄伝亜夜のピアノ演奏を担当し話題をさらっている。文化庁芸術選奨文部科学大臣新人賞、新日鉄音楽賞 、出光音楽賞、日本ショパン協会賞、井植文化賞、ホテル・オークラ賞を受賞。

これまで、ウラディーミル・クライネフ、澤野京子、マウゴルジャータ・バートル・シュライバーの各氏に師事。現在、ドイツ・エッセンのフォルクヴァング芸術大学教授、東京音楽大学特任講師。

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