眞島秀和、大空ゆうひ、小島聖ら出演 ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロの代表作『日の名残り』を朗読劇として上演

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2020.7.30
『日の名残り』

『日の名残り』

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2020年9月30日(水)~10月4日(日)あうるすぽっとにて、朗読劇『日の名残り』を上演することが発表された。

原作となる『日の名残り』は、2017年ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロの代表作で、1989年刊行、英語圏最高の文学賞とされるブッカー賞を受賞した作品。カズオ・イシグロの世界は、平易な言葉、親しみやすい表現を使いつつ、人間の心の奥深い、複雑な本質を描き出すところに特徴があると言われており、特に本作品は全編にわたり、静謐な語り口で貫かれている。

カズオ・イシグロ 写真提供:早川書房 (C)Hiroshi Hayakawa

カズオ・イシグロ 写真提供:早川書房 (C)Hiroshi Hayakawa

本作は二つの大戦から戦後にかけてのイギリスを舞台に、貴族の屋敷ダーリントン・ホールに仕えた老執事スティーブンスの一人語りで物語は進む。品格ある執事の道を追求し続けたことで得られたもの、手からすり抜けたもの、現在と過去が交錯する中、次第にスティーブンスの“今”が見えていく。イギリスの物語だが、仕事を一途に生真面目に生きてきたからこその回顧、老境に差し掛かる不安など、現代の私たちの姿ときっと重なるだろう。

そんな本作に出演するのは、眞島秀和大空ゆうひ小島聖(Wキャスト)、マキノノゾミ桂やまとラサール石井(Wキャスト)。物語の主人公であるスティーブンス役を眞島、ミス・ケントン役を大空と小島がWキャストで、ダーリントン卿役をマキノ、ファラディほか十数役を桂、ラサールがWキャストで演じる。

眞島秀和

眞島秀和

大空ゆうひ

大空ゆうひ

小島 聖

小島 聖

マキノノゾミ

マキノノゾミ

ラサール石井

ラサール石井

桂 やまと

桂 やまと

一つの職業に実直に一生を捧げた人間の、プライドと悲哀、そして、人生を振り返った主人公が、 再度顔を上げて次の一歩を踏み出す人生の輝きを本作で描く。

【あらすじ】
物語は1956年の「現在」と1920年代から1930年代にかけての回想シーンを往復のなか進む。
第二次世界大戦が終わって数年が経った「現在」。執事であるスティーブンスは、新しい主人ファラディ氏の勧めで、イギリス西岸のクリーヴトンへと小旅行に出かける。前の主人ダーリントン卿の死後、ダーリントン・ホールをアメリカ人の富豪ファラディ氏が買い取った。屋敷では、 深刻なスタッフ不足を抱えていた。人手不足に悩むスティーブンスのもとに、かつてダーリントン・ホールで共に働いていたミセス・ベン(ミス・ケントン)から手紙が届く。その手紙には、 現在の悩みとともに、昔を懐かしむ言葉が書かれていた。ミセス・ベンに職場復帰してもらうことができれば、人手不足が解決する。そう考えたスティーブンスは、彼女に会うために、ファラディ氏の勧めに従い、 旅に出ることを思い立つ。しかしながら、彼には、胸に秘めた問題があった。彼女がミセス・ベンではなく、旧姓のミス・ケントンと呼ばれていた時代からのものだ。旅の道すがら、スティーブンスは、ダーリントン卿がまだ健在で、ミス・ケントンとともに屋敷を切り盛りしていた時代を思い出していた。
今は過去となってしまった時代、スティーブンスが心から敬愛する主人・ダーリントン卿は、ヨーロッパが再び第一次世界大戦のような惨禍を見ることがないように、戦後ヴェルサイユ条約の過酷な条件で経済的に混乱したドイツを救おうと、ドイツ政府とフランス政府・イギリス政府を宥和させるべく奔走していた。次第にダーリントン卿は、ナチス・ドイツによる対イギリス工作に巻き込まれていく。
再び1956年。車で旅し、ミセス・ベンと再会を済ませたスティーブンスは、不遇のうちに世を去ったかつての主人や失われつつある伝統に思いを馳せ涙を流すが、やがて前向きに現在の主人に仕えるべく決意を新たにする。


なお、本公演は東京公演のほか、兵庫、山形、岩手でも上演される。

公演情報

朗読劇『日の名残り』
 
原作:カズオ・イシグロ(早川書房刊)
訳:土屋政雄
上演台本・演出:村井 雄
出演:眞島秀和/大空ゆうひ・小島 聖(Wキャスト)/マキノノゾミ/桂 やまと・ラサール石井(Wキャスト)
 
<東京公演>
日程:2020年9月30日(水)~10月4日(日)  
会場:あうるすぽっと
前売開始 8月23日(日)
 
料金:全席指定(税込)4500円
U24:2,250円(24歳以下 限定数)※1 豊島区民割引:4,000円 ※2 障害者割引:3,500円 ※3
※1 入場時に学生証・年齢確認証要提示
※2 豊島区民割引(在住・在勤・在学)は前売のみ取扱/証明書要提示
※3 障害者割引は介助者1名まで同額/障害者手帳要提示
※未就学児のご入場はご遠慮ください
※車イスでご来場のお客様は事前にとしまセンターまでお問合せ・ご予約ください
 
前売取扱:としまセンター
電話:0570-056-777 窓口:としま区民センター 1階(電話10:00~17:00 窓口10:00~19:00/臨時休業あり)
WEB: https://www.owlspot.jp/ (24時間受付 電子モバパス利用可能)
お問合せ:あうるすぽっと 03-5391-0751 https://www.owlspot.jp/
 
■ツアースケジュール
<兵庫公演>
日程:2020年10月6日(火)
会場:兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
お問合せ:芸術文化センター
0798-68-0255 http://www1.gcenter-hyogo.jp
 
<山形公演>
日程:2020年10月9日(金)
会場:伝国の杜 置賜文化ホール
お問合せ:0238-26-2666  https://www.denkoku-no-mori.yonezawa.yamagata.jp/
 
<岩手公演>
日程:2020年10月11日(日)
会場:盛岡劇場 メインホール
お問合せ・予約:盛岡劇場 019-622-2258 https://www.mfca.jp/morigeki/
 
企画協力:早川書房
共催:石井光三オフィス
主催:あうるすぽっと(公益財団法人としま未来文化財団)/豊島区/東京芸術祭実行委員会
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会
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