舞台『スケリグ』が再演! 主演・浜中文一「まだ僕は芝居をしていいんだ」と想いを語る

2020.8.1
レポート
舞台

(左から)金子昇、浜中文一、瀬戸カトリーヌ、ウォーリー木下

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2020年7月31日(金)より東京・紀伊国屋サザンシアターTAKASHIMAYAにて、舞台『スケリグ』の初日の幕が上がった。

初日前日には同劇場にてゲネプロ(通し稽古)が公開され、終演後には主演の浜中文一金子昇瀬戸カトリーヌ、そして演出を務めたウォーリー木下が登壇し、取材会が行われた。

古い家に引っ越した少年マイケル(大東立樹)が、ガレージの片隅でボロ雑巾のような状態になっている「彼=スケリグ」(浜中)と出会う物語。

浜中文一

この舞台の再演が決まった時の気持ちを聴かれると、浜中は「年末に(再演の話を)聞いたんですが、(初演からあまり日が経ってないから)もう、すぐやん! って思いました」とニッコリ。だが「コロナ禍があって、正直どうなるかなあと思いながら今日ここまでこれたな」と微笑んだ。

金子昇

金子が「本当に嬉しくて楽しくて。出演中は文ちゃん(浜中)をはじめ、休憩時間もないくらいバタバタなんですが、一方で達成感も感じた」と語る。だが「コロナ禍の影響が出てからは(上演が)できないんじゃないか」と本音を吐露し、「最後まで駆け抜けられるか未知数。奇跡が起きて欲しい」と力を込めていた。

瀬戸カトリーヌ

瀬戸も上演できるか不安に思っていたが「(この日のゲネプロで)演者の息遣いを感じ、お客様と一緒に作る舞台ってすごいなって気持ちを細胞で感じた」と幸せをかみしめるようにコメントした。

ウォーリー木下

ウォーリーは「客席にこんなにお客さん(報道陣)がいるのが久しぶりで。ただの再演ではなく演劇だからこそできることを伝えられる再演になりそうな気がした。喜びもひとしおです」と胸中を口にしていた。

舞台上では、それぞれの本役とは別で何役も演じているのが本作の面白さのひとつ。金子は「僕で5役。文ちゃんは?」と話を振ると浜中は「7か8役かな?」と返す。続けて金子は「文ちゃんは、赤ちゃんの泣き声とかもやってるんですよ。舞台の後ろで文ちゃんが『うにゃあ、ふにゃあ』と泣いてて(笑)」と舞台裏を語ると、浜中も「僕、着替えながら『ふにゃあ』ってやってるんです」と笑いを誘った。

稽古期間中の話になり、再演メンバーはひととおり台詞が頭に入っていたそうだが「動きがね。これをやった後にこっちをやって、という動きを思い出すのが必死だった。今も必死」と言う金子に、瀬戸が「今日のゲネプロでもね」と予定外の動きをしていたと暴露し、金子が苦笑いする一幕も。
また「初日はZoomで本読みとミーティングをしたんですが、今回初めて参加するメンバーは大変だったんじゃないかな」「そして実際の稽古時間は(初演の)半分くらいだった」と大東ら初参加組を優しくフォローする浜中たちだった。

今回、舞台の様子は配信でも楽しめる。これについてウォーリーは「静かな部屋で没頭しながら観てほしいですね。お子さんも楽しめる内容なのでぜひ一緒に」とアピール。

ここで“スケリグ”とはいったい何だ? という質問に、浜中がウォーリーに答えを振ると「毎回違うものに見えるんだけど、今日は文ちゃんのおじいちゃんを見ている気分だった。おじいちゃんが亡くなってて空から見下ろしている感じ」とウォーリーが回答。すると浜中が「僕のおじいちゃん、昨日からLINEを始めて『仕事ご苦労さん』って今朝メッセージが来た。ていうか勝手に殺さないで(笑)」と突っ込んでいた。

浜中は「自粛明けの初仕事がこの舞台。嬉しかったなあ」と遠い目で語ると、その言葉に皆うんうんと頷く。そして「自粛期間に入る最後の舞台がここ、紀伊国屋サザンシアターTAKASHIMAYAでした。ここで中途半端で終わって僕の気持ちは消化不良なままでした、が、『スケリグ』でまたここでできることになって『まだ僕は芝居をしていいんだ』と感じました」と舞台役者としての素直な気持ちを言葉にしていた。

ゲネプロの模様

ゲネプロでは、キャストが皆口元だけを覆うマウスシールドを装着してそれぞれの役を演じていたが、付けていることを忘れるくらい馴染んでいた。また、役者同士の距離感を保つため、舞台セットの奥が初演より高さが出たものとなっているなど、細かい調整が行われていた。それでも作品が持つファンタジーの世界観、美しく奏でられる音楽の数々、キャストたちのハーモニーは初演と変わらず、むしろ濃密になっていたように感じられた。スケリグ役の浜中の安定感は期待以上。そして今回から参加した大東の透明感溢れるソプラノが心地よく会場に響きわたっていた。

取材・文=こむらさき
撮影=岡千里

公演情報

シーエイティプロデュース 舞台『スケリグ』
 
■東京公演 ※一部公演中止
会場:紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
日程:2020年7月27日(月)~8月16日(日)
 
■全国ツアー日程 ※各公演とも、開場は各公演とも開演の30分前/未就学児入場不可

◆亀山(三重)公演 ※上演中止
会場:亀山市文化会館 大ホール
日程:8月19日(水) 18:30開演
 
◆大阪公演                            
会場:松下IMPホール
日程:8月22日(土)13:00開演/17:30開演 8月23日(日)13:00開演
 
◆愛知公演                            
会場:刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール
日程:8月25日(火)18:30開演
 
◆上尾(埼玉)公演 ※上演中止
会場:上尾市文化センター
日程:8月27日(木)18:30開演
 
◆鴻巣(埼玉)公演 ※上演中止
会場:鴻巣市文化センター(クレアこうのす)
日程:8月29日(土)14:30開演
 
◆長野公演  ※上演中止                        
会場:長野市芸術館メインホール
日程:8月31日(月)18:30開演
 
◆野田(千葉)公演 ※上演中止
会場:野田市文化会館
日程:9月2日(水)18:00開演
 
◆広島公演  ※上演中止                          
会場:東広島芸術文化ホールくらら 大ホール
日程:9月5日(土)15:00開演
 
◆高知公演   ※上演中止                         
会場:高知県立県民文化ホール・オレンジホール
日程:9月8日(火)19:00開演
 
◆所沢(埼玉)公演
会場:所沢市民文化センターミューズ マーキーホール
日程:9月11日(金)18:30開演
 
◆焼津(静岡)公演 ※上演中止
会場:焼津市焼津文化会館
日程:9月13日(日)14:00開演
 
■作:デイヴィッド・アーモンド
■翻訳:浦辺千鶴
■演出:ウォーリー木下
■出演:浜中文一・大東立樹(ジャニーズJr.)
清水らら 奥村佳恵 工藤広夢・金子昇 瀬戸カトリーヌ
吉田能(演奏)
 
■企画・製作・主催:シーエイティプロデュース
■公式サイト:https://skellig.jp/

配信情報

舞台『スケリグ』配信
 
公演収録日:2020年7月31日(金)14:00
配信場所:スカパー! オンデマンド
 
販売期間:2020年7月29日(水)13:00~8月2日(日)13:59
配信期間:2020年7月31日(金)13:30~8月2日(日)13:59
※配信終了のお時間となりましたら、ご視聴の途中であっても、視聴ができなくなりますのでご注意ください
料金 :3,500円(税込)
 
スカパー! オンデマンド公式サイト https://vod.skyperfectv.co.jp/