主演・芳根京子らコメントが到着 ドキュメンタリードラマ『Akiko’s Piano』被爆したピアノが奏でるある女性の物語
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ドキュメンタリードラマ『Akiko s Piano 被爆したピアノが奏でる和音(おと)』
2020年8月15日(土)BSプレミアム・BS4Kにて放送予定のドキュメンタリードラマ『Akiko’s Piano 被爆したピアノが奏でる和音(おと)』が完成し、出演者・スタッフのコメントが到着した。
終戦75年を迎えた今年。ドキュメンタリードラマ『Akiko’s Piano 被爆したピアノが奏でる和音』は、広島に投下された原爆によって命を落とした、ある女性の物語に光をあてる。原爆の爆風を受け、傷つきながらも奇跡的に残ったピアノ。かつての持ち主は、河本明子さん19歳。どこにでもいるような、家族を愛し、音楽を愛した、ひとりの女性だった。本番組では、明子さんの在りし日の姿を、日記にもとづいてドキュメンタリーとドラマで描く。
ドラマ主演を務める芳根京子
明子さんが愛用していたピアノは、2005年、困難な修復を経てよみがえり、今年、広島交響楽団によるコンサートで、世界的作曲家・藤倉大が手掛けたピアノ協奏曲第4番《Akiko’s Piano》が世界初演を迎えた。ピアノ演奏は広島出身のピアニスト・萩原麻未、演奏には、実際に明子さんのピアノが用いられた。藤倉は、作曲にあたり普段暮らしているイギリスから来日し、明子さんのピアノの音を確かめ、また明子さんの日記を深く読み込んだという。番組では8月5日・6日に行われた演奏の様子も盛り込まれる。
ドラマ主演は、『べっぴんさん』以来のNHKドラマ出演となる芳根京子。ほか出演者には、田中哲司、真飛聖、町田啓太ら。1台のピアノが奏でる音が、歴史に埋もれた名もなき女性の物語を浮かび上がらせる。
ドキュメンタリードラマ『Akiko s Piano 被爆したピアノが奏でる和音(おと)』
ドキュメンタリードラマ『Akiko s Piano 被爆したピアノが奏でる和音(おと)』
◆ドラマあらすじ
ドキュメンタリードラマ『Akiko s Piano 被爆したピアノが奏でる和音(おと)』
昭和15年。広島県三滝町に暮らす河本明子(芳根京子)は、父・源源吉(田中哲司)、母・シヅ子(真飛聖)、そして弟2人と仲良く暮らしていた。明子のよろこびは、大好きなピアノを演奏すること。ある日、彼女の夢を応援してくれた教師の竹内(町田啓太)のもとにも、召集令状が届き…。戦況が悪化していくにつれ、徐々に音楽から引き離されていく明子の生活。「勉強がしたい」、「もっとピアノを弾きたい」。そんな思いをよそに、勤労奉仕に駆り出される。そして昭和20年8月6日の朝も、父の反対をおして、作業のために市の中心部へと向かっていったのだった。75年後の広島。被爆したピアノが、明子の思いを奏でる。
◆芳根京子インタビュー
芳根京子
――これまで「べっぴんさん」などでも、戦中戦後を生きた女性を演じられましたが、戦後75年たった今、当時を生きた女性を演じることの意義や、難しさについて、どう感じていらっしゃいますか?
私は東京出身なので原爆については身近に被害にあわれた方がいなかったのですが、この作品に参加して、知っていると知らないとではすごく違うなと改めて感じました。実際に経験した方がいらっしゃる出来事を演じる怖さというものは感じますが、どんどん知らない人が増えていくなかで、こうして作品に残せること、そしてこういう作品に参加させてもらえること は、自分の人生においてもすごくありがたいことだと思います。
――明子さんを演じて感じたことや、明子さんに共感した部分を教えてください。
今の時代は自由ですよね。いま新型コロナの影響で不自由になっていることを不愉快に感じるのは、今までがすごく自由だったから。当たり前の時間、当たり前の日々がどれだけ貴重なものかというのを、これまでも言葉にはしていたけれど、実感、体感したことがなかった。ピアノが弾きたい時に弾けないとか、トマトが食べたい時に食べられないとか、友達と遊びに行きたいのに行けないとか・・・すごく等身大 の19才の願いが叶わない時代だったというのは、演じていて胸が苦しくなりました。
――ドキュメンタリー部分では実際に広島の町も訪れますが、これまで広島を訪れた経験はありますか?
ほとんど訪れた事が無かったので、広島に行き、原爆ドームなどを一回見てからドラマの撮影にのぞみたいと思っていたのですが、新型コロナの影響で行けなくなってしまいました。そのまま撮影に入ることになってしまい、悔しかったです。ドキュメンタリー部分で実際に広島を訪れ、明子さんが居た場所を自分の足で回ったときに、どういう感情になるのか。明子さんの人生を一度演じただけですが、自分が体験したかのような気持ちでその場所に行けるのは貴重だなと思います。
――視聴者へのメッセージ をお願いします。
東京出身でいま23才の私には、言葉にするのが難しくてすごくもどかしいんですけれど、被爆したピアノの存在や、被爆して19才で亡くなった明子さんという女性の存在を、とにかく知って欲しいと思います。やはりわたしと同世代の人たちも引き継いでいかないといけない出来事ですし、この作品に参加させていただいたからこそ感じ取れている部分はあると思うので、言葉で説明するよりも作品を見て頂けたら全部伝わるのではと思っています。
◆出演者コメント
■田中哲司
田中哲司
雨に悩まされた、三日間の短い撮影でした。
日本人、又は一人の人間として、風化させてはいけない事実。大袈裟かも知れないですが、役者としての義務と言うか、自分の演技なんて知れたところではありますが、ちょっとした事にも気を抜かず、全力を持って挑まなければいけない作品だと思いました。
■真飛聖
真飛聖
毎日が、いつどうなるかわからない状況の中生きていくというのは、とてつもない緊張感や不安の日々だったことでしょう。でもそんな中、ピアノという夢中になれるものに出会えた明子さんは幸せだったのではないかなと思いました。
明子さんを演じた芳根さんは、とても真っ直ぐな瞳、そしてあの愛らしい笑顔を見た時、なんて心の綺麗な人なんとても真っ直ぐな瞳、そしてあの愛らしい笑顔を見た時、なんて心の綺麗な人なんだろうと、愛おしさが込み上げてきました。健気な姿も明子と重なりとても魅力的な女性だと思いました。
勿論、75年前に本当に起こった出来事なので楽しんで見てくださいという言い方は違うと思うのですが、事実だからこそ、その時代を懸命に生きた方達の真っ直ぐな想いを受け取っていただけたら嬉しく思います。河本家のキーワードは「トマト」です。
■町田啓太
町田啓太
実際に75年前にあった出来事で、僕はその時の事を、人から聞いたり資料でしか見たことはありませんが、今こうして命があるということや、人として命に対してどうあるべきなのか今の自分なりに改めて考えさせられました。僕自身、演じさせて頂くことで、そのきっかけをもらえて感謝しています。
芳根さんは芯があり周囲を明るく照らすようなエネルギーに溢れている方だなという印象を受けました。そんな芳根さんだからこそ明子役にピッタリで、きっとこの作品をご覧になる方々の心に深く残るのではと思います。明子さんとピアノ、そしてこの時代にあったことをみなさんと一緒に考えられると思いますし、一人でも多くの方とその時間を共有できることを願っています。
◆作曲家・藤倉大コメント
(C)Seiji Okumiya
この協奏曲を去年8ヶ月ほどかけて作曲しました。8ヶ月ほどずっと明子さんと一緒に生活していたような気分です。
この協奏曲の主なメッセージは Music for Peace Music for Peace です。
しかしながらそれを一作曲家として、明子の個人的な視点に集中して表現したいと思います。普遍的な主題を伝えるために微視的な視点から進めるのです。政治に何の力も持たない19歳の普通のアメリカで生まれた少女である明子の視点なのです。
これまでのあらゆる戦争、世界のあらゆる国でこの19歳の少女と似た話が起こっているはずです。
どの戦争も「明子」を作り出します。
これからこの作品がいろんな国で演奏されると良いなと思いますし、演奏されることにより、その国々で生まれてしまった「明子さん」を思い出し、全人類は2度とこの状況が起こらないように努める義務があります。まった「明子さん」を思い出し、全人類は2度とこの状況が起こらないように努める義務があります。
今回はこの作品の世界初演に加えて、明子さんをモデルにしたドキュメンタリードラマが作られると聞きました。
素晴らしいドラマになるに間違いないでしょう!僕も観るのが楽しみです。
放送情報
《脚 本 》 田中眞一
《出 演 》 芳根京子、田中哲司、真飛聖、町田啓太 ほか
《制作統括》樋口俊一(NHK)、坂部康二(NHKエンタープライズ)、山本喜彦(MMJ)