東山紀之がドラァグクイーン役に挑戦~感動の名作『チョコレートドーナツ』を宮本亞門演出で世界初舞台化
-
ポスト -
シェア - 送る
東山紀之
東山紀之主演、宮本亞門演出の舞台『チョコレートドーナツ』が、2020年12月にPARCO劇場にて上演される。本作は、ゲイの男性が育児放棄された障がいを持つ子供を育てたという実話に着想を得て製作された映画「チョコレートドーナツ(原題:ANY DAY NOW)」を世界で初めて舞台化するものだ。社会的マイノリティが直面する問題を告発しつつ、愛と自由を求める人間の本質を描いた映画は、全米映画祭が絶賛、観客賞を総ナメにし、日本でもロングランヒットした。
1979年のウェスト・ハリウッドが舞台。その中で東山が演じるのは、シンガーを夢見ながら、ショーパブの口パク・ダンサーとして日銭を稼ぐ、ドラァグクイーンのルディ。出口の見えない生活の中、ルディの人生は、運命の人ポール、隣室のダウン症のある少年マルコと出逢うことで変わっていく。映画ではトニー賞受賞俳優アラン・カミングが演じたこの主人公に、東山がその魅惑のダンス、唄、演技で挑む。
ルディと共に少年マルコを育てようと、世間と闘う地方検事ポールを演じるのが谷原章介。ゲイのカップルであるルディとポールが悩み、迷いつつ、手を組んで世の中に立ち向かっていく様を、初共演の東山と谷原がどのように演じていくかが見所の一つとなるだろう。
またダウン症のある少年マルコ役として、実際にダウン症のある高橋永と丹下開登がダブルキャストで出演、さらに高畑淳子、モロ師岡、堀部圭亮、八十田勇一らも共演する。翻案・脚本は谷賢一、訳詞は及川眠子が担当する。
70年代のアメリカのヒットナンバーを散りばめた華やかなショーシーンと、緊迫の法廷ドラマを織り交ぜつつ、愛と希望、未来を求めて、苦闘する人間の姿を感動的に謳い上げていくという本作は、PARCO劇場オープニング・シリーズにおいて上演され、その後、長野・仙台・大阪・愛知でも上演が予定されている。
演出の宮本亞門、出演の東山紀之、谷原章介のコメントを以下に紹介する。
演出:宮本亞門
この難役に東山さんが挑戦することに、心から敬意を表します。今までドラァグクイーン役は日本でも多くの男優が演じてきましたが生半可ではできません。特に今回のルディは、傷つき、ボロボロになっても真っ向から社会と戦う、愛情深い人間です。原作の映画でもアラン・カミング氏が壮絶な演技で観客の心を鷲掴みにしました。東山さんは、蜷川幸雄氏が演出した「さらばわが愛 覇王別姫」や「サド侯爵夫人」で女形や女性を演じられていますし、今回の生々しいドラァグクィーン・ルディをどう演じるか、演出家としてとても楽しみです。また、谷原さん演じるポールも作品を通して戸惑い変化していく難しい役です。東山さん、谷原さん、そしてダウン症のある少年マルコ役の高橋君、丹下君がみせる愛の姿、このコロナ禍で、本気で挑む舞台に是非ご期待ください。
宮本亞門
東山紀之
この作品は苦しい状況の中でも“愛”や“希望”の為に必死に立ち向かう人間の姿を描いています。
私が演じるルディは、感情の起伏が激しいけれど、愛情深い人物なので、とても難しい役柄だと感じています。
宮本亞門さんが表現する世界観を楽しみながら全身全霊で演じたいと思います。
ルディとして、谷原さん演じるポールとダウン症のある少年マルコ役の高橋くん、丹下くんを最後まで愛し抜きます。
ドラァグクイーンのショーシーンでは様々なダンスを披露しますし、名曲の歌唱シーンもありますので、どうぞ楽しみにしていて下さい。
東山紀之
谷原章介
「チョコレートドーナツ」甘いタイトルですが切なくて悲しくも温かい物語。劇場で映画を観て大好きになった作品でした。
今回、東山さんのドラァグクイーン姿、踊り、歌、そして何よりダウン症のある役者さん高橋さん丹下さんとお芝居できることが楽しみ。亞門さんの演出が優しくそして暖かく皆を包み込んでくれる事間違いなしです。深いテーマはそこにありますが、まずは難しい事抜きにして楽しんでいただきたいと思います!
谷原章介
公演情報
『チョコレートドーナツ』
2020年12月7日(月)~12月30日(水)PARCO劇場
他、地方公演:2021年1月~ 長野、仙台、大阪、愛知
■翻案・脚本:谷賢一 訳詞:及川眠子 演出:宮本亞門
■出演:
東山紀之
谷原章介
堀部圭亮 八十田勇一 大西多摩恵 下総源太朗
まりゑ エミ・エレオノーラ 矢野デイビット
高橋永/丹下開登(ダブルキャスト)
穴沢裕介 佐々木崇 高木勇次朗 シュート・チェン 米澤拓真
モロ師岡 高畑淳子
■問合せ:パルコステージ 03-3477-5858(時間短縮営業中)
■企画・製作:パルコ
■公式サイト:https://stage.parco.jp
■ストーリー
1979年、カリフォルニア。シンガーを夢見ながらもショーパブのダンサーとして生活の糧を得るルディ。正義を求めながらも、ゲイであることを隠して生きる地方検事のポール。母の愛情を受けずに育ったダウン症のある少年マルコ。街の片隅で三人は出会った。マルコの母親が薬物所持で逮捕されるのをきっかけに、“いとこ”同士と偽り、生活環境の整っているポールの家で共に暮らし始める。まるで本当の両親のように、二人はマルコを愛し、大切に育てた。三人で暮らし始めてしばらく経ったある日、ポールの上司に誘われたハロウィンパーティで、ポールとルディがゲイのカップルであることが周囲に知られてしまう。二人の関係を偽ったことが原因で、マルコは家庭局に連れて行かれ、ポールは仕事を解雇されてしまう。絶望する二人。しかし、「今こそ、法律で世界を変えるチャンス」というルディの言葉を聞き、ポールは正義で世界を変えたい、と法を学んでいた頃の情熱を取り戻す。そして、差別と偏見で奪われたマルコを取り戻すために裁判に挑むことを決心するが……。