大坂なおみ「たとえ小さなメッセージでも発信したい」 全米オープンテニス優勝を受け、特番&優勝までの激闘をWOWOWでリピート放送
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大坂なおみ
テニス・大坂なおみの2年ぶりの全米オープン女子シングルス優勝を記念して、WOWOWで記念特番『全米2度目の制覇! 世界が称賛する大坂なおみ 絶対女王への道のり』と、全米での戦い全試合が一挙リピート放送されることが決定した。
大坂は、2018年の全米初優勝から、今回の全米優勝でグランドスラム3度目の優勝を果たした。WOWOWの優勝記念特番では、今回の全米での激闘を、大坂本人や陣営のインタビューを織り交ぜ、WOWOWテニスアンバサダーの伊達公子氏らとともに振り返る。さらに、大坂が今後女子テニス界の“絶対女王”になるための道のりを探っていくという。
大坂が同大会ビクトリア・アザレンカとの決勝後に受けた独占インタビューと伊達氏のコメントは以下のとおり。
大坂なおみ
大坂なおみ
――今の気持ちは?
とてもハッピー。まだ現実とは思えないし、何が起こったか分からない状態だけど、トロフィーが膝に乗っているので優勝したんでしょうね。
――試合に関して。あなたは1セット目、普段通りではなかったように見えました。やはり凄い緊張でしたか?
とても緊張していて足が動かなかった。試合が進むにつれてやっと慣れていきました。
――1セット目を取られて、 自分に何と言い聞かせましたか?
もっと自分を追い込み、ポジティブな姿勢で行こうと言い聞かせました。彼女があのレベルを維持するなら彼女が勝っても仕方ない、と思いました。
――コロナの自粛時間、黒人差別のデモ参加、前哨戦のボイコット、太ももの怪我…色んなことを経ての優勝でした。このジャーニーを振り返ってどんな思いですか?
毎日が新しい挑戦でした。ものすごい出来事だったと思う。1週間くらい経てば振り返って色々話せると思うけど、今は終わった決勝のことしか考えられません。
――今回、テニスファンだけでなく、世界中の多くの人の心に感動を与えたと思います。 あなたの優勝は世の中にどんなインパクトを与えたと思いますか?
コートに立てばテニス選手として戦うだけですが、自分の置かれた立場を利用できるなら、たとえ小さなメッセージでも発信したいと思いました。
伊達公子
伊達公子氏
――2セット目序盤までのアザレンカ選手優勢の流れから、大坂選手が逆転できた要因は?
試合が終わって、勝ったからこそ「耐え続けられたこと」、「メンタルの強さ」が勝因と言えるのですが、第2セット0-2の第3ゲームを取ることができたのが1つのキーになったと思います。2セット目序盤までは、アザレンカ選手の調子が良すぎて、大坂選手が良いボールを打てていてもあまり効かず、何をして良いのか分からなくなった部分もあると思います。そのなかで、あのゲームでは(ラリー中)無理に行かず、ペースを落としたのが良かったのではないでしょうか。ギリギリの状況で切り替えられたのは、やはり勝ちたいという執念ではないかと思いますね。作戦的に変えたというよりは、とにかく何か道を作るために、しがみついたメンタルの強さが大きな要因ではないでしょうか。
――試合解説中、今までの2度のグランドスラム優勝と今回の優勝は意味合いが違うとおっしゃっていましたが、 どのような違いがありますか?
1回目の優勝の時は、グランドスラムに勝つという目標は持ちつつも、あまり現実味のない中で、勢いもあり勝ってしまったという感じでした。2回目も、その勢いがあっての優勝に見えました。しかしその後は、チャンピオンとしての重圧もあってなかなか勝てない時期もあり、苦しんだ時間もあったと思います。それを経て、今回は少しプレッシャーからも解放された中で、人間的な成長やチームの変更も加わって、静かな闘志を持ってもぎ取った優勝でした。大会期間中、計画的ではあるのですが、それを見せすぎず、右肩上がりに調子を上げて勝ち切ったというところが今までと全く違う優勝に見えました。
――すぐにクレーコートシーズンが始まりますが。
ハードコートでできたことが、クレーコートでできるかといえば、まだまだ課題は山積みだと思います。クレーコートでは、勢いで勝ち進めるほど甘くはないと思います。特に今回は短期間ですので、克服できるようなことがあればもちろんすごいことではありますが。チームや、彼女自身もそれをよく分かっていると思いますので、(今回の全米優勝で得た)良いところは自信に変えつつ、いったんリセットして臨むことが大切なのではないかと思います。
なお、全仏オープンテニスは新型コロナウイルスの影響で開催時期が変更となり、9月27日に開幕する。同大会もWOWOWで連日生中継される。