『モーツァルト/歌劇『フィガロの結婚』〜庭師は見た!〜』が待望の再演 井上道義(総監督・指揮)、野田秀樹(演出)のコメントが到着

2020.9.30
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2020年10月30日(金)、11月1日(日)東京芸術劇場コンサートホールにおいて、『モーツァルト/歌劇『フィガロの結婚』〜庭師は見た!〜』が上演される。2015年の音楽・演劇界を席巻した熱狂の舞台が、再び東京芸術劇場に戻ってくる。

1990年10月30日、東京芸術劇場は、東京都が都民のための音楽・演劇・歌劇・舞踊等の芸術文化の振興とその国際的交流を図るため、芸術文化施設として開館した。それから30年。開館30周年を迎えるその日に上演されるのが、当劇場の芸術監督・野田秀樹演出により2015年の初演時に大きな反響を得た、歌劇『フィガロの結婚』〜庭師は見た!〜 となる。

この作品は東京芸術劇場の音楽部門の大きな柱となっているシアターオペラ・シリーズの一環として井上道義総監督・指揮、野田秀樹演出により制作されたもの。時代設定を黒船が来航した当時の日本に置き換え、伯爵や伯爵夫人、ケルビーノは原曲通りイタリア語で歌い、フィガ郎(フィガロ)やスザ女(スザンナ)たちは日本人という設定のもと日本語で歌う…オペラの常識に縛られず自由な発想で演出された『フィガロの結婚』は、開幕と同時に観客に大きな衝撃を与え、幕が下りた瞬間、劇場は盛大な「ブラヴォー」で包まれた。また東京芸術劇場のほか、全国各地で14公演を行い、“日本で上演されたオペラのヌーヴェルバーグ”として話題を呼んだ。

2020年10月30日、オペラファンだけでなく、演劇ファンからも再演を熱望されていた、井上・野田版『フィガロの結婚』〜庭師は見た〜が、東京芸術劇場の30周年を華やかに飾る。初演時に好評を得たキャストに加えて、今まさに旬を迎える新キャストを得て、さらにパワーアップして待望の再演を果たす『フィガロの結婚』〜庭師は見た!〜に期待したい。

井上道義コメント[総監督・指揮]

井上道義 (C)Mieko Urisaka

野田秀樹さんにこのオペラを演出していただくことは僕の長年の夢だった。彼は、『マクベス』での経験からか「オペラは金輪際やらない!」と公言していたので本当に口説きは大変だった。その苦労のために俺は癌になったと言うのは全く悪い冗談だが・・・。

しかし 2015 年全国 14 公演は今思い出すにもチャレンジングな、生きていて良かった経験だった。彼の演出法がワークショップを繰り返し、そこからアイディアをまとめ上げる方法だと知らなかったが、自作台本を演出してきた作家とすれば、それ故、真に誰にも出来ない多角的なあの舞台が出来上がった。6 年経った!またやる!現場で何が起こるか聴いてくれ、見てくれ。今は今しか無いのだ。

野田秀樹コメント[演出]

野田秀樹

5 年前に全国 10 箇所を回ったこの「フィガロの結婚」は、熊本で千秋楽を迎えた。終演後、ライトアップされていた熊本城を見ながら、私は、このまま終わるには惜しいオペラだ、再演を熊本城に誓った。それから半年後、地震で熊本城の天守閣の瓦や石垣が崩れていく映像をいたたまれない気持ちで見た。今年、その天守閣が再び人々の前に姿を見せたそうだ。その時を同じくして、この「フィガロの結婚」が人々の前に、天守閣さながら姿を現すことができることに至福の喜びを感じる。私は、このコロナ禍で人の心と生活が、当たり前のように崩れている事を憂慮している。当たり前のように「マスク」をして、当たり前のように「新しい生活様式」などと口走っている。いつの日か、そんなことが「当たり前ではない」ということが「当たり前」になる暮らしに一刻も早く戻りたい。それは、ほとんどの人々が同じ思いだろう。劇場もまだまだ、本来の劇場の姿には程遠い。この「フィガロの結婚」が少しでも「当たり前」に戻っていく先駆けとなればと切に願う。その願いが、この「フィガロの結婚」の歌手たちの「肉声」にのって、演者たちの「肉体」に宿って、市松模様の客席に届くと信じている。私たちは、生の肉体を、肉声を、人々の前に届けてこそ、「舞台を生業なりわいとする者」と言える。それが私たちの「当たり前」なのである。

2020年川崎公演より ミューザ川崎シンフォニーホール (C)青柳聡

2020年川崎公演より ミューザ川崎シンフォニーホール (C)青柳聡

2020年川崎公演より ミューザ川崎シンフォニーホール (C)青柳聡

2020年川崎公演より ミューザ川崎シンフォニーホール (C)青柳聡

2020年川崎公演より ミューザ川崎シンフォニーホール (C)青柳聡

2020年川崎公演より ミューザ川崎シンフォニーホール (C)青柳聡

2020年川崎公演より ミューザ川崎シンフォニーホール (C)青柳聡

公演情報

東京芸術劇場30周年記念公演 東京芸術劇場シアターオペラvol.14
『モーツァルト/歌劇『フィガロの結婚』〜庭師は見た!〜』
 
【公演日】2020 年 10 月 30 日(金)18:30 開演/11 月 1 日(日)14:00 開演(予定)
【会場】東京芸術劇場コンサートホール
【料金(税込)】
S 席 14,000 円 A 席 10,000 円 B 席 8,000 円 C 席 6,000 円
D 席 4,000 円 E 席 2,000 円 (SS 席 16,000 円)
*高校生以下割引 1,000 円(枚数限定、要証明書、東京芸術劇場ボックスオフィスの
み取扱い)
*障害をお持ちの方は、割引料金でご鑑賞いただけます。詳しくは東京芸術劇場ボ
ックスオフィスまでお問い合わせ下さい(要事前予約)。
 
指揮・総監督:井上道義
演出:野田秀樹
 
【キャスト】
アルマヴィーヴァ伯爵:ヴィタリ・ユシュマノフ (変更前;ペーター・ボーディング)
伯爵夫人:ドルニオク綾乃 (変更前:アンナ・クライニコヴァ)
スザ女(スザンナ):小林沙羅
フィガ郎(フィガロ):大山大輔(変更前:寺田浩治[11/1])
ケルビーノ:村松稔之 (変更前;ミハウ・スワヴェツキ)
マルチェ里奈(マルチェリーナ):森山京子
バルト郎(バルトロ):三戸大久
走り男(バジリオ):黒田大介
狂っちゃ男(ドン・クルツィオ):三浦大喜
バルバ里奈(バルバリーナ):コロンえりか
庭師アントニ男(アントニオ):廣川三憲
花娘:藤井玲南、中川郁文
声楽アンサンブル:藤井玲南、中川郁文、増田 弓、新後閑 大介、平本英一、東 玄彦、他
演劇アンサンブル:上村聡、川原田樹、菊沢将憲、近藤彩香、佐々木富貴子、末富真由、
花島令、的場祐太
管弦楽:ザ・オペラ・バンド
合唱:ザ・オペラ・クワイア
 
【出演者変更のお知らせ】
招聘を予定しておりましたアルマヴィーヴァ伯爵:ペーター・ボーディング、アルマヴィーヴァ伯爵夫人:アンナ・クライニコヴァ、ケルビーノ:ミハウ・スワヴェツキ(カウンターテナー)は、政府による新型コロナウイルスの感染症に係る入国制限措置により来日の見通しが立たないことから、下記の通り出演者を変更し、実施することとなりました。
アルマヴィーヴァ伯爵:ペーター・ボーディング → ヴィタリ・ユシュマノフ
アルマヴィーヴァ伯爵夫人:アンナ・クライニコヴァ → ドルニオク綾乃
ケルビーノ:ミハウ・スワヴェツキ(カウンターテナー) → 村松稔之
 
この入国制限でスケジュール全体にわたる大幅な見直しが発生した影響により、11月1日の東京公演で、下記の出演者変更をいたします。
11月1日(日)東京公演
フィガ郎:寺田功治 → 大山大輔
 
【主催】公益財団法人東京都歴史文化財団 東京芸術劇場
 
●他都市公演
川崎 (公演終了)
【日程】9 月 19 日(土)15:00 開演(14:15 開場) 
【会場】ミューザ川崎シンフォニーホール
【料金】S 席 14,000 円 A 席 10,000 円 B 席 8,000 円 C 席 6,000 円 U25(小学生〜25 歳)各席半額 

北九州
【日程】10 月 18 日(日)14:00 開演
【会場】北九州芸術劇場 大ホール
【料金(全席指定)】S 席 13,000 円 A 席 8,000 円 B 席 4,500 円 高校生〔的〕 1,500 円 (枚数限定・劇場窓口にて前売のみ取扱・要学生証提示) ※未就学児入場不可
発売】発売中。
【お問合せ】北九州芸術劇場 TEL 093-562-2655(10:00〜18:00)
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