伊沢拓司率いるクイズノックからクイズを出題! 『古代エジプト展 天地創造の神話』公式チューター就任式&記者会見

2020.11.25
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『国立ベルリン・エジプト博物館所蔵 古代エジプト展 天地創造の神話』公式チューターを務めるQuizKnock・伊沢拓司

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東京・両国にある江戸東京博物館で11月21日に開幕した特別展『国立ベルリン・エジプト博物館所蔵 古代エジプト展 天地創造の神話』。世界有数のエジプトコレクションを誇るベルリン市内の博物館から貴重な名品約130点を展示している。

今回、本展の公式チューターに、クイズを題材とするWebメディア・Youtuber『QuizKnock(クイズノック)』のメンバーで、東大クイズ王としても知られる伊沢拓司、こうちゃん、林輝幸の3人が就任することになった。

公式ハンドブックや音声ガイドなどで古代エジプトの知識を分かりやすく伝えるほか、オリジナルコラボグッズの制作にも携わる。開幕を前にした19日、公式チューター就任式と記者会見が行われ、伊沢とこうちゃんが出席した。

伊沢拓司

ーー公式チューターとしての抱負を教えください。

伊沢拓司:まず我々『クイズノック』というのは、僕がCEOを務めている会社です。サービスとしては「楽しいから始まる学び」を伝えるのが我々の使命でございます。今回のエジプト展に関しても、楽しいから始まる学びの格好の題材なのかなと思います。我々の活動を通じて、エジプト神話についてより楽しく知っていただければなと思いますので、改めてよろしくお願いします!

こうちゃん:エジプト神話について知る機会はそもそもなかなかないと思うんですが、こういう展覧会が開催されて、我々も頑張って頑張って頑張ってクイズを作ったので、これを機にエジプト神話について詳しくなってくれたり、親しみを持ってくれたりしたら嬉しいです。

こうちゃん

ーー本展の一番の魅力や見どころは?

伊沢:一番を決めるのはなかなか難しいんですけど、強いて挙げるとしたら、今回の展示からうかがえる「ライブ感」。神話というと、どうしても遠い存在に思えてしまうし、エジプトの展覧会というと、ピラミッドやファラオなどが中心に形になってしまいがち。でも今回は神話に焦点を絞って、神々の像や、エジプトの神々を信仰する人が使っていたアイテムがたくさん展示されているので、エジプトの人たちが感じていた神話の世界を我々も追体験できるような気がします。ライブに神話のことを感じられるのは、今回の展覧会の魅力かなと思いますね。

こうちゃん:僕自身、学校の授業でエジプト人は死者の書を副葬するという話は聞いていたのですが、実物を見て、思いの外大きくて。日本初上陸のものも多いので、実物を見れたのは非常に楽しかったですし、実際のものに触れる学びはとても大きいものなんじゃないかなと思います。

伊沢:長さ4メートルもありますから。(※タレメチュエンバステトの《死者の書》)

こうちゃん:大きいなと思いますよ、実物を見ると!

小林淳一副館長(右)から公式チューターに任命された伊沢拓司

ーー音声ガイドの中で、クイズノックが作ったクイズが楽しめるそうですね。何か苦労された点やここは聞いて欲しいと言うところがあれば教えてください。

伊沢:これは苦労しましたよ。何が苦労したかって、こうちゃんが「それではさようなら」というのを3回ぐらいリテイクさせられていましたもんね(笑)。

こうちゃん:最後さらっと言って終わるところで、もう1回お願いしますと(笑)。

伊沢:9文字を3回やり直したからね。我々もほぼ初体験。どうやって伝えればこのトーン伝わるかなと、美術館で展示を見ていただく中で伝えていく難しさはめちゃめちゃ感じましたね。

こうちゃん:感じましたね。リベンジしたいぐらいです、もっとうまくできたんじゃないかなと。

伊沢:聞き所としてはこうちゃんが一番最後にいった「それではさようなら」ですね。

こうちゃん:違うでしょ!

伊沢:もちろんね、クイズは渾身のクイズですから。展示を見て、自分の中で能動的に考えさせられるというかね。1回自分で考えるターンが巡ってくるというのはめちゃくちゃいいことだと思うので、クイズを通してさらにエジプト神話の世界に引き込まれていけたらいいなと思います。

小林淳一副館長(右)から公式チューターに任命されたこうちゃん

ーーこの記者会見のためにクイズを用意していただいたそうで……!

伊沢:はい! では問題です。古代エジプトにおけるお葬式では、斧を象(かたど)った道具が非常に重要な役割を果たしました。何のために使われたでしょう?

1:ミイラから魂を切り離してあげるため
2:ミイラの口を開けてあげるため
3:ミイラの包帯を緩めてあげるため

クイズを読み上げる伊沢拓司(右)

ヒントを見るこうちゃん

伊沢:ヒントは「古代エジプト人は死後の世界でも今までと同じように暮らせることを重視していました」!あまりヒントになっていないかもしれませんが(笑)、どうでしょう? 

正解は...

公式チューターのこうちゃん、伊沢拓司、小林副館長(左から)

伊沢:正解は2番でした!「ミイラの口を開けてあげるため」です。

死後の世界のことをエジプト人はすごく強く信じていたので、死後の世界で食べ物を食べられなかったり、審判を受ける際に弁明ができなかったりすることを避けるため、口を開けてあげたと言われています。自分がこうやって生きてきましたよ、こんな罪をおかしていませんよというのを死後の世界で語れないといけないので、口を開けると言うことが非常に重要な儀式になっています。この辺りからも死後の世界への強い思いが伺えるんじゃないかなと思うところでございます。

伊沢拓司

ーークイズ作成にあたって、古代エジプトにおけるクイズは作りやすかったですか、難しかったですか。

伊沢:難しかった点で言うと、神話の体系がいくつかあるんですよ。今回はヘリオポリス神話をベースにしていますけど、別の神話体系があるので、なかなか事実確認が難しくて。専門家の先生とやりとりをしながら作っていったクイズなので。普段のクイズより大変でしたし、普段のクイズより厳密で重厚なものが作れたという自信はありました。

こうちゃん:そういう難しい点もあるんですけど、エジプト神話って、普通に聞いても面白い、笑えることが多くて。そう言った意味では、問題自体は親しみやすいものが作れたのではないかなと思います。

こうちゃん

ーーそもそもお二人は古代のエジプトの印象というのは?

伊沢:今回の展示で印象が変わったところがあって。どちらかというと、ファラオや太陽神の信仰など、神話体系がガチッとしているのかと思ったら、解釈が違ったりする。例えば、猫頭のバステト神も神話の体系によっては、ライオンの頭になったりして。神様の像すら全然違うんですね、同じ名前なのに。そのワイワイしている感じというか、当時信じていた人たちの息遣いが感じられるのは非常に面白いなと思いました。

こうちゃん:煌びやかなイメージがありました。ツタンカーメンとかを見ていると、庶民というよりは、上の層の人の話なのかなと思っていたところも正直あったんですけど、調べていくうちに人々が死というものに対してどう考えていて、どう神話に反映されているか。割と一般の人の話だなと思って。自分も印象が変わりましたね。

公式チューターの伊沢拓司(右)とこうちゃん

ーー最後に、本展は特にこういう人にオススメ! というのはありますか? また、受験生にとってはどういう部分を注目して欲しいかなどアドバイスがあれば。

伊沢:僕としては中学生ぐらいが一番いいかな。ガイドブック自体は小学生でも読めると思うんですけど、親近感を覚えて入っていけるのは、中学生で歴史とか楽しいなと思っている人。非常に示唆に飛んだ内容が書かれていると思います。例えば、キリスト教との比較という目線で見ても面白い。キリスト教は神が混沌と秩序を両方作りますが、エジプト神話だとまず混沌があって、そこから秩序が生まれていくという話で。そういう比較ができるようになっていくのが、中学生ぐらいだと思うので、中学生ぐらいの「ちょっと歴史とか興味あるな」という人に、ぜひ幅広く、奥深く、見ていただきたいなと思います。

こうちゃん:ガイドブックが小学生でも中学生でも分かるように書かれているので、ぜひ家族連れで楽しめる内容になっているんじゃないかなと。要は、たくさん来てほしいということです!

伊沢:高校世界史でやっている領域でいうと、アマルナ文化がターゲットになるのかなと思います。あとは、地図ですよね。テーベや、テル・アル=アマルナといった入試でも出てくる地名が出てくるので、ヘリオポリス神話が中心の展示ですが、その土地にも注目すると受験勉強としても役立つかなと思います。

こうちゃん:王朝の移り変わりですかね。メンフィスにいて、テーベ、テル・アル=アマルナに遷って、そこからアマルナ美術が発達して……という歴史の流れも、展示を見ながらだと非常に分かりやすいと思うので、ぜひ受験生の方も!

伊沢:でも本音を言うと、受験関係なく楽しい展示なんですよ。入試には出ない内容が圧倒的に多いですし、でもそこが面白いし、そこに注目しているというところが新しいので、ここに来た時は、我を忘れてみていただきたいなと思います。


文・撮影=五月女菜穂

イベント情報

国立ベルリン・エジプト博物館所蔵 古代エジプト展 天地創造の神話
会期:2020年11月21日(土)~2021年4月4日(日) 
会場:東京都江戸東京博物館(〒130-0015 東京都墨田区横網1-4-1)
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都江戸東京博物館、ベルリン国立博物館群エジプト博物館、朝日新聞社、日本テレビ放送網、東映
後援:ドイツ連邦共和国大使館
協力:ルフトハンザ カーゴ AG
協賛:野崎印刷紙業
公式サイト:https://egypt-ten2021.jp
お問い合わせ:03-3626-9974(東京都江戸東京博物館)
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