reGretGirl、涙の初大阪城音楽堂ワンマンでメジャーデビューを発表、新曲も披露し生配信でファンと喜びを分かち合う
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reGretGirl『忘れたくないワンマン2020〜いままでのこと、これからのはなし〜』2020.11.23(MON)大阪城音楽堂
大阪発の3ピースバンド、reGretGirlが11月23日(月・祝)、万全の新型コロナウイルス感染防止対策のうえ、有観客で『忘れたくないワンマン2020〜いままでのこと、これからのはなし〜』を開催した。今回は4月と7月のツーマンツアーが中止となった彼らにとって実に約9か月ぶりとなるワンマンライブで、しかも地元・大阪にある大阪城音楽堂での初ワンマンという、いやが上にも期待が高まるシチュエーション。当然
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大阪城公園の森に太陽が姿を隠す15:40、平部雅洋(Vo.Gt)の深いブレスの音が耳に届き、「テレフォン」のアカペラのサビから緊張感を持っていよいよライブはスタート。ピリッとした空気と曲の勢いはクラップと一体になり会場の温度を上昇させ、立て続ける「12月29日」と「Shunari」でさらに熱気を生み出す。今日はいつもの歓声はないが、それ故にしっかりと聴こえる、時にまくし立て時に吐き出すようなボーカルや、それを支えるドラムとベースが、コロナ対策でスタンディングを控えて着席している観客の体でさえも突き動かし、その手を掲げさせる。
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そんな出だしの様子に3人も少しホッとしたような表情になって、平部も「(生配信で)30万人ぐらい見てくれてると思うよ(笑)」と冗談まじりのMC。そして「みんな、明日のシフトは大丈夫?」と問い掛ければ、もちろん次は「インスタント」だ。パワフルなアクトで多くの手をアップダウンさせると、さらに「よわむし」の疾走感や「(L)ONLY」のラップで徐々に増す肌寒さを忘れさせる。すると平部から「立って見てくれていいとのことです(笑)」と報告があり、ファンは即総立ちに……というタイミングで投下するのは大サービスの新曲2連続!
まず11月24日(火)に配信した「pudding」が、耳なじみいいメロディに平部のスモーキーで甘い声をのせ失恋を描き駆け抜け、胸をギュッとつかむと、続き新曲ではギターとキーボードのサポートを加え、厚みあるバンドサウンドを味方にダンサブルな一面を見せ人々を揺らす。曲後には平部も「いい曲でしょ?(笑)」と手ごたえを感じているようだ。この新曲初披露を終えるとライブは中間地点。当初の緊張も解けて平部のトークもリラックスしたムードになり、コロナ禍で家にいることの長かった季節を振り返って「周りの人にニートじゃないかと思われてるか心配で……」とバンドマンあるあるも発表し、客席を和ませて後半戦へ突入する。
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折り返しはバラードの「おわりではじまり」から。サポートを入れた5人で織り成す音像はよりドラマチックかつセンチメンタルで、寂し気な晩秋の日暮れのなかで聴けば一層心に染み込む。そして3人体制に戻ると今度は「ブロッサム」で、ステイホームのまま過ぎ去ってしまった今年の春を取り戻し、もっとどっぷりとエモーショナルに「イズミフチュウ」、「黒鳥山公園」、「デイドリーム」のバラード3曲へ。ファンにとっては何度も聴いているに違いない楽曲だが、大きく波打つサウンドや感傷的なリフレイン、広がりあるメロディやウィスパーボイス、ロングトーンやかき鳴らされるギターなどで、今日もまた改めて聴く者をぐんぐん曲へと引き込み、気づけば誰もがステージを真っ直ぐに見つめている。
そんな会場の集中が最大になるなか、平部が口を開く。「いろんなことが今年はあったやん。僕も正直、立ち直れへんくらい落ち込んでしまう時期もありました。でも、それを乗り越えられたのはメンバー、スタッフ、ここに来てくれてるみんなに支えられたからやろなと改めて思います。こうやってみんなに救われて、助けられて……。だから次は僕が助けていきたい、救っていきたい。みんなの希望になりたくて今日を迎えました。僕が歌う絶望は気がつけば希望になってた。そんな大事な大事な曲をやろうと思います」と、次は代表曲「ホワイトアウト」。「今日はみんなの分も歌うから」(平部)と魂を込めて歌い奏でられる失恋ソングは観客を高揚させ、そこからつなげる「soak」のスピードと衝動でさらなる高みへと誘う。
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だが、ここで平部は「これからの話をしましょう」と切り出すと、「2021年、我々reGretGirlは1月27日(水)にメジャーデビューします!」と待望の大発表! 大きな拍手が巻き起こって、思わず「ほんまに泣きそうや。あかん!」と声を詰まらせる。また、「ある女の子にふられたのをキッカケに始めたのがこのバンドです。まさか、自分がメジャーデビューする未来があると思ってませんでした」とバンドの歴史を語り出せば、「あ~やばい!」とこらえ切れずにとうとう男泣き。マスクで見えないが、もらい泣きしているファンも多いに違いない。そして、「reGretGirlには、頑張れよとか、みんなならできるよとか、背中を押してあげられるような曲はないんですけど、無理すんなよと、泣きたい時は泣けよと言うことならできます。最後の曲、決して幸せな曲じゃないけど、これは僕からみんなに贈る、僕たちがいるよという僕たちなりの応援ソングです」(平部)という言葉を添え、ラストに「スプリング」をチョイス。彼らの人柄を感じさせる温かなバラードは、いつも以上にやさしく力強く響き渡って会場を包み、客席では拳も突き上がる。そんなメンバーとファンが一つになってバンドの門出を祝う貴重な瞬間を記憶に焼きつけ、ライブは感動が渦巻くなか無事ゴールにたどり着いた。
そして、今宵のアンコールは生配信終了後、来場者だけのお楽しみ。再登場した3人は「俺、さっきまで泣いてたと思えへんくらいテンション高ない?」(平部)、「情緒不安定?(笑)」(十九川宗裕・Ba)と話すように、生配信のプレッシャーから解放され笑いも多め。加えて、「ついにラブソングを書きました」(平部)、「失恋やない(曲)ってことやね」(十九川)、「(失恋以外の曲も)書けるんだからね(笑)」(平部)と、ここに来てなおも新曲をお披露目する大盤振る舞い。
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その新曲で、再びサポートメンバーを招き5人でプレイされ、緩急のきいたロックバラードならではのスケール感がオーディエンスを圧倒。前田将司(Dr)の熱のこもったドラミングも耳に残る。するとMCで、「ワンマンライブで恒例にしてることがあって……。みんな(前田)将司の声、聞きたくない?」(平部)と前田が駆り出され、本日初のMCに参加。しかし、「ありがと~、ありがと~」とマイペースに言葉数極少で切り抜け、平部は「将司の声が聞けたらいいことが起きるってジンクスできへんかな?(笑)」のオチ。アットホームなひと時となるが、残る時間はわずか。平部の「忘れられないように忘れられないように、刻みつけるように刻みつけるように、一緒に形にしましょう」という呼び掛けから、「ピアス」と「replay」で最終攻撃へ。暗くなった会場できらめくライトが浮かび上がらせる3人の渾身のパフォーマンスが、曲の切なさとパワーと彼らの揺るぎない想いを確かにファンに伝え切って、ついに大団円。余熱と幸福感、そして平部の「愛してるぜ。また会おう!」の約束と投げキスを置き土産に、記念すべきreGretGirlの初大阪城音楽堂ワンマンは大成功のうちに幕を閉じた。
取材・文=服田昌子 撮影=宇都宮勝
ライブ情報
リリース情報
■品番:初回限定盤 COCP-41383〜4134 /通常盤 COCP-41385
■価格:初回限定盤 ¥3,400+tax / 通常盤 ¥2,800+tax
■収録内容は後日発表
Official WEB Site: http://regretgirl.com
Official Twitter:https://twitter.com/rgg_official