中村勘九郎、中村七之助、尾上松也ら出演 コクーン歌舞伎第十七弾『夏祭浪花鑑』の上演が決定
2021年5月6日(木)~5月30日(日)Bunkamuraシアターコクーンにて、渋谷・コクーン歌舞伎第十七弾『夏祭浪花鑑』の上演が決定した。
コクーン歌舞伎とは、1994年に十八世中村勘三郎(当時・勘九郎)と演出家・串田和美(当時・シアターコクーン芸術監督)が強力なタッグを組み幕を開けた歌舞伎公演。“古典歌舞伎の新たな読み直し”、“新しい解釈による演出”という色合いが一層顕著になると、歌舞伎の名作を“コクーン歌舞伎バージョン”として上演するスタイルが定着していき、 歌舞伎史だけにとどまらず、演劇史上にその名を刻んできた。
これまでのコクーン歌舞伎では、約740席の劇場空間において、客席を花道に見立てた臨場感のある演出、間近で味わう俳優たちの熱演が繰り広げられてきた。2014年の第十四弾では、人気作『三人吉三』でコクーン歌舞伎20周年の記念すべき年に華を添え、16年の第十五弾では、コクーン歌舞伎の第一弾作品として新たな可能性を見出し、たびたび好評を博してきた『四谷怪談』を新演出で上演、連日満員の公演となった。18年の第十六弾は、名作『与話情浮名横櫛』を『切られの与三』と題し、普段は上演されないすべての場面を洗い出して再構築するというコクーン歌舞伎ならではの手法で大きな話題を呼んだ。
第十七弾となる本作の『夏祭浪花鑑』は、並木千柳・三好松洛・竹田小出雲らの合作により、延亭二年(1745)に大坂道頓堀の竹本座で人形浄瑠璃として初演された。当時は人形浄瑠璃の最盛期にあたり、後世に残る数々の名作が生まれ、中でも、大坂の風土や季節感が色濃く反映されている本作は、人々の人気を集め、初演の翌月には歌舞伎として上演され、以来、歌舞伎・文楽の双方でたびたび演じられてきた。
恩ある主人を守るべく奮闘する男だての心意気や、夫のために自己犠牲を厭わない女房の姿など、義理人情がふんだんに盛り込まれた物語。また、全身に鮮やかな彫物をした主人公の団七が、祭囃子にのって様々な見得を見せる「長町裏」は、歌舞伎随一の様式美溢れる場面として見どころとなっている。
浪花の市井の人々を描いた本作は、コクーン歌舞伎で過去1996年、2003年、2008年に上演している人気演目。また、アメリカやヨーロッパでも上演されるなど、時代、文化を問わず愛されてきた。そして今年5月、世界を席巻した伝説の舞台が13年の時を経て、新たなる道へ走り出す。
注目の出演者は、中村勘九郎、中村七之助、尾上松也、中村虎之介、中村長三郎、中村鶴松、笹野高史、片岡亀蔵という、清新なメンバー。
中村勘九郎
中村七之助
尾上松也
中村虎之介
中村長三郎
中村鶴松
笹野高史
片岡亀蔵
豪華出演者陣と演出・美術を務める串田和美に手によって、どんな公演になるのか、期待が高まるばかりだ。