心浮き立つ春の歌舞伎座『四月大歌舞伎』上演作品・主な配役が発表 昼夜にわたり世代を超えた豪華な顔合わせが実現

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2026.1.31
歌舞伎座『四月大歌舞伎』

歌舞伎座『四月大歌舞伎』

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2026年4月2日(木)に初日を迎える、歌舞伎座『四月大歌舞伎』の昼夜を彩る、上演作品と主な配役が発表された。

昼の部は、華やかな舞踊『廓三番叟(くるわさんばそう)』で幕開き。荘厳な能の「翁」を基にした祝祭的な歌舞伎舞踊『寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)』の形式や詞章を踏まえながら、舞台を華やかな廓の情景に置き換えて洒落た雰囲気が漂う舞踊。中村梅玉、中村魁春、中村東蔵、中村福助、中村芝翫らの出演で、高砂屋、加賀屋、成駒屋の一門が顔を揃えて幕開きを飾る。

中村梅玉

中村梅玉

中村魁春

中村魁春

中村東蔵

中村東蔵

中村福助

中村福助

中村芝翫

中村芝翫

そして、手に汗握るスリリングな展開で見どころ満載の通し狂言『裏表先代萩(うらおもてせんだいはぎ)』を上演。江戸時代、仙台藩で実際に起きた伊達家のお家騒動を題材として、歌舞伎でも多くの作品が創作され、中でも時代物の大作『伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)』は数多の名優たちにより洗練された舞台が創り上げられた人気作。お家転覆を謀る大悪人・仁木弾正や自らの子を犠牲にしても忠義を尽くす乳人政岡が活躍する『伽羅先代萩』の名場面を「表」、欲のために主人を手に掛ける世話物らしい小悪党・下男小助の物語を「裏」として、「表」と「裏」の物語が交互に展開。三世尾上菊五郎が初演した下男小助の役は、その孫にあたる五世菊五郎が自身の襲名披露をはじめとして度々手掛け、音羽屋ゆかりの作品に。今回は父・七代目菊五郎が2018年4月歌舞伎座で手掛けて以来となる菊五郎家ゆかりの本作を、2025年に大名跡を襲名し、各地での襲名披露興行が大きな賑わいを見せる八代目尾上菊五郎が初めて取り組む。八代目菊五郎は、下男小助・乳人政岡・仁木弾正の三役を勤める。さらに歌舞伎座『猿若祭二月大歌舞伎』に引き続き、中村勘九郎、中村七之助が八代目菊五郎と競演。憎々しい女方の八汐と腹黒い医師・大場道益を坂東彌十郎が演じる他、世代を超えた充実の配役でおくる。

八代目尾上菊五郎

八代目尾上菊五郎

坂東彌十郎

坂東彌十郎

夜の部は、時代物の名作『本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)』から。戦国時代の川中島合戦における武田・上杉両家の争いを主軸に、ミステリー要素がふんだんに盛り込まれて展開。「十種香」と通称される人気の場面で、舞台上で実際にお香が焚かれ客席に甘い香りが漂う中を、八重垣姫が勝頼への恋心を募らせていく。今回の上演では、2024年6月歌舞伎座で五代目を襲名し、女方のさらなる高みへと邁進を続ける中村時蔵が初めて八重垣姫を演じる。時蔵はこれまで『祇園祭礼信仰記』の雪姫、『鎌倉三代記』の時姫を演じており、今回の八重垣姫で女方の大役とされる“三姫”をすべて演じることになる。中村七之助が腰元濡衣、中村芝翫が長尾謙信、そして時蔵の父・中村萬壽が花作り蓑作実は武田勝頼を演じる充実の共演。

中村時蔵

中村時蔵

中村萬壽

中村萬壽

続いて、歌舞伎舞踊の大曲『連獅子(れんじし)』。手獅子を携えた二人の狂言師が獅子の親子の厳しくも温かい情愛を踊って見せる前半から、獅子の精が勇壮かつ華麗な毛振りを披露する後半まで見どころに溢れる。今回は、2024年に尾上右近自主公演『研の會』で共演し好評を博した尾上右近と尾上眞秀の二人が、狂言師右近後に親獅子の精、狂言師左近後に仔獅子の精を歌舞伎座で初めて勤める。

尾上右近

尾上右近

尾上眞秀

尾上眞秀

そして夜の部の打ち出しは、十八世中村勘三郎が歌舞伎として初演した傑作喜劇『浮かれ心中(うかれしんじゅう)』。ユーモラスでありながら人間の業を浮き彫りにする劇的な物語を生み出し続けた作家・井上ひさしが、1972年の第67回直木賞を受賞した初期の代表作『手鎖心中』。江戸文化の百花繚乱を極めた蔦屋重三郎や、綺羅星の如き才能の戯作者たちが競い合って絵草紙を創り上げた庶民文化の爛熟期を舞台に、材木問屋の若旦那が次々と馬鹿馬鹿しい騒ぎを巻き起こす。人を笑わせることが大好きで、絵草紙の戯作者として話題を作り有名になりたいと願う若旦那の栄次郎。幕府を批判して手鎖を受けたことで注目を集めて喜び浮かれると、遂には吉原の傾城帚木を巻き込んで茶番の心中劇を企てるが…。1997年8月に十八世勘三郎(当時 五代目勘九郎)が歌舞伎として初演すると忽ち大評判となり、その後、再演を重ねた大人気作。父・勘三郎から受け継いだ中村勘九郎は、2016年4月明治座で初めて手掛け、2022年7月大阪松竹座で再演。今回、満を持して歌舞伎座での初上演となり、歌舞伎座の空間で宙乗りならぬ、“ちゅう乗り”相勤め申し候。中村七之助が前回の大阪松竹座に引き続き三浦屋帚木を演じ、栄次郎と夫婦になる長屋の娘おすずを勘九郎初演の明治座で好評を博した八代目尾上菊五郎が演じる美しい女方で競演も。桜の季節にふさわしい傑作喜劇に期待しよう。

中村勘九郎

中村勘九郎

中村七之助

中村七之助

心浮き立つ春の歌舞伎座は、昼夜にわたり世代を超えた豪華顔合わせで見どころ満載でおくる。

公演情報

『四月大歌舞伎』
 
■日程:2026年4月2日(木)~27日(月)[休演]10日(金)、20日(月)
■会場:歌舞伎座
 
■演目:
昼の部(午前11時開演) 
 
一、廓三番叟(くるわさんばそう)

大尽:中村梅玉
傾城:中村福助
大尽:中村芝翫
太鼓持:中村橋之助
同:中村福之助
同:中村歌之助
新造:中村莟玉
同:中村玉太郎
手代:中村松江
亭主:中村東蔵
傾城:中村魁春
 

通し狂言
梅照葉錦伊達織

二、裏表先代萩(うらおもてせんだいはぎ)
序幕    花水橋の場
二幕目 大場道益宅の場
三幕目 足利家御殿の場
同   床下の場
大詰  問注所小助対決の場
    控所仁木刃傷の場

下男小助/乳人政岡/仁木弾正:八代目尾上菊五郎
倉橋弥十郎/細川勝元:中村勘九郎
下女お竹:中村七之助
沖の井:中村時蔵
足利頼兼:中村歌昇
荒獅子男之助:中村萬太郎
渡辺民部:尾上右近
絹川谷蔵:中村種之助
山中鹿之助:中村歌之助
横井角左衛門:坂東彦三郎
渡辺外記左衛門:河原崎権十郎
栄御前:市村萬次郎
大場道益/八汐:坂東彌十郎
 
 
夜の部(午後4時30分開演)

一、本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)
十種香

息女八重垣姫:中村時蔵
腰元濡衣:中村七之助
原小文治:中村歌昇
白須賀六郎:中村萬太郎
長尾謙信:中村芝翫
花作り簑作実は武田勝頼:中村萬壽
 
 
河竹黙阿弥 作
二、連獅子(れんじし)
 
狂言師右近後に親獅子の精:尾上右近
狂言師左近後に仔獅子の精:尾上眞秀
浄土の僧遍念:中村歌之助
法華の僧蓮念:中村福之助
 
 
井上ひさし 作「手鎖心中」より
小幡欣治 脚本・演出
大場正昭 演出

三、浮かれ心中(うかれしんじゅう)
中村勘九郎ちゅう乗り相勤め申し候

栄次郎:中村勘九郎
三浦屋帚木:中村七之助
おすず:
八代目尾上菊五郎
大工清六:中村橋之助
栄次郎妹お琴:中村玉太郎
佐野準之助:片岡市蔵
伊勢屋太右衛門:市村萬次郎
太助:中村芝翫
 
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