マリーンズ選手のプレーがすぐそこに! グラウンドから続く人工芝シート「ホームランラグーン」に行ってみた
-
ポスト -
シェア - 送る
今年もプロ野球が開幕し、ひいきのチームのプレーに一喜一憂している野球ファンも多いことだろう。かくいう筆者もその1人。「久しぶりに観戦を満喫しよう!」 ……ということで、今回は千葉ロッテマリーンズのホームグラウンド、ZOZOマリンスタジアムにやってきた。
この日に行われていたのはオリックス・バファローズ戦。「ホームランラグーン」というボックス席の
ZOZOマリンスタジアムへのアクセスは、JR京葉線の海浜幕張駅が便利だ。直行バス(約6分)もあるが、徒歩でも15分ほどで着くので、巣ごもりでなまった身体を引き締めるべく、散歩がてらに歩くことにした。駅を出ると、目の前にマーくん・リーンちゃんのオブジェが出迎えてくれて、観戦気分が一気に高まる。
海浜幕張駅前にはマリーンズのオブジェが。マーくん(右)とリーンちゃん(左)が出迎えてくれる
海風を浴びながら歩いていると、球場前には唐揚げ、ウインナー、カレーライス、焼きそばなどなど、さまざまな屋台が並んでいた。美味しそうな匂いを放ち、これまた気分が盛り上がってくる。
球場に向かう歩道橋は潮風が吹き、散歩にはうってつけ
球場の外周には屋台が並ぶ。その前には休憩スペースとして、テーブルとベンチが並べてあった
グッズショップを物色しているうちに集合時間となったので、仲間と合流することに。「ホームランラグーン」は4席1組の
4人が集合。ホームランラグーンボックス席のチケットを持って球場内へ!
入場ゲートを通ってレフト側の外野席へ出ると、目の前には広々としたグラウンドが広がった。ホームランラグーンがあるのは外野席の最前列。抜群の眺望に期待が高まる。
レフト側外野席からグラウンドを眺める。「ホームランラグーン」は、スタンドの前のグラウンド部分に設置されている
さて、今回
専用の階段を下りると、そこはまさにグラウンドレベル! 外野フェンス沿いに敷かれたアンツーカー(赤褐色の土・人工芝)部分を改装して作られた席で、グラウンドとはフェンスを挟んだだけで、本当に地続きなのだ。外野から続く人工芝に足を踏み入れると、まるでグラウンドに降りてきたような気分になって、早くも興奮が止まりません。
ホームランラグーンはグラウンドと地続き。茶色いフロアは外野グラウンドと同じ人工芝
注目のボックスシートには、カップホルダー付きのテーブルをはさんで、ベンチシートが配置されていた。座面と背もたれにはクッションがあり、これが長時間の野球観戦ではかなり効いてくる。実際、試合終了まで観戦を続けたが、お尻が痛くなることはなかった。
さらに、テーブルの下に網棚があるのもありがたい。野球観戦では荷物の置き場に困ることもしばしば。膝の上に置けばじゃまくさいし、足元におけば通行の邪魔になる。イスの下に潜り込ませると、後ろの席の人が飲み物をこぼしてしまい、荷物がびしょぬれになったこともあった。
ちなみに、テーブルは台形になっており、それに合わせてベンチはハの字型に設置されている。これは、手前に座った人が、奥に座った人の視線を妨げないための工夫だろう。
シートと背もたれはクッションがきいており、長時間の観戦も楽々。テーブル下の網棚も嬉しい
シートの座り心地を確かめていると、気が付けばバファローズの先発・田嶋大樹投手が、目の前でキャッチボールを始めていた。ズバッとミットを貫く、力強い音が聞こえてくる。弧を描くのではなく、捕手のミットめがけて一直線に進むボールの軌道は、さすがプロと唸らずにはいられない。
さらに、試合前にはマスコットのリーンちゃんが、我々に向かって手を振ってくれた。千葉子、マー子の女性陣は、その愛らしさに「かわいい!」と声を上げると、思わずスマートフォンで記念撮影。試合前のこんなサービスも楽しいものだ。
試合前にはリーンちゃんが目の前までやってきて手を振ってサービス
さて、こうしてグラウンドを間近に見て、「ホームランラグーン」と名の付いたシートに座ると、ぜひともホームランボールをゲットしたくなってきた。というか……、近くに座っていた子どもたちはグローブ持参で駆けつけており、どうやらホームランを取る気満々の様子だ。これは負けていられない(大人げない)。
目の前には荻野選手が! グラウンドレベルの席だけにその臨場感は抜群
そうこうしているうちに、いよいよプレイボールとなり、1回の表バファローズの攻撃が始まった。目の前にはマリーンズの左翼手、荻野貴司選手が守っている。その距離、わずか数メートル。その肩越しにマウンドやバッターボックスを見ていると、なんだか自分も外野を一緒に守っているような気分になってくる。
やがて、マリーンズの先発、小島和哉投手がバファローズ打線を無失点に抑えると、今度は目の前にバファローズの左翼・吉田正尚選手が姿を現した。その体躯のたくましさに、女性陣からは「すごい…」とのため息が。あの身体があってこそ、力強いスイングができるのだろう。こうして次々とプロの凄さを再認識できるのは、今までの野球観戦にはない体験だ。
その後、試合はマリーンズのリードで中盤戦へ。球場前の屋台にやられたお腹が、そろそろ限界になってきた。横を見ると、ロッ太もビールを飲みたそうな顔をしている。ここは彼に、スタジアムグルメの偵察を頼むとしよう。
間もなく、ロッ太から次々とメニューの写真が送られてきた。それを見ながら、「へえ~、こんなものもあるんだ!」「これも美味しそう!」などと盛り上がる3人。こんな作戦(?)が使えるのは、仲間と観戦に来ているからこそだ。
球場内にはたくさんの売店が軒を連ねる
「選手の台所」では、マリーンズの選手がプロデュースしたグルメが味わえる
結局、がっつり食べたい派のロッ太は、内野3塁側フロア2にある「選手の台所」へ。二木康太投手がプロデュースした「二木の唐揚げチャーハン」をゲットしてきた。
一方で、「ヘルメット型のカップがかわいい」と話していた千葉子は、石川歩投手プロデュース「五右衛門ヤンニャムチキン」をチョイス。マー子は同じく内野3塁側フロア2にある「千葉つくたべキッチン」で、千葉産の食材で作った「自家製芋豚カレー」を買ってきた。
なるほど、なかなか悪くないチョイスだ。しかし、ZOZOマリンスタジアムといえば、やはり名物の「もつ煮」が外せないだろう。ここでは、各お店が工夫を凝らした「もつ煮」を提供しているが、今回は千葉産の食材を駆使する「千葉つくたべキッチン」の「芋豚もつ煮」をセレクト。いつもなら、これでビールをグイッとやるところだが……。春先のナイターということで、この日は少々気温が低め。ホットワインを手に、「ホームランラグーン」へと戻ることにした。
ホットワインで乾杯すると、皆が思い思いに食事をはじめた。ここで嬉しいのは、やはりテーブルがあること。普通のシートだと料理を左手に持ちながら、右手でビールを飲むという絵面になるが、ここではそんな芸当は必要ない。レストランの席に着いたような気分で、ゆっくりと食事を楽しめばいいのだ。
ボックス席にはテーブルがあるので、ゆったりと食事ができるのがありがたい
「五右衛門ヤンニャムチキンは、ころもがサクサク!甘辛な味付けだけどちょっと濃い目なのでお酒にもよく合う。美味しい!」(千葉子)
「カレーはじゃがいものが大きくて食べ応えがあります!」(マー子)
「チャーハンは味がしっかりしているし、唐揚げはジューシー! 両方が楽しめるのがいいと思う」(ロッ太)
うん、こうやって食事で盛り上がりながら、試合を観戦するのもなかなか楽しい。ちなみに、「芋豚もつ煮」は味がしっかりしており、やはりお酒との相性がばっちり。もつは柔らかくて美味いし、煮卵が丸々1つ入っているので、見た目以上に食べ応えがあった。
石川歩投手プロデュース五右衛門ヤンニャムチキン
自家製芋豚カレー
二木康太投手プロデュース二木の唐揚げチャーハン
芋豚もつ煮
食事が終わって、お腹も満たされた頃には、試合は終盤戦に突入していた。3回裏にはマリーンズのマーティン選手が、ライト側のラグーンに3ランホームランを叩き込んでいる。「次こそは、レフト方向にホームランが飛んで来い」と思いながら試合を見ていると、6回表に頓宮裕真選手が放った打球がすぐそこに! 惜しくもホームランボールを手にすることはできなかったが、間近にホームランボールが飛び込んできた様子に、思わず4人とも大興奮してしまった。
その後も、あわや抜けるかというフェンス際の大飛球を、背走からのジャンプでキャッチした吉田選手のファインプレーを間近に見るなど、プロの凄さを思う存分に満喫できた。この日の試合は3対3の引き分けで終了。最後に、同行していた千葉子、ロッ太、マー子の3人にも話を聞いてみると……。
「ボールの落下地点を選手目線で見えるので、『あのボールを良くキャッチできたなぁ!』なんて感動してしまいました。ボールの行方を確認するのが楽しくなる席ですね」(千葉子)
「テーブルがあるからか、野球を見ながらみんなでワイワイ会話が弾みましたね。荻野選手のしまったお尻も、たっぷり堪能できました。飲みたい人には4人席が最高です」(マー子)
「最初はグラウンドが近くて『危ないかな?』と思いましたけど、フェンスが目の前にあるので、フライが飛んでくる内野席の上段より安全かもしれません。人工芝がフカフカで気持ちいいし、ボックス席なら子供が周りの迷惑になりにくいのがいいですね。ホームランボールが飛び込んできた時には、近くにいた子供が大はしゃぎしていましたよ!」(ロッ太)
座り心地のよいシートに座り、テーブルをゆっくりと食事を楽しみ、プロの大迫力のプレーに一喜一憂する。これは、野球ファンならぜひ一度体験しておくべきシートだろう。
(文:竹内鞠男@H14)