マリーンズ選手のプレーがすぐそこに! グラウンドから続く人工芝シート「ホームランラグーン」に行ってみた

2021.4.15
レポート
スポーツ

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今年もプロ野球が開幕し、ひいきのチームのプレーに一喜一憂している野球ファンも多いことだろう。かくいう筆者もその1人。「久しぶりに観戦を満喫しよう!」 ……ということで、今回は千葉ロッテマリーンズのホームグラウンド、ZOZOマリンスタジアムにやってきた。

この日に行われていたのはオリックス・バファローズ戦。「ホームランラグーン」というボックス席のをゲットしたので、球場前で仲間と待ち合わせることにする。

ZOZOマリンスタジアムへのアクセスは、JR京葉線の海浜幕張駅が便利だ。直行バス(約6分)もあるが、徒歩でも15分ほどで着くので、巣ごもりでなまった身体を引き締めるべく、散歩がてらに歩くことにした。駅を出ると、目の前にマーくん・リーンちゃんのオブジェが出迎えてくれて、観戦気分が一気に高まる。

海浜幕張駅前にはマリーンズのオブジェが。マーくん(右)とリーンちゃん(左)が出迎えてくれる

海風を浴びながら歩いていると、球場前には唐揚げ、ウインナー、カレーライス、焼きそばなどなど、さまざまな屋台が並んでいた。美味しそうな匂いを放ち、これまた気分が盛り上がってくる。

球場に向かう歩道橋は潮風が吹き、散歩にはうってつけ

球場の外周には屋台が並ぶ。その前には休憩スペースとして、テーブルとベンチが並べてあった

グッズショップを物色しているうちに集合時間となったので、仲間と合流することに。「ホームランラグーン」は4席1組のなので、今回は3人の仲間を募った。仮に千葉子、ロッ太、マー子としておこう。こうして4人が集まり、いざ、球場内へ。

4人が集合。ホームランラグーンボックス席のチケットを持って球場内へ!

入場ゲートを通ってレフト側の外野席へ出ると、目の前には広々としたグラウンドが広がった。ホームランラグーンがあるのは外野席の最前列。抜群の眺望に期待が高まる。

レフト側外野席からグラウンドを眺める。「ホームランラグーン」は、スタンドの前のグラウンド部分に設置されている

さて、今回を手に入れた「ホームランラグーン」だが、このシートは外野側のグラウンドをフェンスで仕切ったような場所にある。「グラウンド目線で野球観戦ができる!」と人気を呼んでおり、前々から一度はこの席で観戦したいと思っていた。

専用の階段を下りると、そこはまさにグラウンドレベル! 外野フェンス沿いに敷かれたアンツーカー(赤褐色の土・人工芝)部分を改装して作られた席で、グラウンドとはフェンスを挟んだだけで、本当に地続きなのだ。外野から続く人工芝に足を踏み入れると、まるでグラウンドに降りてきたような気分になって、早くも興奮が止まりません。

ホームランラグーンはグラウンドと地続き。茶色いフロアは外野グラウンドと同じ人工芝

注目のボックスシートには、カップホルダー付きのテーブルをはさんで、ベンチシートが配置されていた。座面と背もたれにはクッションがあり、これが長時間の野球観戦ではかなり効いてくる。実際、試合終了まで観戦を続けたが、お尻が痛くなることはなかった。

さらに、テーブルの下に網棚があるのもありがたい。野球観戦では荷物の置き場に困ることもしばしば。膝の上に置けばじゃまくさいし、足元におけば通行の邪魔になる。イスの下に潜り込ませると、後ろの席の人が飲み物をこぼしてしまい、荷物がびしょぬれになったこともあった。

ちなみに、テーブルは台形になっており、それに合わせてベンチはハの字型に設置されている。これは、手前に座った人が、奥に座った人の視線を妨げないための工夫だろう。

シートと背もたれはクッションがきいており、長時間の観戦も楽々。テーブル下の網棚も嬉しい

シートの座り心地を確かめていると、気が付けばバファローズの先発・田嶋大樹投手が、目の前でキャッチボールを始めていた。ズバッとミットを貫く、力強い音が聞こえてくる。弧を描くのではなく、捕手のミットめがけて一直線に進むボールの軌道は、さすがプロと唸らずにはいられない。

さらに、試合前にはマスコットのリーンちゃんが、我々に向かって手を振ってくれた。千葉子、マー子の女性陣は、その愛らしさに「かわいい!」と声を上げると、思わずスマートフォンで記念撮影。試合前のこんなサービスも楽しいものだ。

試合前にはリーンちゃんが目の前までやってきて手を振ってサービス

さて、こうしてグラウンドを間近に見て、「ホームランラグーン」と名の付いたシートに座ると、ぜひともホームランボールをゲットしたくなってきた。というか……、近くに座っていた子どもたちはグローブ持参で駆けつけており、どうやらホームランを取る気満々の様子だ。これは負けていられない(大人げない)。

目の前には荻野選手が! グラウンドレベルの席だけにその臨場感は抜群

そうこうしているうちに、いよいよプレイボールとなり、1回の表バファローズの攻撃が始まった。目の前にはマリーンズの左翼手、荻野貴司選手が守っている。その距離、わずか数メートル。その肩越しにマウンドやバッターボックスを見ていると、なんだか自分も外野を一緒に守っているような気分になってくる。

やがて、マリーンズの先発、小島和哉投手がバファローズ打線を無失点に抑えると、今度は目の前にバファローズの左翼・吉田正尚選手が姿を現した。その体躯のたくましさに、女性陣からは「すごい…」とのため息が。あの身体があってこそ、力強いスイングができるのだろう。こうして次々とプロの凄さを再認識できるのは、今までの野球観戦にはない体験だ。

その後、試合はマリーンズのリードで中盤戦へ。球場前の屋台にやられたお腹が、そろそろ限界になってきた。横を見ると、ロッ太もビールを飲みたそうな顔をしている。ここは彼に、スタジアムグルメの偵察を頼むとしよう。

間もなく、ロッ太から次々とメニューの写真が送られてきた。それを見ながら、「へえ~、こんなものもあるんだ!」「これも美味しそう!」などと盛り上がる3人。こんな作戦(?)が使えるのは、仲間と観戦に来ているからこそだ。

球場内にはたくさんの売店が軒を連ねる

「選手の台所」では、マリーンズの選手がプロデュースしたグルメが味わえる

結局、がっつり食べたい派のロッ太は、内野3塁側フロア2にある「選手の台所」へ。二木康太投手がプロデュースした「二木の唐揚げチャーハン」をゲットしてきた。

一方で、「ヘルメット型のカップがかわいい」と話していた千葉子は、石川歩投手プロデュース「五右衛門ヤンニャムチキン」をチョイス。マー子は同じく内野3塁側フロア2にある「千葉つくたべキッチン」で、千葉産の食材で作った「自家製芋豚カレー」を買ってきた。

なるほど、なかなか悪くないチョイスだ。しかし、ZOZOマリンスタジアムといえば、やはり名物の「もつ煮」が外せないだろう。ここでは、各お店が工夫を凝らした「もつ煮」を提供しているが、今回は千葉産の食材を駆使する「千葉つくたべキッチン」の「芋豚もつ煮」をセレクト。いつもなら、これでビールをグイッとやるところだが……。春先のナイターということで、この日は少々気温が低め。ホットワインを手に、「ホームランラグーン」へと戻ることにした。

ホットワインで乾杯すると、皆が思い思いに食事をはじめた。ここで嬉しいのは、やはりテーブルがあること。普通のシートだと料理を左手に持ちながら、右手でビールを飲むという絵面になるが、ここではそんな芸当は必要ない。レストランの席に着いたような気分で、ゆっくりと食事を楽しめばいいのだ。

ボックス席にはテーブルがあるので、ゆったりと食事ができるのがありがたい

「五右衛門ヤンニャムチキンは、ころもがサクサク!甘辛な味付けだけどちょっと濃い目なのでお酒にもよく合う。美味しい!」(千葉子)
「カレーはじゃがいものが大きくて食べ応えがあります!」(マー子)
「チャーハンは味がしっかりしているし、唐揚げはジューシー! 両方が楽しめるのがいいと思う」(ロッ太)

うん、こうやって食事で盛り上がりながら、試合を観戦するのもなかなか楽しい。ちなみに、「芋豚もつ煮」は味がしっかりしており、やはりお酒との相性がばっちり。もつは柔らかくて美味いし、煮卵が丸々1つ入っているので、見た目以上に食べ応えがあった。

石川歩投手プロデュース五右衛門ヤンニャムチキン

自家製芋豚カレー

二木康太投手プロデュース二木の唐揚げチャーハン

芋豚もつ煮

食事が終わって、お腹も満たされた頃には、試合は終盤戦に突入していた。3回裏にはマリーンズのマーティン選手が、ライト側のラグーンに3ランホームランを叩き込んでいる。「次こそは、レフト方向にホームランが飛んで来い」と思いながら試合を見ていると、6回表に頓宮裕真選手が放った打球がすぐそこに! 惜しくもホームランボールを手にすることはできなかったが、間近にホームランボールが飛び込んできた様子に、思わず4人とも大興奮してしまった。

その後も、あわや抜けるかというフェンス際の大飛球を、背走からのジャンプでキャッチした吉田選手のファインプレーを間近に見るなど、プロの凄さを思う存分に満喫できた。この日の試合は3対3の引き分けで終了。最後に、同行していた千葉子、ロッ太、マー子の3人にも話を聞いてみると……。

「ボールの落下地点を選手目線で見えるので、『あのボールを良くキャッチできたなぁ!』なんて感動してしまいました。ボールの行方を確認するのが楽しくなる席ですね」(千葉子)

「テーブルがあるからか、野球を見ながらみんなでワイワイ会話が弾みましたね。荻野選手のしまったお尻も、たっぷり堪能できました。飲みたい人には4人席が最高です」(マー子)

「最初はグラウンドが近くて『危ないかな?』と思いましたけど、フェンスが目の前にあるので、フライが飛んでくる内野席の上段より安全かもしれません。人工芝がフカフカで気持ちいいし、ボックス席なら子供が周りの迷惑になりにくいのがいいですね。ホームランボールが飛び込んできた時には、近くにいた子供が大はしゃぎしていましたよ!」(ロッ太)

座り心地のよいシートに座り、テーブルをゆっくりと食事を楽しみ、プロの大迫力のプレーに一喜一憂する。これは、野球ファンならぜひ一度体験しておくべきシートだろう。

(文:竹内鞠男@H14)

イベント情報

千葉ロッテマリーンズ主催試合

※ホームランラグーン1名席、6名席は千葉ロッテマリーンズ「M オンライン」にてお買い求めください。