スヌーピーミュージアム、新企画展『スポーツは人生のともだち』がスタート スヌーピーたちが賑やかにスポーツに興じる
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企画展 展示風景 (C) Peanuts Worldwide LLC
東京・南町田グランベリーパーク内にあるスヌーピーミュージアムで、2021年7月17日(土)から2022年1月10日(月・祝)まで、新しい企画展『スポーツは人生のともだち』が開催されている。
スヌーピーミュージアム外観。サーフィンに興じるスヌーピーの姿が。こちらは企画展で見ることができる。 (C) Peanuts Worldwide LLC
スヌーピーミュージアムでは、いつ訪れても鑑賞することができる常設展と、半年ごとにテーマを変えて展示物を入れ替える企画展を開催。常設展では、スヌーピーの生みの親であるチャールズ・シュルツに関連することや、スヌーピーたちの登場するコミック『ピーナッツ』の歴史などを、映像や複製原画で知ることができる。また「スヌーピー・ルーム」で出会える全長約8メートルの巨大スヌーピーは圧巻。見たことのないスケールに驚くだろう。
常設展「スヌーピー・ルーム」 の巨大スヌーピーは必見(オフィシャル提供)(C) Peanuts Worldwide LLC
企画展は、アメリカにあるシュルツ美術館が所蔵する原画を借用し構成。今回のテーマは「スポーツ」で、「野球」「ゴルフ」「アイススケート」「アイスホッケー」「バスケットボール」「テニス」「その他」「スポーツマン、スパイク」という8つのテーマに分かれ、約45点の貴重な原画を展示。スヌーピーやピーナッツ・ギャングたち(スヌーピーや、『ピーナッツ』に登場するキャラクターたちのこと)が賑やかにスポーツに興じるさまを堪能できる。
企画展 会場風景 (C) Peanuts Worldwide LLC
企画展 会場風景。かわいくも洗練された会場デザインも見どころの一つ。 (C) Peanuts Worldwide LLC
スヌーピーたちの果敢なチャレンジ
何度も失敗する姿に励まされる
作者のチャールズ・シュルツはスポーツをこよなく愛した。野球やゴルフを好み、妻のジーン・シュルツ夫人が好きだったというテニスをプレイし、アイスホッケーのトーナメントも主催している。恐らく運動神経も良かったのだろうと想像する。
「テニス」のコーナー。 (C) Peanuts Worldwide LLC
テニスのシーンがあしらわれた「ピーナッツ」のTシャツを着るシュルツ夫妻。(オフィシャル提供)(C) Alyce Sheehan. Courtesy of the Charles M. Schulz Museum and Research Center
一方でスヌーピーたちのスポーツは、失敗や敗北で終わることが多い。しかし何度でも果敢にチャレンジするさまはユーモラスで、見ているこちらも楽しい気持ちになる。
泥んこになってもへっちゃらなペパーミント・パティと、そうでもなさそうなスヌーピーの姿が。(C) Peanuts Worldwide LLC
シュルツは「スポーツで乗り越えなければならない壁は、日々の暮らしのなかでわたしたちの前に立ちはだかる壁のとてもよいカリカチュアになる」と語る。きっと彼は、スポーツに挑戦し続けるスヌーピーたちを描くことで、スポーツのみならず、読者の人生そのものを励ましていたのだろう。
バスケットボールにチャレンジするが…… 。(C) Peanuts Worldwide LLC
最初で最後となった“大人”が描かれた作品も展示
野球やゴルフを通じて描かれる『ピーナッツ』の世界
『ピーナッツ』はおよそ18000話が描かれたそうで、そのうち1800話程度に野球が登場する。つまりコミック全体の1割程度が野球の話なのだ。これはシュルツ自身の人生においても、スポーツが非常に大きなウェイトを占めていたことを示しているように思う。
スヌーピーたちは、野球の試合では40対0で大負けするなどしているが、ドジを踏んでしょんぼりしている姿もキュートだ。
「野球」のコーナーにて。失敗する姿も愛らしい。 (C) Peanuts Worldwide LLC
『ピーナッツ』の世界では大人の姿がほとんどない。例えば学校の先生も声だけで表現されている。しかしながら、初期のゴルフの話で大人が一度足元だけ描かれたことがある。シュルツは後にこれを失敗だったと考え、二度と大人を登場させることはなかったそうだ。
その大人が一度だけ出てきたというゴルフの話が、今回展示されている。大人の巨大な足の間で、小さなルーシーとチャーリー・ブラウンが戸惑っているという斬新な構図を見ることができる。
「ゴルフ」のコーナーにて、貴重な大人たちの描写が。 (C) Peanuts Worldwide LLC
スケート場の設立や、スヌーピーの兄・スパイクの存在
スポーツから垣間見える作者の姿
シュルツは全米有数の寒冷地であるミネソタ州の生まれで、『ピーナッツ』の世界にはウィンタースポーツが多く登場する。後のシュルツの引っ越し先、カリフォルニアは氷が張る環境ではなかったため、シュルツはスケート場をつくり、地元の人に開放したという。本コーナーでは、スヌーピーたちがお腹でスケートしている絵を見られるので、そのユーモラスでかわいい姿を存分に味わってほしい。
「アイススケート」のコーナーにて。 お腹でスケートをするスヌーピーたちの姿が。(C) Peanuts Worldwide LLC
展示の最後には、スヌーピーの兄・スパイクが登場する。彼は砂漠で生活し、サボテンを話し相手とするさすらい人だ。シュルツは一人っ子だったという。人間以外の何かに話しかけ、相手が返事をしているように振舞うスパイクは、シュルツの子供時代の一人遊びの経験が反映されている可能性がありそうだ。
展示最後にスパイクが登場。 (C) Peanuts Worldwide LLC
ミュージアムショップや隣接するカフェにも新商品が登場
かわいさあふれるアイテムの数々に大興奮
ミュージアム一階のショップ「BROWN'S STORE(ブラウンズストア)」にも新しいアイテムが登場。2021年は、スヌーピーが大学生に変装したキャラクター、ジョー・クールのコミック初登場50周年になり、記念となるジョー・クールデザインのアイテムが登場する。クッションや靴下、ミニタオルなどは、サングラスできめたジョー・クールがシックな色調でデザインされている。フライングディスクはカラフルで、晴れた日に広い公園で遊びたくなる。
ジョー・クールのグッズ。どれも購入したくなる。 (C) Peanuts Worldwide LLC
盤面にスヌーピーとウッドストックが、石には『ピーナッツ』の仲間たちが描かれたオセロも登場。ウッドストックを思わせる黄色がカラフルで、思わず息を呑む愛らしさだ。
スヌーピーたちのオセロ。圧倒的なかわいらしさ。 (C) Peanuts Worldwide LLC
ミュージアム内で行われるワークショップも、ジョー・クール関連の企画が予定されていて見逃せない。
2021年8月5日(木)から9日(月)まで開催される「PEANUTSのルートートを作ろう(ジョー・クール)」は、キャンバス素材のトートバッグに、ジョー・クールのデザインを含む好きなオーナメントを3つ選んでオリジナルトートにするもの。オーナメントはミュージアム限定なので人と被る心配も少ないし、自分でレイアウトを決められるので愛着もひとしおだ。
ワークショップで作れるトート。ジョー・クールを選ぶと、かっこいい要素が入る。 (C) Peanuts Worldwide LLC
ワークショップを見守るチャーリー・ブラウン。 (C) Peanuts Worldwide LLC
ミュージアムに隣接する「PEANUTS Cafe スヌーピーミュージアム」にも新メニューが登場する。
「PEANUTS Cafe スヌーピーミュージアム」店内。赤い屋根のドッグハウスの中で食事ができる。(オフィシャル提供)(C) Peanuts Worldwide LLC
本企画展のコラボメニューは「チャーリー・ブラウンのピッチャーマウンドハンバーグ」、「スヌーピーのロングボードサーフピザトースト」、「KLOP! ベースボールマリトッツォ」だ。いずれもスポーツがモチーフになっており、ハンバーグは上のチーズにチャーリー・ブラウンのトレードマークのジグザグ模様が描かれ、ピザトーストはスヌーピーのボードのように長くてインパクト満点など、工夫が凝らされている。これらの新メニューをおしゃれなカフェで味わえば、テンションが上がることまちがいなしだ。
チャーリー・ブラウンのピッチャーマウンドハンバーグ。(オフィシャル提供) (C) Peanuts Worldwide LLC
スヌーピーのロングボードサーフピザトースト。(オフィシャル提供)(C) Peanuts Worldwide LLC
スポーツはシュルツが好んだテーマであり、コミックでスポーツが題材になっている話はことさらに躍動感と明るさにあふれている。本展は約半年間開催されているため、秋や冬にも鑑賞可能だ。スヌーピーやピーナッツ・ギャングたちがかわいく奮闘する姿を堪能でき、スポーツや人生の楽しさについて味わえる『スポーツは人生のともだち』、是非お見逃しなく。
文・写真=中野昭子、写真(一部)=オフィシャル提供
施設情報
会期 :2021年7月17日(土)~2022年1月10日(月・祝)
時間 :10:00~18:00(入場は17:30まで)
休館日:8月17日・1月1日
スヌーピーミュージアム
所在地 :東京都町田市鶴間3-1-1
開館時間:10:00~18:00(最終入場は17:30)
休館日 :1月1日、その他年2日
アクセス:東急田園都市線・南町田グランベリーパーク駅より徒歩4分
電話番号:042-812-2723