【見どころコラム到着!】初代タイガーマスク40周年で女性版タイガーマスク「タイガー・クイーン」がデビュー! ストロングスタイルプロレス7・29
1981年4月23日、日本中に大旋風を巻き起こした初代タイガーマスクのデビューからちょうど40年。節目となる2021年、ストロングスタイルプロレスは「初代タイガーマスク40周年記念」の大会を開催しているが、第2弾となる7・29東京・後楽園ホール大会で、女性版タイガーマスクがデビューする。
初代タイガーこと佐山サトル命名によるリングネームは、タイガー・クイーン。自身も数々の激闘をおこなってきたプロレスの聖地・後楽園ホールで自身が手がけたタイガーが(しかも女性版として)デビューするという歴史的大会には、タイガー・クイーンの試合を含め全6試合がラインナップされている。クイーンをメインイベントに、レジェンド王者スーパー・タイガーと弟弟子・間下隼人による同門タッグ対決、また、船木誠勝の指名による竹田誠志との初遭遇など、みどころ満載。本欄では、ストロングスタイルプロレス7・29後楽園の注目ポイントを探ってみたい。
<第1試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
スーパー・ライダー(ストロングスタイルプロレス)&宮本裕向(666)vs伊藤崇文(パンクラスism)&TORU(TTTプロレスリング)
初代タイガーマスクデビュー40周年記念第2弾は、スーパー・ライダー&宮本裕向組vs伊藤崇文&TORU組のタッグマッチで幕を開ける。この試合でもっとも注目なのが、デスマッチファイターのトップとして闘っている宮本の参戦だろう。
過激なデスマッチで名を馳せる宮本だが、意外にも、かつてはこのリングで2006年におこなわれた掣圏真陰流のトーナメントで優勝した経歴を持つ。その宮本がプロレスラーとしてストロングスタイルプロレスに事実上の初参戦。当時からさらに実績を積み上げての登場となるだけに、初代タイガーマスクのリングでどんな闘いを見せるのか期待がかかる。
タッグを組むのはストロングスタイルのスーパー・ライダーだ。ライダーは体調不良によるブランクこそあるものの、昨年12月に復帰してからは連続参戦を継続。大会の流れを決めかねないオープニングマッチでストロングスタイルの門番的役割をこなす立場を再び築いているといっていい。
対するは伊藤&TORU組。パンクラスismの伊藤はかねてからストロングスタイル参戦を熱望しており、昨年11・9神田明神における船木誠勝とのタッグで初参戦。以来、準レギュラー的ポジションを確立しつつある。TTTのTORUは6・19「第1回サポーターズマッチ」で初参戦し、その闘いぶりが認められた。よって今大会で本戦に昇格。新しい人材の発掘が目的の大会で認められた第1号だけに、その闘いぶりに注目したい。
<第2試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
ケンドー・カシン(はぐれIGFインターナショナル)&将軍岡本(第5代UWAアジアパシフィックヘビー級王者/VOODOO-MURDERS)
vs高岩竜一(フリー)&田中稔(GLEAT)
第2試合はケンドー・カシン&将軍岡本組vs高岩竜一&田中稔組。新日本ジュニアの歴史を彩ってきた3人に岡本が加わるという、ある意味異色のカードで、メインになってもおかしくはない好カードでもある。
参戦のたびに何かしら仕掛けてくるカシンは、3・3後楽園におけるメインのシングルで船木誠勝を破る大きな実績を作ってみせた。レギュラー的存在の高岩は3・3後楽園で、それまで圧勝を続けてきた間下隼人に敗れUWAアジアパシフィックヘビー級王座獲得を逃してしまった。が、現王者は4・22後楽園で間下を破った岡本。となれば、この試合を機に再びベルト取りに乗り出してもおかしくないだろう。
高岩と組む田中はGLEAT所属となり、本戦には4・22からの連続参戦となる。その大会では大谷晋二郎&高岩組vsカシン&田中組がおこなわれ、今大会は新日本ジュニアを思い出させる組み合わせに岡本が加わりどんな化学反応が起こるのかがみどころとなりそうだ。王者・岡本が主役になれば…。
<第3試合 スペシャルタッグマッチ 30分1本勝負>
ジャガー横田(ワールド女子プロレス ディアナ)&優宇(フリー)vs青木いつ希(ショーンキャプチャー)&マドレーヌ(ワールド女子プロレス ディアナ)
第3試合は女子タッグマッチ、ジャガー横田&優宇組vs青木いつ希&マドレーヌ組だ。
ストロングスタイル女子のアドバイザーとなり、今大会でデビューするタイガー・クイーンのコーチも務める女子プロのリビングレジェンド、ジャガー。もちろんプレーヤーとしても第一戦で闘っており、ストロングスタイルプロレスには昨年12・17後楽園から5大会連続の参戦となる。
ジャガーと組むのは優宇。女子の範疇を超えるようなパワーファイターで、ストロングスタイルプロレスには昨年6・26無観客試合以来2度目の参戦。今回は有観客となるため、生で観たら忘れないようなド迫力のファイトを見せてくれることだろう。
ジャガー&優宇組と対戦するのは青木いつ希&マドレーヌ組。日高郁人の秘蔵っ子である青木は3・3後楽園で初参戦を果たし、元気のいいファイトが目を引いた。通算3回目で本戦は2度目の参戦。ファン、関係者からも認められるためにも重要な一戦となることは間違いない。
パートナーのマドレーヌはジャガーが所属するディアナの選手で、今回が初参戦。活きのいいファイトに期待したい。そのためにも元気のある青木は絶好のパートナーになるだろう。そしてこの試合から、近い将来、タイガー・クイーンのライバルになるような選手が現われるのか。パートナーや対戦相手の立場にかかわらず、まずはジャガーのお眼鏡にかなうことが必要か。
<第4試合 タッグマッチ 60分1本勝負>
スーパー・タイガー(ストロングスタイルプロレス)&阿部史典(プロレスリンBASARA)
vs河野真幸(フリー)&間下隼人(ストロングスタイルプロレス)
ストロングスタイルプロレスの歴史を考えれば、今大会でもっとも大事なカードがこの第4試合ではないか。スーパー・タイガー&阿部史典組vs河野真幸&間下隼人組。ストロングスタイルプロレス生え抜きのスーパーと間下がタッグながら激突。しかもこのカードは間下の直訴から実現した。
悲願のシングル王座UWAアジアパシフィックヘビー級のベルトを獲得した間下だが、予想外の短命で政権から陥落してしまった。6・19第1回サポーターズマッチでは心機一転、スーパーとの兄弟弟子タッグを実現させるも、その後、個人としての欲望が沸々とわき上がった。「このままではいつまでたっても2番手。スーパー・タイガーを倒したい、超えたい」。その思いを平井丈雅代表に伝え、佐山サトル総監の承諾を得た。
スーパーは、7月15日の会見で戸惑いを感じながらも受けて立つ決意を固めた。佐山も2人の成長を認め、さらなる2人の進化に期待を寄せている。果たして間下はレジェンド王者・スーパーを脅かす存在になるための足がかりをこの試合で掴むことができるのか。間下の飛躍は団体全体の飛躍にもつながるだけに、タッグマッチとはいえ1人ですべてを持っていくような内容を期待したい。
さて、この試合でスーパーと組むのは、あっという間にレギュラーの座を勝ち取った阿部である。ある意味、主役にならなければならない間下にはやっかいな敵でもあるだろう。阿部には誰と闘ってもいい試合をし、なおかつ場内全体を盛り上げる天性のセンスがあるからだ。
また、間下と組むのは河野。河野は4・22後楽園でスーパーのレジェンド王座に挑むも惜敗。それだけに、再挑戦を視野に入れての闘いを挑んでくるに違いない。タッグではあるが、河野の意識がスーパーへ集中的に向けられては間下にも分が悪い。間下の下克上宣言、その行方はいかに?
<第5試合 セミファイナル シングルマッチ 60分1本勝負>
船木誠勝(フリー)vs 竹田誠志(フリー)
セミファイナルで大注目のシングルマッチが組まれた。船木誠勝と竹田誠志、まさかの初遭遇である。しかもこのカード、船木の方から希望したというから驚きではないか。
とはいえ、デスマッチファイターとして驚愕のファイトを見せる竹田のバックボーンは格闘技にある。船木はそんな竹田に興味を抱いたようなのだ。船木は「“いまの人”にいままで培ったものすべてをぶつける」とコメント。昨年12月に35周年記念試合をおこなったが、まだまだ探究心旺盛。
一方、指名を受けた竹田は、まさかのマッチメークに驚きを隠せない。と同時に、「組まれたからにはガッチリ闘いがしたい。思い出作りの試合にはしない。倒しにいく」と火が点いた様子。デスマッチアイテムが用意されないリングで、いったいどんな闘い模様が現出するのか。竹田の出方が、勝負の行方を左右するのではなかろうか。今年のプロレス界においても、一二を争う異色カードと言えるだろう。
<第6試合 メインイベント スペシャルシングルマッチ 60分1本勝負>
タイガー・クイーン(一般社団法人初代タイガーマスク後援会)vs山下りな(フリー)
新間寿会長の鶴の一声でメインイベントとなったのが、タイガー・クイーンデビュー戦である。タイガー・クイーンは初代タイガーマスク佐山サトルがプロデュースし、直々に指導。初代タイガーが「本来ならメイン級の選手。それくらいの価値があると思います」と発言したことから、「初代タイガーマスクデビュー40周年記念第2弾」のメインカードに抜擢されたのである。まだまだ未知数のクイーンながら、話題性からしてメインにふさわしいことは間違いない。
また、女子プロレス界のリビングレジェンドであるジャガー横田がストロングスタイルプロレス(女子)のアドバイザーに就任し、クイーンをコーチ。初代タイガーとジャガーの共同作業によりベールを脱ぐのが、女性版タイガーマスクなのである。
対するは、昨年12・17後楽園でジャガーとタッグを組み、ストロングスタイルプロレスには2度目の参戦となる山下りな。タッグを組んだとき、ジャガーが横にいて実力を感じ取ったのだろう。山下を大事なクイーンのデビュー戦の相手に選んだのが、ジャガーなのである。パワーファイターでもある山下は、男子相手のデスマッチもいとわない度胸の持ち主で、女子プロ界でも屈指のオールラウンドプレーヤーでもある。この人選はある意味、山下に対抗するだけの力がクイーンにはあるということの表れでもある。
7月15日の会見ではクイーンが姿を現わし、170センチはあろうかという長身を披露した。言葉を発することこそなかったが、公開された映像では初代タイガー独特のムーブを次々と披露。もちろん、佐山が直々に指導しているだけに、空中殺法のコピーや見せかけだけのストロングスタイルであるはずがない。精神面でもみっちりと心得を伝授されているだろう。
「彼女を見た瞬間に、これは40年前を再現できると確信をしました」(初代タイガー)。「ハッキリ言ったら、初代夕イガーのクローンだと私は思っております」(ジャガー)と、半年以上にわたり練習を見てきた2人も太鼓判。
当日は、佐山サトルが来場し、クイーンのデビュー戦を見守るつもりでいる。2021年7月29日、初代タイガーマスクとともに、我々も歴史の目撃者となる!
(著者:新井宏)
【対戦カード】
<第6試合 メインイベント スペシャルシングルマッチ 60分1本勝負>
タイガー・クイーン(一般社団法人初代タイガーマスク後援会)vs山下りな(フリー)
<第5試合 セミファイナル シングルマッチ 60分1本勝負>
船木誠勝(フリー)vs 竹田誠志(フリー)
<第4試合 タッグマッチ 60分1本勝負>
スーパー・タイガー(ストロングスタイルプロレス)&阿部史典(プロレスリンBASARA)
vs河野真幸(フリー)&間下隼人(ストロングスタイルプロレス)
<第3試合 スペシャルタッグマッチ 30分1本勝負>
ジャガー横田(ワールド女子プロレス ディアナ)&優宇(フリー)vs青木いつ希(ショーンキャプチャー)&マドレーヌ(ワールド女子プロレス ディアナ)
<第2試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
ケンドー・カシン(はぐれIGFインターナショナル)&将軍岡本(第5代UWAアジアパシフィックヘビー級王者/VOODOO-MURDERS)
vs高岩竜一(フリー)&田中稔(GLEAT)
<第1試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
スーパー・ライダー(ストロングスタイルプロレス)&宮本裕向(666)vs伊藤崇文(パンクラスism)&TORU(TTTプロレスリング)
※対戦カードは変更となる場合もございます。