佐々木蔵之介、葵わかな、加藤和樹、高畑淳子ら出演 高貴な人々の赤裸々な愛憎劇を描く『冬のライオン』の上演が決定
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(上段左から)佐々木蔵之介、高畑淳子(下段左から)葵 わかな、加藤和樹、水田航生、永島敬三、浅利陽介
2022年2月26日(土)~3月15日(火)(予定) 東京芸術劇場 プレイハウスにて、『冬のライオン』が上演されることが決定した。
本作の舞台は英国王家の草創期、1183年。場所はイングランドの初代国王ヘンリー二世が居城としていたフランス中部のシノン城。豪傑で実力と運を味方にしてきた初代国王が築き上げた領土、そして跡目を誰が継ぐのか決着をつけるべく、一同が会した。集まったのは、妻のエレノア、長男リチャード・次男ジェフリー・三男ジョン、そして王の寵愛するアレーと、その兄で敵国フランス王のフィリップ。三男のジョンに家督を継がせたい国王、虎視眈々と跡継ぎの座を狙う長男リチャード。何度も反旗を翻したため長年幽閉されていながら、広大な領土を持ち王妃の立場にいるエレノア。若き愛妾との確執……と、権力と愛情を巡って時にストレートに、時に権謀術数をめぐらし化かしあいながら彼らは戦いを続ける。
欲望、嫉妬、愛情、策略、期待、そして絶望……。重厚で独特な言葉遣いのセリフに込められた、思惑と感情。役者の演技力、表現力を最大限味わい尽くすのに相応しいのが本作だ。
名作として名高い『冬のライオン』は、1966年にブロードウェイ初演、1999年にはリバイバル版が上演、また、1968年にイギリスで映画化、2003年にはアメリカでテレビ映画としてリメイクもされた。この度、22年に上演される。
演出を手がけるのは、抜群の存在感を表し、その演出を信奉する俳優たちが数多いことでも知られている気鋭の演出家、森新太郎。演劇集団円に所属し、橋爪功主演作などを演出、早くから頭角を現した森が手掛ける作品は、マクドナーなど現代翻訳戯曲から、シェイクスピア・イプセンなどの西洋古典、日本の近・現代古典、またミュージカルまで幅広く、緻密で緊迫感あふれる演出が高い評価を得ている。『冬のライオン』は、森自身がコロナ禍の中で、今上演したい作品として自ら選んだ作品でもあるそうだ。
ヘンリー二世を演じるのは佐々木蔵之介。情熱溢れる演技で日本演劇界には欠かせない存在で、東京芸術劇場の作品には、シルヴィウ・プルカレーテ演出『リチャード三世』、前川知大脚本・演出『ゲゲゲの先生へ』で主演し、高い評価を得てきた。森の演出では『BENT』に出演し、お互いに信頼をおく間柄だ。共演は、可憐でありながら芯のある存在感でドラマ、映画を中心に舞台にも出演している葵わかな、端麗で凛とした佇まいで舞台や音楽活動でファンの心をつかんでいる加藤和樹、長身を生かしたダイナミックな表現で舞台を中心に活躍する水田航生、劇団「柿喰う客」に所属し飄々とした佇まいで魅了する永島敬三。そして、明るい存在感で硬軟自在に演じ分ける確かな演技力でひっぱりだこの浅利陽介ら、バラエティー豊かな面々が集結した。
さらに、エレノア役は日本を代表する演技派女優の一人、高畑淳子が務める。爆発的パワーと知性を兼ね備えた稀有な存在で、バラエティ番組で見せるひょうきんさからも伝わるほどの魅力的なコメディエンヌでもある。
佐々木×高畑が演じる、エネルギッシュな王と王妃は、陽性のエネルギーで丁々発止の夫婦が表現されるだろう。緊迫のパワーゲームを演じるに相応しい演技巧者の競演となる、本作。どんな公演になるのか期待しよう。
イングランドの初代国王ヘンリー二世は、数重なる戦果で領土を広げてきた。広大な領地アキテーヌを持つ年上の妻・エレノアは、何度も反旗を翻したため、幽閉されている。人質として育てられてきた先代フランス王の娘アレーは、今や美しく成人し、ヘンリーの愛妾となっている。そしてアレーの兄である現フランス王フィリップがついに迫る。『領土を返還するか、アレーをヘンリーの後継者と結婚させるか、選ぶ年限が来た』と。いよいよ相続のけりをつけねばならない。1183年のクリスマス、一同はシノン城に集まる。リチャードに王位を譲ってアレーとも結婚させるようにというエレノアの嘆願。ヘンリーはかわいい三男のジョンに引き継がせたいと思っているが、エレノアの言い分を受け入れ、今すぐアレーとリチャードの結婚式を挙げることになってしまう。次男のジェフリーは、ジョンを抱き込んで、父親を倒すためにフィリップの協力を得ようと、ひそかに部屋を訪ねる。すると、母エレノアから送られたリチャードもフィリップの部屋へやってくる。ジェフリーとジョンが隠れているとも知らず、リチャードはうっかり口を滑らせたことで、兄弟たちを驚かせる。そこへさらに、ヘンリー本人が、フィリップに取引を持ち掛けようと企んで現れる。息子たちの不実さ、強欲さを思い知らされたヘンリーは、全く違う方向へと舵を切ることを決断。果たして、親子の、夫婦の、妻と愛妾の、イングランド王とフランス王の対決の決着はいかに……。
公演情報
会場:東京芸術劇場 プレイハウス
翻訳:小田島雄志
演出:森 新太郎
東京芸術劇場ボックスオフィス
WEB https://www.geigeki.jp/t/ ※24時間受付(メンテナンスの時間を除く)
電話 0570-010-296(休館日を除く10:00~19:00)※一部携帯電話、PHS、IP電話からは、ご利用いただけません。
窓口 営業時間:休館日を除く10:00~19:00
お問合せ:東京芸術劇場 ボックスオフィス 0570-010-296(休館日を除く10:00~19:00)