「前世は弁慶なんですか!?」コロッケ×七海ひろき『令和千本桜~義経と弁慶/コロッケものまねオンステージ2021』インタビュー
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左から 七海ひろき、コロッケ
10月の明治座で、義経と弁慶が舞い踊る。
『令和千本桜~義経と弁慶/コロッケものまねオンステージ2021』が明治座にて公演される。
第1部は『令和千本桜 義経と弁慶』。かの有名な『千本桜』を、令和版と銘打ち、源義経役を元宝塚歌劇団男役スター七海ひろき、義経につかえる弁慶役をコロッケが演じる。牛若丸と名乗っていたころの義経と弁慶の出会いから、源平合戦、そして、非業の最期……現代的な歌やダンスも取り入れた新しい『千本桜』をお届けする。そのほかの出演に高橋健介、蒼木陣、日向野祥、矢島舞美、上田堪大/川原一馬(ダブルキャスト)の人気若手俳優が集結。
第2部は『コロッケものまねオンステージ2021~40周年鉄板ネタ大放出!~』。芸能生活40年を記念したステージの中で、七海ひろきも『七海ひろきスペシャルステージ』として登場する。
芝居とショーの豪華2部構成に挑戦する、コロッケ、七海ひろきに意気込みをうかがった。
左から 七海ひろき、コロッケ
──こちらのお話を頂いた時の感想は?
コロッケ:僕は明治座さんで色んなステージに立たせていただいているんですが、「義経と弁慶で行きましょう、お相手は七海さんです」ってお声掛けいただいたんですね。まず「どんな感じになるんだろう……」と思いつつ、「でもきっとすごくあっているんだろうなぁ、演じれば演じるほどどんどん世界観も広がって素晴らしいものになるんだろうなぁ」という期待感が日に日に高まっております。
お芝居とショーの2部構成なので、お芝居がどうなるかが大事だと思っています。僕自身はショーは普段から取り組ませていただいていますので、お芝居の部分で、いかにほかで見ることの出来ないものをお届けできるか……ずっと考えています。
七海:コロッケさんと明治座さんのステージに立たせていただけると聞いて、とても嬉しかったです。それから、あのコロッケさんと『義経と弁慶』を演じるっていうのも、どんな風になるんだろうってワクワクしました。きっとみなさまも同じように期待していただけるような作品になるんだろうなぁと思っています。第2部はコロッケさんの『ものまねオンステージ』になりますが、その中で私も少しだけ立たせていただくということで、私自身も新たなことができるのかな? コロッケさんとの共演でお互いに何か新しいものが見えてきたら、こんなに素敵なことはないな、と思っています。
七海ひろき
──第一部『令和千本桜』でのご自身の役どころについてお聞かせください。
コロッケ:弁慶というのはたくさんの方が演じていらっしゃいます。暴れん坊だけれど、義経には忠義を尽くすという、どちらかというと真面目な役。今回僕が挑戦させていただくような、コミカルな弁慶像ってなかったと思うんですね。でも僕も、今回思いっきりコミカルにしようとしているわけではなくて、ただ、「コロッケが演じる弁慶」は、忠義を尽くすひとりの人間としての側面と、笑いや涙のあるお芝居になればいいなぁと考えています。お芝居で大事なものはチームワークだと思っていて、それがお客さまにも見えると思うんですね。演者のみなさまとも色々稽古やお話しさせていただくことで、「コロッケの弁慶」も出来上がっていくんじゃないかなぁと考えています。がんばります!
七海:源義経という人物は兄である頼朝とうまくいかなくなり、最終的に自害をするという結末を迎えますよね。その人生が、弁慶という存在と出会ってどう展開していくのかを表現したいと考えています。歴史を見ても義経は、ひとりではなくて、たくさんの家来たちや助けてくれる人たちがいて、逃げ延びることができた人物だと思うので、そういう部分をセリフや立ち居振る舞いで表現できれば。コロッケさんもおっしゃっていましたが、稽古場でみんなとの空気感を大事にしつつ、お芝居全体の空気を作っていけたらなぁと思っております!
七海ひろき
──役と自分の共通点はありますか?
七海:義経と自分の共通点……うーん、自分では今のところ見つけてないです(笑)。ただ、決してひとりで世界を変えようとしているようなキャラクターではないので、そういう部分が私に似ているのかな? と感じています。仲間を大事にして一緒に進んでいくところが義経の素敵な部分だと思います。ひと場面ひと場面、自分の家来や静御前とのシーンで、きゅっと引き締めて、魅力を伝えられたらなって思いますね。
コロッケ:今はまだ稽古が始まっていないので、感じていることですけど……芝居を崩さないで、ひと笑いのある役にしたいなぁと。どうしても題材として『義経と弁慶』って喜劇にはなりにくいんですよね、でも、その関係性があったからこそ、笑顔があったり、いろんなことを話したり、だからこそ、この後の結末が悲しく、つらいという側面もあると思うんですよね。笑いもあったはずで、そういう面もうまく表現できればこそ、物語に深みが出るんじゃないかなぁと。最後のシーンでは変な顔はしないようにします(笑)。
──第2部についての見どころは?
コロッケ:僕はおなじみのメドレーは絶対にやります。あとは新ネタを。最近だとBTSですね。そこらへんもやろうと思って企んでおります。最近はやっている『紅蓮華』とか『炎』とか『香水』とか、そういう歌も挑戦してみてもいいのかなぁと思っています。おなじみものが好きな方も多い方もいらっしゃると思うので、そこを大事にしつつも、新しいものをお届けできればと思っています。
コロッケ
七海:まだ確定していないことも多いんですが、今回は『令和千本桜』とショーの2本立てですから、メリハリをつけたいなって思っています。(第2部の)コロッケさんのオンステージの部分で、私も「あら、素敵……!」とみなさんに思っていただけるように。せっかくコロッケさんと一緒に立たせていただけるので、コロッケさんと何かコラボとかできたらな……と思っています……!
コロッケ:(笑)。
──お互いの第一印象はいかがでしたか?
コロッケ:僕から七海さんへの第一印象はたった一言ですね。「顔、ちっちゃ!!!!!」
七海:(笑)。
コロッケ:並ぶとすごいんですよ、もう別の生き物ですよね。すごいですよね~!
七海:私は正直、「これだけレジェンドな方だし……もしかしたら怖い人かもしれない!」って思ってドキドキしたんです。でも、はじめてお会いした時に、すごく穏やかで仏様みたいな笑顔で出迎えて下さって。
コロッケ:はっはっはっ、仏様(笑)。ありがたいですね。
七海:本当に仏様みたいだったんですよ、コロッケさんの方から「よろしくお願いします」ってご挨拶して下さって。オーラがとても神々しく輝いていて、第一印象は「この方とやっていけば、怖いものはないな!」です。
コロッケ
──ビジュアル撮影のお互いの印象は?
コロッケ:今回、ビジュアル撮影はご挨拶だけだったんですけど、義経姿の七海さんは「そのものだな!」って感じでしたね。ああいう狩衣姿が似合う方って案外少ないので、もう安心ですね。
七海:お会いした時、コロッケさんはまだ弁慶のメイクのみで衣装は着ていらっしゃなかったんですけど、そのメイクだけで「ぴったりだな」って思いました。出来上がった写真を見て「え? 前世は弁慶なんですか!?」ってくらいしっくりきていらして。
コロッケ:あはは(笑)。僕の中で弁慶はああいう顔なんですよ。
七海:なので、コロッケさんの弁慶を軸に、自分の牛若丸への理解が深まった気がしました。
──観に来てくださる方へのメッセージをお願いします。
コロッケ:1部2部で全く違うものを見せることができる、そんなお得感をお客さまにお届けしたいということと、このコロナ禍という時期に上演できるありがたさを、ちゃんとお客さま、明治座さんにお返しできるように、キャスト一同、一生懸命頑張ります。是非みなさん、見に来てください。1回2回……いや、3回観に来れるくらい、毎回いろんなことが起きると思いますので、お楽しみに!
七海:この状況下で上演できるということもそうですし、観に来てくださるお客さまもとてもありがたいことです。みなさんも色んな思いがあって、勇気を出して観に来て出さっているので、それを裏切ることのないようにがんばりますので、是非、来てください。
左から 七海ひろき、コロッケ
取材・文=森きいこ 撮影=敷地沙織