ジャルジャル、のん、ASIAN KUNG-FU GENERATIONらがAR技術を駆使したステージパフォーマンス 『イノフェス 2021』初日レポート
のん 写真=アンザイミキ
10月9日(土)、『J-WAVE INNOVATION WORLD FESTA 2021 supported by CHINTAI』(以下、『イノフェス 2021』) 初日が有観客とオンライン配信で開催された。
『イノフェス』は、FMラジオ局J-WAVE(81.3FM)が開催するデジタル・クリエイティブフェスティバル。テクノロジー、音楽、エンターテインメント、サイエンス、アートがクロスオーバーするイベントだ。6回目を迎えた今年は東京・六本木ヒルズを会場に、この日限りのARステージが登場。三面大型LEDと複数のARカメラおよびステージ上に搭載されたセンサーを駆使し、現実を拡張したスペシャルステージが展開。トークとライブの2軸でパフォーマンスが行われた。
オープニングアクト:LMYK
LMYK 写真=アンザイミキ
オープニングアクトを務めたのは、世界屈指の音楽プロデューサーチームJimmy Jam and Terry Lewisのプロデュースによる新人女性シンガーLMYK。「今日が東京では初めての有観客ライブなので、楽しみにしていました」と話し、今回のステージのために書き下ろされた新曲「Tendency」を含む、全3曲を披露。雲の上に立っているかのように幻想的なAR演出の中、透き通る歌声を響かせ、会場とオンラインでイノフェスを楽しむ音楽ファンをライブの世界へと引き込んだ。
ジャルジャル Special AR Comedy Live
ジャルジャル 写真=アンザイミキ
ジャルジャルは、雨宿りで偶然居合わせた青年とサラリーマンのコントを披露。ネタ中に出てくる純粋すぎる友人やその精神状態、雨などをARで表現し、見る人を驚かせた。今回が初挑戦となるARコントを終えたジャルジャルは「ステージには2人だけでも、人数を増やしたコントができそう」「僕らはAR演出が見えない中やっているので、たまに小っ恥ずかしくなりました」とコメント。今後、活用することにも前向きな姿勢を見せた。
のん
のん 写真=アンザイミキ
のんは4人編成のロックバンドで登場。「今日くらいは心を解き放って楽しもう!」と会場を拍手で沸かせた。のんがデザインした恐竜のキャラクターが曲に合わせてダンスをしたり、カラフルなリボンが飛び出したりするAR演出も。のんらしいポップな曲のほか、CMで話題となったKIRINJIの「エイリアンズ」をしっとりとカバーするなど、さまざまな表情で全6曲のステージを楽しんでいた。
ASIAN KUNG-FU GENERATION feat. AR三兄弟
ASIAN KUNG-FU GENERATION feat. AR三兄弟 写真=アンザイミキ
初日のラストを飾ったのはASIAN KUNG-FU GENERATIONとAR三兄弟とのコラボステージ。「新世紀のラブソング」からスタートし、時折MVを彷彿とさせるAR演出を織り交ぜたファンにはたまらないライブを見せた。後半には「リライト」「Easter」「君という花」の3曲をノンストップで披露。割れんばかりの拍手と、AR三兄弟によるアジカン愛溢れるAR打ち上げ花火に包まれてステージは幕を閉じた。
Jimmy Jam & Terry Lewis Special Talk Session ~音楽が超える境界線~
Jimmy Jam & Terry Lewis Special Talk Session ~音楽が超える境界線~ 写真=アンザイミキ
ジャネット・ジャクソンを始め数々のアーティストをプロデュースしてきたレジェンド・プロデューサー・チーム=ジャム&ルイス(Jimmy Jam と Terry Lewis)がオンライン生中継で出演。LMYKもオープニングに続いて登壇し、スペシャルトークセッションが実現した。J-WAVEナビゲーター サッシャの司会のもと、現代のテクノロジーを駆使したリモートレコーディング等最新の音楽プロデュース術、米国エンタメの最前線に迫るトークを繰り広げた。
5G、XRが創るエンターテインメント新時代
5G、XRが創るエンターテインメント新時代 写真=アンザイミキ
5G、AR、VR、MRといった様々なテクノロジーは、コロナ禍でますます加速している。ポストコロナの時代の新しいエンタメとは──テクノロジーを使って新規ビジネスを切り開くKDDIの中馬和彦と、幅広い表現を生み出すAR三兄弟長男・川田十夢が語った。
CHINTAIステージ Keynote Speech 落合陽一 ポストコロナと2030年の世界
CHINTAIステージ Keynote Speech 落合陽一 ポストコロナと2030年の世界 写真=アンザイミキ
2016年のイノフェス開始当初よりイベントの中心的存在であり続ける落合陽一。新型コロナウイルスにより激変した今、彼がイメージする未来とは。今年はキーノートスピーチで、2030年の生活、社会を大胆予測した。
資本主義の拡張。新しい豊かさについて
資本主義の拡張。新しい豊かさについて 斎藤幸平 写真=アンザイミキ
今年のビジネス書ベストセラーとなった『人新世の「資本論」』著者で経済思想家の斎藤幸平が、イノフェス総合司会を務めるAR三兄弟・川田十夢、早川聖来と資本主義を拡張した新しい豊かさについて持論を展開した。ステージ終盤では、筑波大学の学生団体Nu ink.から寄せられた質問に回答する場面もあった。
Z世代がアップデートする音楽・エンターテインメントの未来
Z世代がアップデートする音楽・エンターテインメントの未来 写真=アンザイミキ
今、さまざまな業界が熱い視線を送るZ世代。彼らはどんな音楽やエンタメ消費をしているのか? コロナ禍で進化したデジタル・エンタメ、K-POP、SNS、YouTubeにTikTok──亀田誠治、Ado、辻愛沙子、鈴木貴歩、早川聖来がエンタメの進化と音楽の未来を捉えて語り合った。YOASOBIやヨルシカ、ずっと真夜中でいいのに。の3組に共通して見られるヒット要素とは?
TOPPAN INNOVATION WORLD ERA LIVE SPECIAL TALK SESSION
TOPPAN INNOVATION WORLD ERA LIVE SPECIAL TALK SESSION 西野亮廣 写真=アンザイミキ
映画『えんとつ町のプペル』のヒットも記憶に新しいキングコング・西野亮廣と、『TOPPAN INNOVATION WORLD ERA』のナビゲーターで、今年のパラリンピック閉会式もプロデュースした小橋賢児が、「人の心を掴むコツ」を掘り下げる。また、西野は「自分がこの世からいなくなったあと」も見据えた今の活動への思いを明かした。
なお、『イノフェス 2021』2日目の10月10日(日)には、小室哲哉、SKY-HI、BE:FIRST、Novel Core、けいちゃんらがライブパフォーマンスを披露するほか、糸井重里氏、三浦瑠麗氏、吉藤オリィ氏らがトークセッションに登壇。10月11日(月)18時から10月17日(日)23時59分まで、アーカイブ配信が行われる。
※ライブ・トークレポートは原文ママ
写真=アンザイミキ、ライブパート文=於ありさ