浅利演出事務所によるミュージカル『ユタと不思議な仲間たち』まもなく開幕
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ミュージカル『ユタと不思議な仲間たち 』
浅利演出事務所によるミュージカル『ユタと不思議な仲間たち』が、2021年10月22日(金)に東京・自由劇場で開幕する。
『ユタと不思議な仲間たち』は、1977年の初演から時代や劇場に合わせ、様々な工夫を加えながら公演を重ねてきた長い歴史を持ったオリジナルミュージカル。
東北の美しい自然を舞台に、いじめに苦しむ主人公のユタが、天災によって現世で生きることが叶わなかった座敷わらしたちと出会い、彼らとの交流を通して、生命の尊さ、友情の大切さを学び、たくましく成長していく物語で、原作は、岩手・南部出身の作家、故・三浦哲郎の同名小説となる。現在も社会問題となっている「いじめ」をテーマに、演出家・浅利慶太は、日本人の琴線に触れ、自ずと主題に気づかされていく上質なエンターテインメントに仕上げた。
故・三木たかし作曲の「生きているってすばらしい」「友だちはいいもんだ」「夢をつづけて」など、演歌や民謡の要素を盛り込んだ叙情的で親しみやすい名曲の数々、そして出演者が語るあたたかくて柔らかい響きをもった南部弁の台詞は、日本語が持つ美しさを改めて感じさせてくれる。
ミュージカル『ユタと不思議な仲間たち』前回公演より 撮影:石阪大輔
ミュージカル『ユタと不思議な仲間たち』前回公演より 撮影:石阪大輔
ミュージカル『ユタと不思議な仲間たち』前回公演より 撮影:石阪大輔
本公演では、演出家・浅利慶太のもとで長年小夜子役を演じてきた野村玲子と、ユタ役を演じ、さらに振付を担当してきた加藤敬二が、2019年浅利慶太追悼公演以来再び演出と振付でタッグを組み、浅利が大切にしてきた作品の世界観を丁寧に再現する。
『ユタと不思議な仲間たち』は、2011年に起きた東日本大震災の直後、震災で傷ついた 子供たちを勇気づけ、心を癒したいという浅利慶太の願いから、「東北特別招待公演」として東北3県13都市をまわった。被災地の小中学校の体育館などを使い上演。13,000人以上の子どもたちとその保護者が観劇し、社会的にも大きな注目を浴びた。
「生きることの素晴らしさ」「人と人が繋がることの大切さ」がしみじみと描かれた本作。命の輝きに溢れた舞台が間もなく開幕する。
2021 年再演版演出・野村玲子 コメント
今回のミュージカル『ユタと不思議な仲間たち』は、長年作品に携わっているメンバーと若い俳優たちが稽古を共にし、作品を継承しながら丁寧に創りあげています。このような時期だからこそ、仲間の大切さや支え合うことの意味の大きさを感じます。主人公ユタと座敷わらしたちの交流、あたたかい響きを持つ美しい方言(南部弁)、叙情的で心地良い音楽、躍動的なダンスを劇場でお楽しみいただけたら嬉しいです。今あらためて、この作品が持つ「生きていることは素晴らしい」という普遍的なメッセージを一人でも多くの皆様にお届けすることができましたら幸いです。
東北のとある山村“湯の花村”。父親を亡くした水島勇太は、東京から、母親の実家があるこの小さな村に引っ越してきた。しかし、村の子どもたちに馴染めず、いじめられてばかりいた。しかも皆、勇太を“ユウタ ”ではなく、“ユタ ”としか呼んでくれない。
そんな彼の味方は、幼い弟の子守をしながら学校に通う同級生の小夜子と、寅吉じいさんだけ。勇太はいじめを受け続けるつらさと悲しみ、そして孤独に悩み、遂には自殺まで考えるようになる。
ユタを気遣う寅吉は、地元に代々伝わる“座敷わらし”の話を教え、友達になってみろと勧める。
そして、ある満月の夜、寅吉の言葉に従って、大黒柱のある旧家“銀林荘 ”の一室に泊まったユタは、 五人の座敷わらしたちに出会う。
皆、飢餓や間引きによって、この世で生きることが叶わなかった 悲しい運命を背負っていた。弱音ばかり漏らすユタを、彼らは叱咤しつつも、生きることの素晴らしさを説く。仲間たち との友情とさまざまな試練を通じて、 たくましく成長していくユタ。
だがやがて、彼らと別れの時がやってくる…。