藤岡幸夫指揮、オーケストラ・トリプティークのコンサート『伊福部昭百年紀Vol.8 藤岡幸夫の指揮で聴く伊福部バレエ音楽の総決算!』開催
2021年11月20日(土)ミューザ川崎シンフォニーホールにて『伊福部昭百年紀Vol.8 藤岡幸夫の指揮で聴く伊福部バレエ音楽の総決算!』が開催される。
映画『ゴジラ』のテーマ音楽で知られ、交響曲やバレエ音楽でも人気の、伊福部昭(いふくべあきら/1914-2006)。その業績を讃えて、映画音楽を中心にオーケストラによる復元演奏を行ってきた伊福部昭百年紀(いふくべあきらひゃくねんき)シリーズは、2014年に開始され今回で8回目を迎える。2019年にこのシリーズで指揮を担当して、高い評価を受けた藤岡幸夫が再度登板。オーケストラ・トリプティークのエネルギッシュな演奏に期待が高まる。
藤岡幸夫 (C)Shin Yamagishi
本シリーズは、観客総立ちでロック的な盛り上がりもあるコンサートとして知られるが、今回はバレエ音楽特集。「燃えるような名演」と評判高く、藤岡指揮によるライブCDも発売されている伊福部のバレエ音楽「サロメ」。
藤岡幸夫指揮によるサロメのCDジャケット
テレビ番組「エンター・ザ・ミュージック」でも紹介され、アマゾン、タワーレコードで驚異的なCD売上を記録したが、CDになっている1987年版の前に、実際にバレエ付きで演奏されていた原典版の1947年版が存在した。その原典版が、ついに演奏会形式で復活上演される。一体どのくらい違うのか。バレエ版の作曲依頼をした舞踊家の貝谷八百子は、今年が生誕100年で記念演奏になる。戦後バレエ界の記念碑的音楽の再演は意義深い。
「サロメ」で作曲家として絶大なる評価を受けた伊福部が、江口隆哉・宮操子舞踊団のために作曲、チベット伝承をもとに、その原作も手掛けた。
3管編成によるダイナミックなサウンドでえがかれるのは、使徒ジャルボオが、邪教の王ランダルマを討ち果たすまで。聴きどころが多く多彩で伊福部バレエ音楽の総決算ともいえる内容となる。仮面舞踊による大鴉、青牛、骸骨の舞い、勝利の舞い、虐殺の舞い、官能の舞い、ランダルマの死、など数々の場面が、藤岡の躍動的な指揮でどう甦るか期待される。
このたび平成VSゴジラシリーズ6作品に 三枝未希役で出演した俳優の小高恵美から応援メッセージが到着している。
小高恵美メッセージ
小高恵美
時代を越えて愛される伊福部先生の音楽。私も大好きです。コンサートのご成功心よりお祈りいたします。
公演情報
■伊福部昭(いふくべ・あきら)
1914年5月31日、釧路町幣舞にて誕生、音更にて育つ。アイヌとともに育った幼少時が音楽的原体験となる。伊福部家の家学は『老子』、幼い頃から父に教え込まれる。北海道帝国大学農学部林学科に進みつつ音楽を独学、ヴァイオリンを弾く。二人の兄や、早坂文雄、三浦淳史らと、ストラヴィンスキー、ラヴェル、サティなどに触れ、熱き音楽的青春を過ごす。21歳の時「日本狂詩曲」がチェレブニン賞を受賞するが、大学卒業後は林務官として北海道に留まる。戦後、1946年に作曲家として生きる決意を胸に32歳で上京。東京音楽学校(現・東京藝大)講師として芥川也寸志、黛敏郎、矢代秋雄、池野成、小杉太一郎、三木稔、学外で松村禎三、石井眞木、真鍋理一郎、今井重幸等を育てる傍ら、多くの映画音楽を生み出した。1954年40歳、映画『ゴジラ』の音楽を担当、日本の映画音楽において奇跡的出会いであった。同年、初の交響曲「シンフォニア・タプカーラ」を発表。多くの作品、弟子、映画音楽を残して、2006年2月8日に91歳でこの世を去った。
■指揮:藤岡幸夫(ふじおかさちお)
英国王立ノーザン音大指揮科卒業。1994 年「プロムス」にBBCフィルを指揮してデビュー以降、多くの海外オーケストラに客演。2017年はアイルランド国立響にマーラー第5交響曲で客演、聴衆総立ちの大成功を収めた。首席指揮者として毎年40公演以上を共演し2020年に21年目のシーズンを迎えた関西フィルとの一体感溢れる演奏は常に高い評価を得、2019年4月に首席客演指揮者に就任した東京シティ・フィルとの活動には大きな期待が寄せられている。放送出演も多く、番組立ち上げに参画し指揮・司会として関西フィルと共に出演中のBSテレビ東京『エンター・ザ・ミュージック』(毎週土曜 朝8:30-)は番組開始から8年目に入り、放送も350回を超えた。
2002年渡邉曉雄音楽基金音楽賞受賞。
公式ファンサイト http://www.fujioka-sachio.com/
■オーケストラ・トリプティーク
日本の作曲家を専門に演奏するオーケストラとして、プロ奏者により2012年結成。2014年は伊福部昭百年紀の公式オーケストラとして、NHKや新聞の取材も受け、3回の公演を成功に導く。これまでに浜離宮朝日ホール(朝日新聞社内)や旧奏楽堂(上野公園内)、東京国際フォーラムほかでコンサートを行い、音楽雑誌、新聞、テレビで好評を得る。リリースされたCDはタワー・レコードやamazonのチャートで1位も記録している。
トリプティークは三連画。前衛、近現代音楽、映像音楽という三本の柱を持ち活動する意思表示でもある。
http://3s-ca.jimdo.com/
■三宅政弘(みやけまさひろ コンサートマスター)
兵庫県立西宮高等学校音楽科卒業。東京音楽大学卒業。全日本学生音楽コンクールヴァイオリン部門大阪大会高校の部 第一位。江藤俊哉ヴァイオリンコンクールヤングアーティスト部門第三位。東京音楽大学コンクール第三位。桐朋祭超絶技巧選手権ヴァイオリン部門グランプリ受賞。2009年、2011年にソロリサイタルを開催し、好評を博す。これまでに、竹本洋、後藤維都江、山本彰、辻井淳、東儀幸、田中千香士、海野義雄、横山俊朗の各氏に師事。
■西耕一(にしこういち)プロデューサー・監修
昭和の現代音楽、アニメ音楽、映画音楽、3人の会等を専門とする評論家、プロデューサー。 伊福部昭百年紀代表。渡辺宙明、チャージマン研など。日本作曲家専門レーベル・スリーシェルズ代表。黛敏郎、團伊玖磨、芥川也寸志、松村禎三等の企画・演奏・CD化。 解説執筆、楽団・奏者へ企画提案等。BSテレ東、TBSラジオ、NHKラジオ、DOMMUNE、ニコニコ動画などに出演。