SUGIZO、TOKU、シシド・カフカ、僧侶が共演、世界平和を祈った『石川ロックサミット2021』レポート

2021.11.23
レポート
音楽

ロックと僧侶の声明などを融合したステージ(左から)SUGIZO、TOKU、シシド・カフカ、後列に真言宗の僧侶 撮影:KEIKO TANABE

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石川ロックサミット2021
2021.11.17 北國新聞赤羽ホール(石川県金沢市)

ロックの夢と可能性に挑むイベント『石川ロックサミット2021』が2021年11月17日、北國新聞赤羽ホール(石川県金沢市)で行われた。立川直樹プロデュースのステージにはロックバンド・LUNA SEAやX JAPANのギタリスト/バイオリニストとして活躍するSUGIZO、フリューゲルホルン奏者のTOKU、俳優としても活動するドラマーのシシド・カフカ、真言宗豊山派僧侶らが出演。ジョン・レノンの「Imagine」を僧侶が唱える声明とともに表現し、世界の平和を祈った。SUGIZOは“ジャンルやカテゴリーを超えて交わることは美しいこと。音楽こそ多様性の鏡”と思いを込めていた。

SUGIZOが敬愛するデヴィッド・ボウイの「Life on Mars?」をバイオリン演奏して幕を開けたステージ。ボウイが降り立ったかのような豊かな音色で魅了した後は、バイオリンをギターに持ち替えTOKUと音を紡いでいく。6人の僧侶と舞台を共にした「CHARON ~四智梵語~」では再びバイオリンを手に中央へ。変幻自在な演奏で聴き手をその世界に引き込んでいった。

TOKU 撮影:KEIKO TANABE

ソロでは、ジャズの定番曲「Fly Me to the Moon」を披露したTOKU。アカペラの歌と共に味わい深いフリューゲルホルンの音で会場を酔わせた。“ブルーノート(東京・青山にあるライブハウス)つながりだから”とカフカを招いた「Moonglow」では、月明かりの下でTOKUとカフカが愛をささやき合った。甘いムードの2人を包むSUGIZOの優しいギターで会場がスイングした。

シシド・カフカ 撮影:KEIKO TANABE

“みんなそろって何かやりたい”と出演者全員が集まった「Raummusik」では、カフカが“8年ぶりにたたく”とカホンの上にスタンバイ。“元々ミュージシャンとしてのポテンシャルが高いから久々に感じない”というSUGIZOの言葉通り、腕をまくってたたき始めるとその目は、職人へと早変わり。歌う時とはまた違う気迫で圧倒した。SUGIZOはギターで、TOKUはフリューゲルホルン、僧侶も錫杖で応戦するなど、それぞれの世界を追求。放たれた世界が交わることで、ステージの上に小宇宙を作り上げていた。

SUGIZOは、数年前に京都で行われたイベントで真言宗の僧侶と共演した際に“感銘を受けた”といい、以降自身の最新アルバム『愛と調和』で共演するなど交流を深めてきたという。

真言宗の僧侶たち 撮影:KEIKO TANABE

6人の僧侶は“コロナ禍の今、生きている人たちの不安を少しでもぬぐえれば。穏やかな気持ちになって”と最も華やかという「散華」を披露。終盤には場を清める意味がある紙製の散華をまくなどして、平穏を祈った。

神聖なステージの後には、SUGIZOが“僕らが大好きな曲”とTOKUとジャズ・スタンダード「ラウンド・ミッドナイト」を演奏。セクシーな大人の魅力でくぎ付けにした。

約1時間半の公演の最後には再び全出演者で「Imagine」を披露。歌や演奏などで思いを繋いだ。曲のラストには観客席を祝福するようにステージから光りが降り注いでいた。

SUGIZO 撮影:KEIKO TANABE

TOKUは“最初に演奏したデヴィッド・ボウイの「Life on Mars?」と、いま演奏した「Imagine」はどちらも生まれて50周年。その節目にチャレンジングなライブができた。真言宗の僧侶の方が参加してくださって、世界平和という言葉をいただいた。曲を通じて僕らがチャレンジすることによって、みなさんの癒しや平和を思う気持ちに繋がればうれしい。みなさんと音を作ることができて幸せです”と感謝していた。

取材・文=西村綾乃

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