飯田洋輔、平田愛咲、早水小夜子も登場!劇団四季の新作『美女と野獣』製作発表レポート
劇団四季『美女と野獣』(新演出版)製作発表会見(撮影:池上夢貢)
劇団四季の『美女と野獣』が帰ってくる!
2022年10月に舞浜アンフィシアターにて開幕するディズニーミュージカル『美女と野獣』。2021年12月9日(木)にその製作発表が行われ、株式会社オリエンタルランド 代表取締役社長(兼)COO 吉田謙次氏、劇団四季 代表取締役社長 吉田智誉樹氏による概要の説明と質疑応答に加え、『美女と野獣』に出演経験のある俳優3名による劇中ナンバー3曲が披露された。
劇団四季『美女と野獣』(新演出版)製作発表会見(撮影:池上夢貢)
今回、上演されるのは初演のクリエイティブスタッフが自ら再構築を手掛け、上海ディズニーリゾートで2018年から20年にかけて公演が行われたバージョン=いわゆる「新演出版」。上演時間の短縮(約30分)に加え、ヒロイン、ベルの新曲追加、舞台美術や衣裳のリニューアルなど、今の時代に合わせた軽やかでスピーディーな内容にアップデートされているとのこと。
中でも気になるのが上演時間の短縮による楽曲の変更。具体的には1幕でベルとその父・モリースが歌う「二人で」が歌ではなくせりふになり、「メゾン デ ルーン (閉じこめろ)」と「戦い」はカットされる(吉田智誉樹社長・談)。
ディズニーミュージカル『美女と野獣』より(c)Disney・上海ディズニーリゾートプロダクション
また、舞台美術はオリジナル版から大きく進化し「外見に囚われず人の心の中まで見通す」という作品のテーマに基づいて、客席から舞台奥まで見渡せるデザインが採用されていたり、セットに透かしが入っていたりと、よりスタイリッシュな方向に。
ディズニーミュージカル『美女と野獣』より(c)Disney・上海ディズニーリゾートプロダクション
衣裳については、登場人物のイメージを変えず、色鮮やかで明るい印象になるとのこと。ベルがまとう象徴的な黄色のドレスには華やかな刺繍が施され、ポットや時計等に変えられたキャラクターのコスチュームは「物」としての無機質さを保ちつつ、裾の長さなどが変更されて、より軽やかなイメージになる。
劇団四季『美女と野獣』(新演出版)製作発表会見(撮影:池上夢貢)
劇団四季『美女と野獣』(新演出版)製作発表会見(撮影:池上夢貢)
劇団四季『美女と野獣』(新演出版)製作発表会見(撮影:池上夢貢)
そして、この日の製作発表に合わせ、『美女と野獣』に出演経験のある平田愛咲、飯田洋輔、早水小夜子の3名が登場。平田は淡いピンクのワンピースでベルが父・モリースへの思いを表現する「わが家」を歌い、シックなスーツに身を包んだ飯田は野獣のメインテーマともいえる「愛せぬならば」をじっくり聞かせた。ミセス・ポット役の経験者である早水はタイトルナンバー「美女と野獣」を歌い上げ、それぞれ大きな拍手を浴びていた。
劇団四季『美女と野獣』(新演出版)製作発表会見(撮影:池上夢貢)
劇団四季『美女と野獣』(新演出版)製作発表会見(撮影:池上夢貢)
10月からのロングラン公演のキャストはこれからオーディションを実施し決定。子役以外は基本的に劇団内メンバーでの審査となる。
舞浜アンフィシアター
舞浜アンフィシアター客席内
会見終了後は舞浜アンフィシアターの見学会が行われ、この劇場最大の特徴である半円形のエプロンステージを活かしつつ、改装を行うことが技術スタッフからも語られた。かなり横に広い客席(2170席)から約800席を撤去し、1400席程度で稼働する計画とのことだが、劇場の機構上、吊りものがどうなるのかも注目ポイントだ。
ディズニーミュージカル『美女と野獣』より(c)Disney・上海ディズニーリゾートプロダクション
東京ディズニーリゾートという「夢の国」で首都圏では13年ぶりに上演される『美女と野獣』。1994年にディズニー・シアトルカル・プロダクションが最初の演劇作品として手掛けたこのミュージカルが「新演出版」として私たちにどんな新たな世界を魅せてくれるのか、そして時代に合わせたアップデートがどういう形で作品に反映されているのか、開幕を楽しみに待ちたい。
取材・文・一部撮影=上村由紀子(演劇ライター)
公演情報
劇団四季ミュージカル『美女と野獣』