​くらもちふさこの名作コミックが原作　朗読劇『いつもポケットにショパン』～2nd Lesson～が開幕

2022年1月13日（木） 紀伊國屋ホールにて朗読劇『いつもポケットにショパン』～2nd Lesson～が開幕が開幕した。

原作は、1980年から1981年にかけて 『別冊マーガレット』（集英社）にて連載された、くらもちふさこ の名作コミック『いつもポケットにショパン』。後の少女漫画作品にも大きな影響を与え、40年以上経った今でも強く人の心に残り続けているこの作品を初めて舞台化したのが本作だ。2019年に新国立劇場 小劇場で初演。今回は、シリーズ第2弾として2022年1月13日（木）〜23日（日）、紀伊國屋ホールにて再演される。

脚本は、アニメ『けいおん!!』、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』など数々の名作・ヒット作を手がけている吉田玲子。身近な普通の女の子の心情を丁寧に 描いている原作同様に、ピアニストを目指す主人公・須江麻子（すえ・あさこ）と彼女の幼馴染・緒方季晋（おがた・としくに）のすれ違いと交流、ふたりの両親の問題や交友関係などが複雑に絡み合いながら成長していく二人の甘酸っぱい青春模様が丹念に、そしてドラマチックに描かれている。

ファンタジックで繊細な世界観を得意とする映画監督の酒井麻衣は、美術にパステルカラーを取り入れたシンプルかつ色彩豊かな舞台の中、セットや手持ちの台本を小道具として巧みに利用しながら、映像・光・音、それに台詞と音楽が美しく調和した奥行きと躍動感のある演出が光って、物語の世界観、麻子と季晋の陰陽や情熱を見事に表現。また、ピアノの生演奏も、シーンをより感動的、印象的なものにしている。

麻子役と季晋役には、フレッシュな魅力に溢れ、かつ、実力派の俳優×声優陣が日替わりで登場する。初日に登場した尾崎由香×高野洸ペアは、心情あふれる声と佇まいで二人の主人公の幼少期から音楽高校時代、さらには二人に関わる親や友人、先生などの役どころも演じ分け、時に優しく、時に力強く、観客を物語の世界にいざなった。上演時間は1時間40分（休憩なし）。

あらすじ

幼なじみの麻子と季晋は共にピアニストの母親を持ち、遊びもピアノのレッスンも、何をするのもいっしょの大の仲良し。
しかし、季晋は進学と同時にドイツへ音楽留学。ある日、麻子は季晋が留学先で列車事故に遭ったという報せを耳にし、そのまま季晋とは音信不通となってしまう。数年後、音楽高校に進学した麻子は、先輩から季晋が別の音楽高校に通っているという話を聞く。季晋は事故を生き延び、そして日本に戻ってきていたのだ！麻子は遂に季晋と再会を果たす。
喜びに湧く麻子だったが、なぜか季晋はまるで別人のように麻子を憎むのだった…