OSK日本歌劇団『創立100周年記念式典』で咲かせた満開の桜ーートップスター楊琳「諦めない力、生命力こそが伝統」
OSK日本歌劇団 撮影=福家信哉
『OSK日本歌劇団創立100周年記念式典』2022.1.30(SUN)大阪松竹座
1月30日(日)に、大阪松竹座にて『OSK日本歌劇団創立100周年記念式典』が行われた。
楊琳
生まれ故郷である大阪松竹座で記念すべき100周年を寿いだOSK。洋あおい、大貴誠、桜花昇ぼる、高世麻央ら歴代トップスターをはじめとしたOGや劇団関係者ら約700名の招待客に見守られるなか、式典は山村友五郎の振付による100周年記念舞踊「さくら」から始まった。
OSK日本歌劇団
「さくら」は2004年に、大阪松竹座で66年ぶりとなる「春のおどり」が復活した際に演じられた演目で、ボレロ風にアレンジされたOSKのテーマソング「桜咲く国」も聴きどころ。トップスター楊琳のソロの舞から始まり、特別専科の桐生麻耶が加わり、続けてベテラン、中堅とメンバーたちが舞台に登場、やがて男役総踊りに発展していくという、気品に溢れつつも軽やかで勇壮な舞を披露。
OSK日本歌劇団
式典では関係者の挨拶やOSKの100年の歴史をダイジェストにまとめた記念映像、劇団員による「虹色の彼方へ」の合唱などがあり、劇団を代表してトップスターの楊が次のように謝辞を述べた。
OSK日本歌劇団
「OSK日本歌劇団は大正、昭和、平成、令和という時代に、それぞれの困難に立ち向かいながら、こうして創立100周年という記念すべき日を迎え、劇団員一同、大変感激しております。100周年という記念すべき1年でありますが、感染拡大のニュースを受け、OSKをはじめエンターテインメント界を取り巻く環境は、今も厳しい状況であります。ですが、この困難を劇団員と力を合わせ正面から立ち向かっていく、諦めない力、その生命力こそが先輩から受け継いだ私達の伝統の一つです。そして、皆様の温かいご声援が私達劇団員の支えとなり、力となります。今後とも引き続き、OSK日本歌劇団をご支援いただきますよう、何卒よろしくお願い申し上げます」
OSK日本歌劇団
式典の最後には「桜咲く国」を歌唱。劇団員たちのパラソルは100周年を機に新調されたことも明かされた。歌唱の前には改めて楊から挨拶があり、「入団して、たくさんの先輩方の背中を見て学びました。そして本日、もっとたくさんの先輩方が私達を見守ってくださっています。皆様が紡いでくださった歴史、OSKの魂は、確実に自分の中に、そして今の劇団員の中に宿っていると信じて、今、ここに立っております。皆様の温かいご声援があってこその私達でございます。皆様のお気持ちとともに、2022年、OSKの100周年記念の年を寿いでまいりますので、どうぞ末永く私達を見守りください」と声に力がこもる。
OSK日本歌劇団
「桜咲く国」のフィナーレでは盛大に桜の花吹雪が舞い、まさに「桜満開」のステージで式典を締めくくった。
豊田崇克社長(真ん中)
式典を終え、楊と桐生が囲み取材に応じ、式典の感想や来る「レビュー春のおどり」への思いなどを語った。
「この状況の中でたくさんの方に集まっていただいて、OSKの100周年を寿いでいただけたことが本当にうれしいです。私としては無事に記念式典を終えることができてほっとしています」と笑顔を見せる楊。桐生も「OSKに入団した時には自分が100周年を迎える場にいるとは想像していませんでした。大阪松竹座の舞台に立たせていただいて、これまでつなげてくださったOGをはじめとする皆様が同じ空間にいてくださり、そのうえで100周年を迎えられたことで、次につながっていくのではないかと思います。これからもみんなで力を合わせて邁進していきたいと思います」と心境をつづる。
楊琳
記念舞踊「さくら」の冒頭で一人で舞を披露した楊は、前日の夜はドキドキして落ち着かなかったというが、「桜チャイムが鳴って、司会の方が紹介してくださり、オーバーチュアが流れた瞬間に、本当に100周年を迎えたんだなというおめでたい気持ちが強くなりました。うまく言い表せないのですが、自分であって自分でないような感覚でした」と話し、舞台では緊張がとけていたそうだ。
2月5日(土)からは同じく大阪松竹座にて『OSK日本歌劇団創立100周年記念公演「レビュー春のおどり」』がいよいよ幕を開ける。
「式典をしっかり務めて、今のこの気持ちを「春のおどり」に向けてさらに大きく進化、加速させたいと思います」と意気込む楊。
楊琳(右)と桐生麻耶
2004年の第1回「春のおどり」から参加している桐生も「18年という年月の重みを知っている上級生から発信していかなければいけないことがあると、今日の式典で感じました。本当にたくさんの方々が支えてくださり、つなげてくださっているので、自分の表現を通してもっともっとOSKの大切さや伝統を継承しないといけないなと思いました」としっかりと前を見つめた。
取材・文=Iwamoto.K 撮影=福家信哉
公演情報
第一部「光」:演出・振付 山村友五郎・尾上菊之丞・藤間勘十郎
第二部「INFINITY」:作・演出 荻田浩一
【日時(16公演)】
2月5日(土)11:00/15:00 中止
2月6日(日)11:00/15:00 中止
2月11日(金・祝)11:00/15:00 中止
2月12日(土)11:00/15:00 中止
2月13日(日)11:00/15:00 中止
2月18日(金)11:00/15:00
2月19日(土)11:00/15:00
2月20日(日)11:00/15:00
楊琳、舞美りら、千咲えみ、白藤麗華、虹架路万、愛瀬光、城月れい、華月奏、遥花ここ、実花もも、翼和希、穂香めぐみ、結菜ほのり、りつき杏都、壱弥ゆう、朔矢しゅう、椿りょう、羽那舞、唯城ありす、京我りく、渚美怜、紫咲心那、有絢まこ、せいら純翔、瀧登有真、翔馬かいと、花うらら、梅名希歩、夏目せな、華蓮いろは
(特別専科)桐生麻耶、朝香櫻子
一等席(1・2階)8,500円/二等席(3階)4,500円
【日時(6公演)】
3月25日(金)12:00/16:30
3月26日(土)12:00/16:30
3月27日(日)11:30/16:00
楊琳、舞美りら、千咲えみ、白藤麗華、虹架路万、愛瀬光、城月れい、華月奏、遥花ここ、実花もも、翼和希、穂香めぐみ、りつき杏都、壱弥ゆう、朔矢しゅう、椿りょう、雪妃詩、唯城ありす、柚咲ふう、京我りく、凜華あい、依吹圭夏、純果こころ、せいら純翔、翔馬かいと、空良玲澄、真織ひな、璃音あかり、華蓮いろは、柊湖春
(特別専科)桐生麻耶、朝香櫻子
S席(1・2階)9,500円/A席(3階)5,000円
公演情報
第一部「陰陽師 闇の貴公子☆安倍晴明」:原作 夢枕獏『陰陽師』シリーズ(文藝春秋刊)より
作・演出 北林佐和子
第二部「INFINITY」:作・演出 荻田浩一
南座
7月9日(土)11:00/15:00
7月10日(日)11:00/15:00
7月11日(月)休演
7月12日(火)11:00
7月13日(水)11:00
7月14日(木)休演
7月15日(金)11:00
7月16日(土)11:00/15:00
7月17日(日)11:00/15:00
7月18日(月・祝)11:00/15:00
一等席:8,500円/二等席:4,500円