劇作家・脚本家の根本宗子が文芸界へ進出 代表作『今、出来る、精一杯。』小説化決定(コメントあり)

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2022.2.4
根本宗子

根本宗子


劇作家・脚本家の根本宗子が、自身初となる小説を2022年4月21日、小学館より刊行する。
 

音楽家とのタッグで生み出すオリジナルの音楽劇や、コロナ禍ではカメラ1台ワンカット撮影で、今までとは違った演劇の臨場感と可能性を観客それぞれの自宅へと届ける配信作品を発表するなど、常に新しい演劇の形と向き合ってきた根本。

作品は劇団 月刊「根本宗子」の代表作『今、出来る、精一杯。』。2013年の下北沢駅前劇場での初演後、再演を重ね、2019年には清竜人を主演兼、音楽監督に迎え新国立劇場で音楽劇としても上演された劇団の人気作だ。

根本自身の手によって、新たな言葉の応酬で読み手に衝撃を与える小説となり、この春世に放たれる。

多くの人が抱える、世の中でまかり通るやりきれないことへの感情や、不器用な人間の生きざまを「台詞」として描き続けてきた根本にとって、小説の執筆は大きな挑戦となり、作家としての新たな幕開けになる。

【根本宗子コメント】

23歳の時、自分の劇団公演のために演劇作として書き下ろした「今、出来る、精一杯。」を初演から10年の時を経て小説という新たな姿で今の世の中へ解き放てること、とても感慨深いです。

どんなに劇作を続けて技術が上がっても常に自分のライバルはこの作品で、いつもこの時の自分に見張られている気がしながら劇作を続けてきたほど自分の中で大きな作品です。

そんな本作に32歳の今のわたしが新たな言葉を吹き込み、特別な小説が仕上がりました。

どうか手にとっていただけたら、そしてどこかの誰かの大切な一冊となったら嬉しいです。

【あらすじ】

東京都三鷹市のスーパーマーケット「ママズキッチン」で働く人々は皆どこかヘン。しかしもっとおかしいのは毎日この店を訪れ「お弁当をタダでくれ」を叫ぶ車椅子に座る女だった。言葉を聞き入れてもらえない少女、自分の意見を捨てた女、完璧に見えるバイトリーダーに、他人の人生を壊してしまった男…。

「黙ってれば、自分の意見を持たなければ、嫌な思いもしませんから」

––バックヤードで繰り広げられる言葉の応酬と傷つけ合い。めんどうな12人の人間が曝け出した感情の先に希望は灯るのか。

 

書籍情報

『今、出来る、精一杯。』(小学館刊)
 
四六版上製208頁:定価1760円(税込)
2022年4月21日頃発売
 
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Amazonほか、各種サイトにて予約受付中。
 
【根本宗子プロフィール】
1989年東京生まれ。19歳で月刊「根本宗子」を旗揚げ。以降すべての作品の作・演出を務める。2015年『夏果て、幸せの果て』、2018年『愛犬ポリーの死、そして家族の話』、2019年『クラッシャー女中』、2020年『もっとも大いなる愛へ』がそれぞれ岸田國士戯曲賞最終候補となる。2022年、原作・脚本を担当した映画『もっと超越した所へ。』の公開が控えている。
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