『エンジェルス・イン・アメリカ』フルオーディションで選ばれた全キャストが決定 鈴木杏、水夏希、山西惇ら出演
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(上段左から)浅野雅博、岩永達也、長村航希、坂本慶介 (下段左から)鈴木 杏、那須佐代子、水 夏希、山西 惇
2023年4月上旬~5月末、新国立劇場 小劇場で上演を予定している、2022/2023 シーズン演劇『エンジェルス・イン・アメリカ』の全キャストが決定した。
本作は、毎シーズンに一本、全キャストをオーディションで選考、上演する企画の第5弾。演出に上村聡史を迎え、昨年10月25日より公募を開始、1,600通近くの応募があったそうだ。そして、11月の書類選考を経て、12月に一次選考、二次選考を行い、すべての出演者が下記の通り決定した。
決定キャスト(台本順)
ロイ・コーン:山西 惇
ジョー :坂本慶介
ハーパー :鈴木 杏
ルイス :長村航希
プライアー :岩永達也
ハンナ :那須佐代子
ベリーズ :浅野雅博
天使 :水 夏希
また、演出を務める上村、演劇芸術監督の小川絵梨子よりメッセージが届いた。
演出家・上村聡史 コメント
『エンジェルス・イン・アメリカ』はかねてより演出したい作品でした。しかし、本作品は1980年代という時代を色濃く反映しているため、その上演のタイミングが非常に難しいと思っていました。しかし、世界の不寛容と分断が進む中、そして新型コロナウイルスという不安に、未来が包まれている今、まさしく今上演すべき作品だと思いました。このオーディション企画では、二度目の演出ということもあり、同じ目的に向かう同志が集まる創作は、作品に高い求心性を持ち、主題を投げかける力が強くなるめ、本作はこの企画と相性が最適だと践みました。
変化が求められるこの時代に、戯曲のテーマでもある“変化・変革”を軸に、生きることと愛することを時に真摯に、時に軽妙に演じられた皆さんの気概に、感謝が尽きません。
その上で、出演者8名を決定させていただきました。
日本人の我々にとっては、理解するのが困難な文化の違いや、言葉の裏の意味や皮肉が交じった会話が多いこの高度な戯曲に、果敢にご応募いただいたこと、この熱量に、私は日本の表現者、演劇人の可能性を感じました。
そして、その熱量を受け、本作品の創作にいっそう精進していきたいと思います。
演劇芸術監督・小川絵梨子 コメント
『エンジェルス・イン・アメリカ』のオーディションにご応募くださった方々、そして長期に渡るオーディションにご参加下さった方々に厚く御礼申し上げます。
ご応募下さった皆様お一人お一人に、この度の作品に興味を持ってくださったこと、そして多大なるエネルギーと時間と想いをオーディションに向けて下さったことに心より感謝申し上げます。
オーディションを通して皆様とこうして出会う機会を頂けたことは、我々劇場にとりましても、参
加する演出家の方々にとりましても大変に大きな財産です。また、本企画の過去4回の中にはオーディションでの出会いから、当劇場の作品か否かに変わらず、また違う作品にてご一緒させて頂く機会も少なからず生まれており、本企画を続けていく上で励みともなっております。
フルオーディション企画第5弾となる『エンジェルス・イン・アメリカ』は、戯曲が二部作ということもあり、稽古と公演期間でそれぞれ約二ヶ月間、合計で約四カ月の長期プロジェクトとなります。公演時間も一部と二部を合わせると7時間を超え、これまでの本企画の中で一番の大作ですが、必ずや素晴らしい舞台になると思います。ぜひ、本企画にご興味を持って下さった皆様にご覧頂くことができましたら大変に有り難く存じます。
このフルオーディション企画はこの先も続いて参りますが、本劇場でどなたでも参加して頂けるオーディションでのキャスティングの作品を更に増やしていく予定です。オーディションで作品を作ることの豊かさや、その意義を探究しつづけて参りますので、またご興味を持って下さったら幸いに存じます。どうかこれからもよろしくお願い申し上げます。
重ねて、この度のオーディションにご興味を持ってくださいました皆さまに深く御礼申し上げます。
公演情報
日程:2023年4月上旬~5月末 予定
作:トニー・クシュナー