糸あやつり人形一糸座が四代目結城一糸襲名公演、三代目一糸は江戸伝内に改名、クラウドファンディングも募集
-
ポスト -
シェア - 送る
(左から)結城敬太改め四代目結城一糸、三代目結城一糸改め江戸伝内
糸あやつり人形一糸座が、「四代目結城一糸(ゆうきいっし)襲名」・「江戸伝内(えどでんない)改名」披露公演を、2022年5月27日(金)~29日(日)に赤坂レッドシアターでおこなう。また、この公演の支援を求めるクラウドファンディングも、2022年5月6日(金)23時まで募集中だ。
四代目結城一糸を襲名することとなったのは、三代目結城一糸の長男・結城敬太。彼は、三代目一糸の元で長く人形遣いとして活躍し、多くの古典演目の主役を務めてきた。コロナ禍で多くの主催公演が中止と追い込まれる中でも、人形遣いとしての修行を十分におこない、四代目一糸を名乗る技量が備わった。ここにおいて、日本の伝統芸能である、糸あやつり人形を未来へ託すため、今回の襲名が決まったという。三代目結城一糸が1972年に襲名されて以来、50年ぶりの四代目襲名だ。
結城敬太改め四代目結城一糸
また、この機に三代目結城一糸は「江戸伝内」と改名する。江戸伝内とは、江戸時代に一代で終わった人形遣いの名人。その名前を復活させ、糸あやつり人形浄瑠璃を再度盛んにしていきたいとの意気込みによるもの。
三代目結城一糸改め江戸伝内
糸あやつり人形一糸座は、古典の継承だけでなく、現代の演出家・海外の演出家との共同制作による新しい作品の創作など、意欲的な活動も行っている。近年では、チェコ・スロバキアでの古典作品の上演。イタリア・ボローニャ大学に招聘され、「伝統と前衛」をテーマに古典作品の上演と、学生とのコラボレーションで新しい作品の一部上演、イタリア・パレルモ国際人形演劇祭にも招聘され、「伝統と前衛」公演をおこなった。また、コロナ禍により中止・延期となったが、2021年にはフランス・ドイツ・チェコ・スロバキア・ノルウェーの5ヶ国7都市での古典作品と新作の上演も決まっていた。2022年3月にはノルウェー・オスロの劇団との共同制作、作:F・カフカ『猟師グラフス』公演を予定していたが、オミクロン株により、2023年に上演が延期された。
日本に古くから伝わるこの糸あやつり人形は、明治期、海外から入ってきた新しい文化によって一時期衰退したが、九代目結城孫三郎(三代目結城一糸の祖父)が様々な工夫をした事により、八町荒らしと呼ばれるほど人気を集めた。そのことにより、九代目結城孫三郎は中興の祖と呼ばれている。
日本の糸あやつり人形が現代まで続いているのも、この九代目結城孫三郎の努力の賜物であると考える一糸座は、先人が命をかけて守ってきたこの文化を未来へと繋いでいかねばならないとの使命感から、このたびの結城敬太の結城一糸襲名と結城一糸改め江戸伝内の復活により、更に未来へとこの芸能を繋いでいきたい、という。
そんな今回の襲名披露公演を実施するうえで必要な経済的基盤を整備すべく、クラウドファンディングも、2022年5月6日(金)23時まで募集中である。プロジェクト名は『三代目襲名から50年。四代目結城一糸襲名公演を応援して下さい!』。目標金額は130万円。支援額に応じた各種リターンのコースが用意されている。All or Nothing(目標未達の場合は全ての支援金が支援者に返金)方式。詳しいことは下記公演情報欄経由にてクラウドファンディング詳細サイトを参照のこと。
糸あやつり人形一糸座
公演情報
四代目結城一糸(ゆうきいっし)襲名・江戸伝内(えどでんない)改名 披露公演
■会場:赤坂レッドシアター
・二人三番叟
・廿四孝
・八百屋お七(義太夫演目)
・戻橋(常磐津演目)
<義太夫演目>
「二人三番叟」
人形:四代目結城一糸 江戸伝内
義太夫:竹本綾之助 竹本土佐子
三味線:鶴澤三寿々 鶴澤津賀榮
振付:西川千雅 鳴り物:望月太意三郎
人形:四代目結城一糸 後見:結城まりな
義太夫:竹本綾之助 竹本土佐子
三味線:鶴澤三寿々 鶴澤津賀榮
振付:西川千雅 鳴り物:望月太意三郎
人形:江戸伝内 田中空 結城まりな
後見:眞野トウヨウ 土屋渚紗
義太夫:竹本綾之助 竹本土佐子
三味線:鶴澤三寿々 鶴澤津賀榮 鳴り物:望月太意三郎
「戻橋」
人形:四代目結城一糸 江戸伝内 田中空 眞野トウヨウ
後見:結城まりな 土屋渚紗
常磐津:常磐津八重太夫 常磐津文重太夫
三味線:常磐津東蔵 常磐津八重一郎
鳴り物:望月太意三郎
■プロジェクト名:『三代目襲名から50年。四代目結城一糸襲名公演を応援して下さい!』
■目標金額 1,300,000円
■支援募集期限:2022年5月6日(金)午後11:00まで