『かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック-』放送記念 古賀葵インタビュー 後編 「第三期で描かれるのは物語の大きな節目なので……」
2019年1月より第一期の放映がスタートとなったアニメ『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~(以下 かぐや様)』。その斬新な設定と魅力的なキャラクター描写で多くの人からの支持を獲得した本作待望の第三期『かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック-』が現在絶賛放映中だ。SPICEでは主役・四宮かぐやを演じる古賀葵に『かぐや様』シリーズの魅力について語ってもらうインタビューを決行し、前編を4月20日に公開。その後編となる今回の記事ではこれまで放映された第三期4話までの見どころ振り返ると共に、古賀の声優キャリアにおける『かぐや様』という作品の重要さについても語ってもらった。盛りだくさんな内容となっている後編も大いに楽しんでもらいたい。
■第三期ではファン待望のあのシーンも描かれる!ということは……
――改めて、『かぐや様』第三期の放送が決定した時のお気持ちを伺えればと思います。
聞いた時の率直な感想は「やった! 嬉しい!」でしたね。原作から計算すると、これはついにあのシーンもアニメーションになるな! とか考えたら本当にワクワクしていました。ただ、そこからちょっと冷静に考えたら、あの重要なシーン、あれを私が演じるということになるんだと気付かされて……。これは単純に喜んでもいられないぞ、と……。
――責任重大だぞ、という感じですか?
本当にその通りで、原作ファンの方からしたら待ちに待ったシーンの連発でしょうから、間違っても私が演技でそれを台無しにするわけにはいかない……。プレッシャーを感じずにはいられなかったです。
――確かに、第三期で描かれる部分、物語上重要度は本当に高いですからね。
赤坂アカ先生も明らかに話の大きな節目として描いている、読んでいてもそれがひしひしと感じられますからね。キャストとしては嬉しさと緊張とで感情がごちゃごちゃでした(笑)。
――物語の節目ということで、かぐやの成長も描かれる。
ですね! 体育祭を経てかぐやも一段階大人になっていますから。
――やはり大人になったな、というのは演じながら感じたと。
感じましたよ。かぐやも大人になって一段階素直になったな、なんて(笑)。その一方で、まだまだ素直になりきれない部分も持っているんですよね。そんな微妙な状況の彼女が、人との関わりの中でいろんな表情を見せる。演じるのがなかなかに難しかったです。
――確かに、三期のかぐやは絶妙な位置で揺れ動きますからね。その機微こそが三期の見どころではあると思いますが。
そうなんですよ。もう三期のかぐや、すごく乙女! 本当に映像で見れてよかったです。もう可愛くてかわいくてたまらなかったですからね。
■古賀葵的第三期注目ポイントは……早坂愛!
――では古賀さんが三期を通して楽しみにしている話数はありますか?
まず楽しみなのは間も無く放送の第5話! 恒例の藤原と会長の修行回、それも今回ラップですよ! 映像になるのをずっと楽しみにしていたエピソードだったので「ついにきた!」と思っています。
――確かにあそこは原作屈指の、どう映像になるのかが気になるエピソードではありますね。
そうなんですよ、まさか共演者がラップする瞬間に立ち会えるなんて思っていませんでしたからね(笑)。中でも早坂の立ち位置がとても重要なので注目してほしいですね。
――気になるのは会長ではなく早坂ということですか?
そうなんですよ! いやぁ、今期は本当に早坂のことが気になりすぎて。第三期は、あのクールな早坂が精神的にかなり揺れ動く。もうどこに着地するのか気になって仕方がなくて……。
――確かに、早坂には第三期でこれまでにないほどスポットライトが当たっています。
第二話で描かれたカラオケのくだりなんかもすごかったです。本当に早坂の心が揺れているのが見てとれるんですよね。あと、今期は早坂の華麗な変身姿も見れるのでそこもチェックして欲しいと思っています! 早坂の男装! ハーサカくんが動いているところを見れるのが本当に最高!
――早坂愛がすごい(笑)。
かぐやにとっても大切な人ですからね。声帯である私としても、どうしても気になってしまうんですよ。
――かぐや自身にも「あなたのことは私が一番知っている」と言わせるほどのキャラクターですからね。
かぐやにとって早坂は本当に特別な存在。友達でもありながら藤原への接し方とは全く違う、どちらかというと姉妹に近い存在。早坂の前でしか出すことのできない一面もあるし、素直な感情も彼女になら話すことができる。こんなに心許せる相手、普通いませんよ。
――本当に困った時、助けてくれるのも早坂、というのもあります。
そうなんですよ、そこを考えるとかぐやにはもう少し早坂の扱いをなんとかしてほしい……! 気を許しているからこそなんでしょうけど、ちょっと扱いが雑ですよね! 演じている私としては本当に早坂には頭が上がりません……。
■四条眞妃の前でのかぐやには懐かしさを感じるんです
――もう一人、三期になって存在感が増したキャラクターに四条眞妃さんがいます。
これまでもひっそりと登場していたキャラクターでしたけど、まさかあんなキャラクターだったなんて! と、原作を読んでない人は驚いたでしょうね(笑)。
――確かにまさかあんなにパンチの効いたキャラクターだったとは(笑)。かぐやに似ていると言われるシーンもありましたが、古賀さんから見ての印象はいかがですか?
似てはいるけど、かぐやよりも人間的だな、って(笑)。かぐやよりも自分の感情をちゃんと表に出せる、友達も作ることができる。四条眞妃ちゃんの方が素直、って言ったらいいのかな。
――ということは、かぐやは四条眞妃さんに性格が似てきているということに……。
それはありますね。かぐやは、ここからさらに素直になったら行き着く先は四条眞妃ちゃんなのかもしれない(笑)。そういう意味では二人は仲良くなれてもおかしくないと思うんですけどね、そうもいかないのはもどかしいな……。
――家柄の都合もありますからね、なかなかそこが一筋縄にはいかない……。
そうなんですよ、なんとかそれを乗り越えて仲良くなてくれたらいいんだけどな……。
――確かに二人が仲良く恋話しているところなんか見れたら素敵でしょうね。ところが実際はかなりツンケンとした……。
久々にあのツンケンしたかぐやを演じましたよ。やっていて懐かしさを感じました。
――やはり懐かしい感じはあったんですね。
最近は生徒会室で、いつもの仲間たちと過ごす朗らかなかぐやが多いですからね。久々の、一期始まった頃のようなツンとしたかぐや。久々に来たな、と思いました。
――なるほど、確かにあのシーンは「懐かしい!」と思いながら見ていました。
本当ですか! 嬉しい! 懐かしいって思ってもらえるってことはかぐやの成長も感じてもらえているってことですからね。これは本当に役者冥利につきます!
■『かぐや様』に出演して手に入れたのは、声優としての視野の広さ
――最後に、古賀さんにとっての『かぐや様』という作品はキャリア的にも大きな転換点になったとは思いますがいかがでしたか?
本当に大きな転換点でした。『かぐや様』をきっかけに”古賀葵”って名前を知ってくださった方もたくさんいる。それに、この作品に参加して私自身も声優という仕事への視野がすごく広がった感じもしているんですよ。
――視野、ですか?
はい、作品への関わり方の幅や、声優としての演技の幅、そういうものが広くなった感じですかね。
――作品への関わり方という意味ではラジオ番組『告RADIO』への出演なんかもその一つということになるとは思います。
そうですね、ただキャストとして役を演じるだけが声優の仕事じゃない。作品に関わる一人のメンバーとしてラジオはじめ色々な活動をすることで作品を一緒に盛り上げていく。そういうのも声優としての仕事の一つなんだな、ということはこの作品に教えてもらった気がします。
――そして演技においても視野が広がったと。
『かぐや様』、普通に演技しても難しいところが多いんです。テンポが早い掛け合いや、コメディやシリアスの落差が大きいシーンがすごく多い。そこに対してでどうやって演技を持っていくのかを研究したり、その中にも遊びやアドリブを入れてみたり。そういう創意工夫をしていく中で演技面も一段階進歩できた気がしています。
――古賀さんにとって『かぐや様』という作品がどれだけ大切か、すごく伝わってきました。
本当に大切な作品です。この作品に、そしてそれを作る人たちに巡り合えたおかげで声優キャリアは大きく変わったんだな、と思います。
――そんな古賀さんにとって大切な作品である『かぐや様』、是非とも皆さんに見てもらいたいですね。
是非とも楽しんください! 関わる人たちが一丸となって、みんなが前のめりになって作った作品です。第三期も間も無く折り返し、最後まで楽しんでもらいたいです!
前後編に渡ってお届けした今回のインタビュー、いかがだっただろうか。今回のインタビューを読んで、さらに本作の続きが楽しみになったという人も多いだろう。是非とも最後までこの『かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック-』、楽しんでもらいたい。
インタビュー・文=一野大悟 撮影=池上夢貢
放送情報
テレビアニメ『かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック-』