朝夏まなと×中河内雅貴×実咲凜音インタビュー ミュージカル『モダン・ミリー』は「見逃さないでほしいところしかない!」
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――前回のお稽古中、役作りで苦労されたところや演出の小林香さんとのやり取りなど、印象に残っていることを教えてください。
朝夏:私が演じるミリーは元気で大胆で、女性の道を切り開くという目標を持って田舎からニューヨークへ出てきた女の子。自分も佐賀から宝塚を経由して東京へ来ているので、ちょっと被る部分はあるかなと思っていたんです。けれど、いざ役を演じてみると結構難しくて。掴みどころがないというか、ミリーっておとぼけなんですよね。お茶目でちょっと天然で、思ったことを何でも口にしちゃうような子。そのお茶目さやかわいらしさをどうやって出そうかなと、すごく悩んだんです。結果、あまりその答えをはっきり掴めないままお稽古が終わった感じがしていて。余裕もなかったですし、結構追われて作っていた感じがあります。
でも今回上演するにあたって改めて台本を読んでみたら、想像がバッと広がったんですよね。2年間いろんなことを経験させてもらって、ミリーという役をより膨らませられそうだなと手応えを感じました。良い意味で当時を忘れて、自分に残っているものプラス「もっと面白くする」とおっしゃっていた香さんの演出を受け、いろんなアイディアを出せていけたら良いなと思います。香さんからは前回のお稽古のときに「まぁちゃんがミリーを好きにならないと、ミリーはできないよね」という言葉をいただいて。当時はミリーを好きになるための材料がちょっと少なかったかなと思うので、今回はもっと深いところまで掘り下げてやりたいです!
朝夏まなと
中河内:僕自身の反省点としては、ちょっとまじめな役に作り過ぎたかなと。最初に台本を読んだときに、役どころやストーリーの流れ的に、僕の演じる役にコメディ要素はいらないんじゃないかって思っちゃったんです。でも、全部の芝居をバシッと真面目に受け取るだけじゃなくて、時には軽く受けてみたりとか、キャッチャーミットをもっと大きくできるんじゃないかなって。自分が変わって受け皿や引き出しを多くできたら、相手役の方も変わるだろうし、みんなも変わるだろうし。2年の月日を経てそう思うようになりました。
あと難しかったのは、アメリカの英語のギャグを日本語にしたときにどうしても伝わりづらかったり、演じづらくなってしまったりするところ。与えられた台本の中でやっていかなければいけないので、演出家とも相談しながらアイディアを出し合って作っていけたらいいなと思っています。
実咲:香さんは結構自由に演じさせてくださる方で、演者がやってみたい方向性を見せたらそれをジャッジしてくださる、という感じのお稽古だった記憶があります。私の役柄としては裕福な育ちの令嬢というお嬢様の役なんですけど、普段の私とあまりに違い過ぎて(笑)。普段の私は早口になっちゃうし、全然遠いなあと思うんです(笑)。お稽古のときは、役の設定の「天然である」というようなワードはあまり意識せず取り組んでいました。
そういえば最近、当時のお稽古動画を見たときに「もうちょっとここは大きく反応した方がいいぞ!」とか、いろいろ思うところがありました(笑)。時を経て客観的に見たときに改善点があったので、2年前より今の方が良いものをお届けできるかもしれないなと、ポジティブに捉えています。
実咲凜音