オメでたい頭でなにより、「マジでオリジナル曲、一曲もやりません!」この日限りのカバー曲のみで魅せた一夜
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ぽにきんぐだむ / 赤飯
オメでたい頭でなにより
もはやカバーではなくモノマネ、異常に完成度の高い宴会芸といえる、赤飯の「2億4千万のものまねメドレー」で爆笑を生むと、赤飯とぽにきがアコギとタンバリンで、ファンからのリクエストから選ばれた「夏色」を本気コピーして、息の合ったハーモニーを聴かせる。さらに暗いステージにランプの光が灯り、薄っすらと虫の声も聴こえてくるサマーキャンプをイメージした演出で、アコースティック編成で披露したのは「君がいるだけで」。芸達者ぶりに加え、アコースティックでもしっかり聴かせるスキルの高さ、そして他では見られないカバー曲たちの贅沢さに、観客は満足そうな表情でステージを見守る。さらに「これもカバー曲」と力技で納得させた、お目出たズの「メジャーデビュー曲」。パワフルさや勢いも含めた完璧なカバーに、ヘドバンの嵐が起きた「ぶっ生き返す」と続いて圧倒的な盛り上がりを見せると、ライブはいよいよクライマックスへ。
赤飯 / ぽにきんぐだむ
オメでたい頭でなにより
MCで「コミュニケーションが取れない時間が続いたので、僕たちとお客さんの距離を縮めて対話の出来るライブを作りたかった」とこのライブを開催した意味を話し、「フロアで全然知らない人同士が好きな曲を通じて、汗だくになって笑顔になって。人が好きになる瞬間をみんなに知って欲しくて、このバンドをやってるし、アホな曲いっぱい作ってやってます」と観客に伝えると、「コロナでツアーが中止になった時、曲作りの根幹がライブにあるから、全然曲が作れなくなって。カバーをやることで俺たちらしさや足りひんかったものの再確認も出来たし、カバーアルバムが出来なかったら、次に進めなかった」とカバーアルバムをリリースした経緯を語った赤飯。「いま新曲も作ってるし、アルバム作ってツアーもやります。前に進む気しかないので、安心して付いてきて下さい! こういう瞬間もあったよねって、みんなで笑える未来を作りましょう」と宣言して、始まった曲は「WOW WAR TONIGHT~時には起こせよムーヴメント〜」。<何かを叫んで自分を壊せ!>と、暗闇の中で戦い続けた日々。自身の想いを重ねた気持ちのこもった歌と演奏は、カバーアルバムを作った意味やこのライブを開催した意義を感じさせてくれたし、実に感動的だった。
オメでたい頭でなにより
ラストは多幸感溢れ、希望に満ち溢れた「明日があるさ」で大団円。MCで「この公演に来るという選択をしてくれて本当にありがとう。歴史の生き証人になってます!」と語っていたように、絶望的な時期を乗り越え、ここからの道と光を指し示してくれたカバー曲たちをライブでしっかり披露して。普段のライブでは見られない彼らの魅力や凄さを見せつけた上、「明日があるさ」と大きな夢を抱いて再び前に進みだした、彼らのたくましい姿を見ることが出来て本当に良かった。
取材・文=フジジュン 撮影=ゆうと。
オメでたい頭でなにより
オメでたい頭でなにより
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セットリスト
20220515(sun)東京キネマ倶楽部