平泳ぎ本店、創作現場でのハラスメント問題を切り口にした『俳優の魂/贋作 不思議の国のニポン演劇盛衰史』を上演
平泳ぎ本店 第7回公演『俳優の魂/贋作 不思議の国のニポン演劇盛衰史』
2022年6月23日(木)~26日(日)シアター風姿花伝にて、平泳ぎ本店 第7回公演『俳優の魂/贋作 不思議の国のニポン演劇盛衰史』が上演される。
平泳ぎ本店/Hiraoyogi Co.は松本一歩が主宰する演劇カンパニー。2015年の設立より主に東京都内で演劇作品を発表し、劇場での演劇公演のほか、第8回せんがわ劇場演劇コンクールへの参加(2017年)、第3回神奈川かもめ短編演劇祭への参加(2018年)、静岡の野外演劇フェスティバルストレンジシードthePark2020への参加(2020年)など意欲的に創作を続けてきた。ストレートな演劇をバックボーンとしながら戯曲や小説など様々なテクストに対しジャンル横断的な表現手法を駆使したアプローチを用い、独自の作品を発表するという特徴を持っている。
本公演は、タイトルの通り、『俳優の魂』(『女優の魂』作・岡田利規)、『不思議の国のニポン』(作・小林賢太郎)、『日本文学盛衰史』(作・平田オリザ)という3本の作品へのオマージュとなる作品(※上記の三作からの直接の引用や関係はありません)。
昨今課題となっている創作現場でのハラスメント問題を切り口に、主に日本の現代演劇の系譜(ひとつの時代を代表する表現と、それに対するカウンター)を辿りながら、俳優が舞台上で一瞬の命を手にするまでを描く。
作品冒頭に上演される『逆灰皿』という短いシーンは、かつて平泳ぎ本店が第8回せんがわ劇場演劇コンクール(2017年)に参加するきっかけとなり、審査員を務めた矢内原美邦氏からその新劇への批評性を高く評価された。
活字となって歴史に残る戯曲や演劇論ではなく、その場で消えてしまう上演を担う俳優として、日本の演劇の奔流をいかにリアライズするか。平泳ぎ本店としては、これが作品の核心となるとのこと。
また本作はすでに20分のショートバージョンとして第2回新潟劇王への参加を経ており、大会では15団体中2位の結果となっている。なお、シアター風姿花伝での上演では約90分のフルサイズでの上演となる予定。
稽古場でのハラスメントが元で息絶えた俳優が異空間に転生し、ニポン演劇盛衰史の授業を受ける。先生はミスラだが、成績のよくない生徒は呪(まじな)いをかけられてしまう。
限定される演技体。曲解される演劇史。俳優へと宛てられた手紙。
して、俳優よ。
小劇場から見える空は今日も青く澄んでいるか?
俳優の魂のゆくえは。
公演情報
公式サイト https://hiraoyogihonten.com/