『フェルメールと17世紀オランダ絵画展』大阪でも開催、音声ガイドやミッフィーとのコラボグッズ、公式キャラクターの最新情報も発表
-
ポスト -
シェア - 送る
特別展『ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展』
7月16日(土)〜9月25日(日)、大阪市立美術館にて開催される特別展『ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展』前売券の販売がスタートした。
ヨハネス・フェルメール 「窓辺で手紙を読む女」(修復前)1657-59年頃 ドレスデン国立古典絵画館 (c) Gemäldegalerie Alte Meister, Staatliche Kunstsammlungen Dresden, Photo by Herbert Boswank(2015)
同展最大の目玉作品である、17世紀のオランダ絵画の巨匠ヨハネス・フェルメールの初期の傑作「窓辺で手紙を読む女」は、1979年に作品の画中画にキューピッドが隠されていることが判明。長年フェルメール自身が消したものだと考えられてきた。しかし、第三者により塗りつぶされたことが明らかになり、大規模な修復が行われた。そして2021年9月、350年余り前にフェルメールが描いた「本当の姿」が戻ってきた。そんな「窓辺で手紙を読む女」が、所蔵館のドレスデン国立古典絵画館に次いで、世界で初めて公開される。
幻のキューピッドが、大規模な修復プロジェクトを経てついに大阪へ
X線調査画像 (c) Gemäldegalerie Alte Meister, Staatliche Kunstsammlungen Dresden; Fine Arts Museum of San Francisco; (c) SKD, photo: W. Kreische
「窓辺で手紙を読む女」は、窓から差し込む光の表現、室内で手紙を読む女性像など、フェルメールが自身のスタイルを確立したといわれる初期の作品。1979年のX線調査で、手紙を読んでいる女性の背後の壁にキューピッドの画中画が隠されていることが判明した。これは長年、フェルメール自身が消したと考えられてきた。
修復作業の様子 (c) SKD, photo: Kreische/Boswank
そこで2017年3月、ドレスデンに専門家委員会が招集され、作品状態について議論を交わし、保存計画を作成。作品を覆っていた古いニス層を溶媒を使って取り除き、汚れを落とす作業が開始された。しかし、キューピットの上塗り部分とそれ以外の部分で溶媒への反応が異なると修復師たちが気づいたことで科学調査が行われ、その結果、キューピッドの画中画の上塗りが行われたのは、フェルメールが亡くなった後であるという事実が明らかになった。
修復作業の様子 (c) SKD, photo: Kreische/Boswank
2017年12月、専門家委員会の提言を受けながら、手作業で慎重に一部の上塗りの絵具層を取り除いていった結果、隠れていた画中画部分の状態は極めて良好で、フェルメールが描いた当時の状態を残していると判明。この結果を受け、全ての上塗りの除去作業が継続された。1日に1〜2㎠という、極めて狭い領域しか作業を進められないため、修復師にとっては非常に骨の折れる作業を続けることとなったが、2021年9月修復は完了。フェルメールが描いた当初の姿が所蔵館でお披露目された。
ヨハネス・フェルメール 「窓辺で手紙を読む女」(修復中)1657-59年頃 ドレスデン国立古典絵画館 (c) Gemäldegalerie Alte Meister, Staatliche Kunstsammlungen Dresden, Photo by Wolfgang Kreische
東京会場、北海道会場に続き、大阪会場に巡回する同展では、キューピッドが現れた「窓辺で手紙を読む女」とともに、大規模な修復プロジェクトの過程についても映像やパネルなどで紹介する。
ヨハネス・フェルメール 「窓辺で手紙を読む女」(修復後)1657-59年頃 ドレスデン国立古典絵画館 (c) Gemäldegalerie Alte Meister, Staatliche Kunstsammlungen Dresden, Photo by Wolfgang Kreische
さらに、同館が所蔵するレンブラント・ファン・レイン、ハブリエル・メツー、ヤーコプ・ファン・ライスダールなど、17世紀オランダ絵画の黄金期を彩る珠玉の名品約70点も展示。
●レイデンの画家― ザクセン選帝侯たちが愛した作品
ヘラルト・テル・ボルフ 「手を洗う女」 1655-56年頃 ドレスデン国立古典絵画館 (c) Gemäldegalerie Alte Meister, Staatliche Kunstsammlungen Dresden, Photo by Elke Estel
ドレスデン国立古典絵画館のコレクションの基礎を作り上げた、ザクセン選帝侯アウグスト1世と2世が特に好んだ、レイデンの画家たちの作品を展示。(※レイデンは、オランダ南ホラント州の基礎自治体。アムステルダムの南西36kmに位置する、オランダ最古の大学都市)
ハブリエル・メツー「レースを編む女」1661-64年頃 ドレスデン国立古典絵画館 (c) Gemäldegalerie Alte Meister, Staatliche Kunstsammlungen Dresden, Photo by Elke Estel/Hans-Peter Klut
●レンブラントとオランダの肖像画/オランダの風景画
レンブラント・ファン・レイン 「若きサスキアの肖像」 1633年 ドレスデン国立古典絵画館 (c) Gemäldegalerie Alte Meister, Staatliche Kunstsammlungen Dresden, Photo by Elke Estel/Hans-Peter Klut
17世紀オランダで重要な地位を占めた肖像画。肖像画の分野において大きな足跡を残した巨匠レンブラントの作品、また風景画の発展に大きな影響を与えた17世紀オランダの風景画も展示する。
ヤーコプ・ファン・ライスダール 「城山の前の滝」 1665-70年頃 ドレスデン国立古典絵画館 (c) Gemäldegalerie Alte Meister, Staatliche Kunstsammlungen Dresden, Photo by Elke Estel
●聖書の登場人物と市井の人々/オランダの静物画 ― コレクターが愛したアイテム
ヤン・ステーン 「ハガルの追放」 1655-57年頃 ドレスデン国立古典絵画館 (c) Gemäldegalerie Alte Meister, Staatliche Kunstsammlungen Dresden, Photo by Elke Estel/Hans-Peter Klut
オランダの画家たちは聖書の物語と市民たちの日常、つまり「聖と俗」両方の場面を描き出した。また、この時代のオランダにおいて隆盛を極め、絵画の一ジャンルとして確立された静物画も展示する。
ヤン・デ・ヘーム 「花瓶と果物」 1670-72年頃 ドレスデン国立古典絵画館 (c) Gemäldegalerie Alte Meister, Staatliche Kunstsammlungen Dresden, Photo by Elke Estel/Hans-Peter Klut
ヨセフ・デ・ブライ 「ニシンを称える静物」 1656年 ドレスデン国立古典絵画館 (c) Gemäldegalerie Alte Meister, Staatliche Kunstsammlungen Dresden, Photo by Elke Estel/Hans-Peter Klut
音声ガイドは女優の小芝風花と声優の梅原裕一郎が担当
同展の音声ガイドを担当するのは、女優の小芝風花と声優の梅原裕一郎。展覧会のみどころをわかりやすく解説する。
小芝風花は「『ドレスデン国立古典絵画館所蔵フェルメールと17世紀オランダ絵画展』の音声ガイドのナレーションを務めさせていただきました。観る人の邪魔にならないように、考えながら読んだので、めちゃくちゃ緊張しました。もともと私の美術館に対するイメージは、少し難しい印象があったんですが、私のように興味はあるけど、知識がないから不安と思っている人にも寄り添えるように、音声ガイドを通じて展覧会の魅力を伝えられればと思っています」とコメントしている。
『フェルメールと17世紀オランダ絵画展』とミッフィーが「手紙」をテーマにコラボ
東京会場と同様、オランダうまれのミッフィーと同展がコラボレーション。「手紙を読むミッフィー」は「窓辺で手紙を読む女」をモチーフにした限定グッズ。そのほかにも、「手紙を書くミッフィー」のぬいぐるみや、「手紙」をテーマにした様々なグッズを販売予定。
展覧会を盛り上げる公式キャラクター
2019年のフェルメール展で大阪に来た「取り持ち女」から生まれた公式キャラクター「フェルメくん」に加え、イラストレーターCOFFEE BOYが描きおろした「キューピッドさん」、「手紙を読む女」の3キャラクターが、Twitterを中心に活躍。展覧会の見どころやトリビアなど、多くの情報を届けてくれる。
特別展『ドレスデン国立古典絵画館所蔵フェルメールと17世紀オランダ絵画展』の前売券は、6月1日(水)〜7月15日(金)まで、イープラスほか各プレイガイドにて発売中。
関連記事
展覧会情報
【会期】2022年7月16日(土)〜9月25日(日)
【会場】大阪市立美術館
〒543-0063 大阪市天王寺区茶臼山町1-82(天王寺公園内)
【開館時間】9:30〜17:00(入館は16:30まで)
(9月3日、10日、17日、23日、24日は9:30〜19:00(入館は18:30まで))
【休館日】月曜日(7月18日、8月15日、9月19日は開館)、7月19日
【観覧料(税込)】一般/2,100円(1,900円)、高大生/1,500円(1,300円)
土日祝は予約優先制。(8月12日、15日、9月20〜22日を含む)
※( )は前売券・団体料金。団体は20名以上
※中学生以下、障がい者手帳等を所持の方(介護者1名を含む)は無料(要証明)。
※大阪市内在住の65歳以上の方も一般料金。
【後援】ドイツ連邦共和国総領事館、大阪市教育委員会、堺市教育委員会、公益財団法人大阪観光局、
山陰中央テレビジョン放送、岡山放送、テレビ新広島、テレビ愛媛、高知さんさんテレビ
【特別協賛】アース製薬
【協賛】大和ハウス工業、NISSHA
【協力】ルフトハンザカーゴAG、ルフトハンザドイツ航空、ヤマト運輸
【問い合わせ】大阪市総合コールセンターなにわコール 06-4301-7285(年中無休:8時〜21時)
【公式サイト】https://www.ktv.jp/event/dresden-vermeer/